108-剣を見物
店に入った俺たちはまず、検索機を使って店内の在庫を検索する。
今回探すのは、俺の護身用のナイフと、ペルソナが望んだ大中小型の刃物をそれぞれ。
バ◯ターソードみたいな剣を欲しがるから、なんだと思ったが...映像を見ると確かに有効そうだった。
身体強化手術を施した貴族や、剛力の種族が扱うもので、場合によっては一振りで数人くらい簡単に斬り飛ばせるそうだ。
取り回しの悪さが弱点だが...
「艦内の戦闘を想定したものじゃないよね?」
「はい、艦内では狭すぎます...ですが、艦外で複数の敵と戦うには向いていると思うんです、威圧感も有効ですし」
「うーん、確かに」
馬鹿でかい武器を振り回すアンドロイドなんて、相手にしたくはないな。
お、出て来たな。
複数種類があるようだ。
「どれにする?」
「現在の私の運用法を鑑みて、エッジ8型を推奨します」
「値段も安めだね、メンテナンスキットは付ける?」
「お願いします」
エッジ8型は軽量ではなく、中身がしっかり詰まった肉厚の剣のようだ。
両刃で、先端が半円形にカーブしている。
在庫が店舗にあり、発注する必要はなさそうだな。
「中型は?」
「スイープ2、バッシュ2.8、スラスト62をそれぞれ」
「了解」
中型の刃物というのは要するに剣だな。
スイープはリーチの長い細剣、バッシュは重めのブロードソードみたいなやつだ。
スラストは...刀か? これ?
いや、フェンシングで使うアレみたいな感じの武器のようだ。
刀はあるにはあるが、買う必要のない武器は持ってもしょうがない。
「小型は...どうしようかな、私の護身用にも一本欲しいんだけど...」
「護身用というと、超近接タイプという事ですか?」
「そうなるかな」
「でしたら、アサルト0.3などはどうでしょう? 見た目は棒ですが、エネルギーパックを使ってエネルギーの刀身を生成するナイフです、小型なのでエネルギーの消費量も少ないですし、サバイバルナイフとしても使えます」
「良さそう...ありがとう」
「いえっ、それほどの事ではないです!」
もうそれでいいな。
とはいえ弱点はあるんだろうな。
多分だが、何でも切断できてしまうことが問題なんだろう、扱いは慎重にしなければな。
「私はフラット0.9を、単分子なので金属にも刃が通ります」
「凄いね」
「ただ、近接戦では私自身の損傷率も高くなるため、基本的には投擲する運用になるかと」
「投げるの!?」
投げるのか。
ちょっと勿体ない使い方だなとは思うが、ペルソナなら消耗品にしたりはしないだろう。
「はい、コンマ数秒程度の遅延であれば、対象の急所に当てられる可能性は十分にありますので」
「奮発して二本追加で買っておくね」
「ありがとうございます!」
手を合わせて目を輝かせるペルソナ。
明るすぎて火がつきそうだ。
やる気十分なのはありがたいが。
「よし、買い物カゴに入れてっと...このまま決済できるのはいい仕組みだね」
「人類の叡智を感じますね」
これで、注文した商品は後で配送される。
店員はあくまで、棚売り商品の単品または少数購入のために在留しているだけなんだろう。
「ようし、次行こう!」
「はい!」
俺たちは再び外へと出る。
次は銃器の専門店だ。
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