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104-新しい仲間

俺たちは、カーゴスペースに居た。

ハブコムから届いた荷物をそこに入れてもらったからだ。


「ハブコム...アンドロイド?」

「そう」


アルが箱に印字されたロゴを見て、ようやく荷物の正体に気づいた。

俺は荷物の包装を剥がし、中身を露出させる。

縦に届いた荷物の中身は、白い金属の箱だった。

他にも色々箱が届いていたが、この箱に「本体」と書かれていたのでこれを最初に開けることにする。

箱に触れると、変形して開く。


「わぁ...」

「(注文通りか)」


アルが口を開ける。

箱の中には人間と見紛うような姿のアンドロイドが梱包されていた。

唯一人間と違うのは、首の下、乳房の間にあたる部分に円形のインジケーターが埋め込まれていること。

そして、俺たちの前でそのインジケーターが緑に点滅する。

視線を上に向ければ、すでに彼女は目を開けていた。

瞳孔が収縮して、俺たちの方を見た。

怖いな。

不気味の谷を克服したデザインだが、人形に見られているようだ。


「...」

「...!」


彼女が口を開ける。

そして。


「初めまして、製造ナンバー19552281です! よろしくお願いします!」


と言った。

俺は慌てて会釈する。


「ええと...すみません、拘束を外していただけませんでしょうか?」

「あ、ごめん」


俺はアンドロイドを固定していた固定具を外す。

一歩退くと、彼女はゆっくりと地面に降り立ち、しっかりとした礼をした。


「私を購入していただき、ありがとうございます」

「うん、これからよろしくね」


俺は彼女に右手を差し出す。

彼女は同じく右手で、その手を握る。


「君の名前はもう考えてある、”ペルソナ”だよ」

「ペルソナ....知らない言葉です」

「私の故郷に近い国の言葉で、人格という意味だよ」

「分かりました、私はペルソナ――――名を頂きます」


ペルソナにはもう一つの意味がある。

といっても、解釈という意味でだが。

それは、社会という世界の前で被る仮面。

あくまでAIであり、インターフェースとして俺たちに接する彼女に相応しい名前だと思ったからつけた。


「その.....」

「ん? なに?」


その時、ペルソナが上目遣いで俺に言った。


「お洋服を頂けませんか? お目汚しをしてしまっているように思います」

「あっ」


服の事を失念していた。

ペルソナの身体は人工皮膚で覆われているが、そういう目的のアンドロイドじゃないので乳頭はない。

ただ、彼女はこの状態が”美しくない”と感じているようだ。

やはり最低限の教養はインストールされていると考えるべきか。


「ブリッジに行こう、私の予備の服がそこにあるし、色々そこでお話しよう」

「はい」


ここで立ち話もなんだ。

俺はオリオンの二重ロックをしっかりと閉めてから、ペルソナとアルを連れて、オリオンの艦内へと戻った。


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