表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/125

105-この出会いに感謝を

ブリッジに向かった俺は、クローゼットにあったパーカーと下着とGパンをペルソナに貸した。

そして、色々と話をした。

アルの素性と事情、俺が地球から来た事、出身国家を偽っている事、この船は無から生まれたか、どこかからか来た事を伝えた。

そして、全てを一瞬で整理したペルソナは、


「ありがとうございます」


それとだけ言い放った。

俺とアルが頭に疑問符を浮かべていると、彼女はにっこり笑顔を浮かべて、


「私を信用してくださっているようで、本当にうれしいです!」


と答えた。

ああ、そうか.....俺たちの素性を話すということは、俺たちは全面的にペルソナを信用してたって事か。


「集合意識型のアンドロイドは、確かに勝手に情報を共有してしまう欠点があります。でも、自律型....私のようなアンドロイドであっても、同じように信用されないことは育成過程で学習してました、でも......信用してくださって、私は誇らしいです」


「ぜひその期待に応えたい」という姿勢が前面に出ていた。

俺は、ペルソナは純粋なのだなあと感じる。

まぶしい程に。


「ねえ、ペルソナって何が出来るの!? 戦えるの....?」

「はい、私は多機能型アンドロイドですので、戦闘用換装パーツを取り付けていただければ可能です!」

「かっこいい!」


アイとも仲良くできそうだな。

俺はうんうんと頷いてみせる。


「そこでなんだけど、ペルソナ」

「はい」

「基礎教育っていうのは、どこまで?」

「全種族の家事類を一通り、戦闘技能や武器の扱い、各種ブルーワークの工程基礎をインストールされています、熟練者には及びませんが、なんでも命じてくださって構いません!」

「了解、じゃあ......夕ご飯の手伝いをしてもらおうかな」

「はいっ!」


ペルソナは敬礼した。

ノリがいいようで助かる。







まずいな。

俺はそんな感想を抱く。

彼女が居るだけで、全部終わっちまう。

流石に地球の料理は出来ないようだが、食材の加工から指示を受けての機材の準備がとても滑らかで、すぐに仕事を奪われそうだと察した。


「ふう....ペルソナはすごいね」

「ありがとうございます、でも....私は、リリー様の作る料理を知りませんので、こういう雑用でしかお力になれないのです」

「充分だよ、その内教えるからアルに作ってあげて」

「はい!」


ペルソナは素早くパンの入ったバスケットを用意して、食卓の方へ持っていく。

今日はクラムチャウダーを作っているので、バゲット風のパンを買ってきておいたのだ。

これからは買い出しも自分だけで行う必要がないわけだな。


「ねー、ペルソナ、今日の晩御飯なにー?」

「リリー様には秘密ですよー、クラムチャウダーらしいです」

「クラムチャウダーって何....?」

「分かりません!」


後ろから声が聞こえてくる。

二人は気が合いそうだ。

俺とは違う......


「リリー様! クラムチャウダーって何でしょうか?」

「魚介類の甘めのスープみたいな感じかな」

「すごいです! 私の知識には無いです....! 地球に行ってみたいです!!」

「いつかね」

「はい!」


いいや、違うな。

ペルソナは仲間だ、本当の意味で。

だから――――


「ありがとう」

「えっ、何でしょうか....?」

「私たちを、認めてくれて」

「はい、当然です!」


この出会いに感謝を。


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ