転承記 ～全て失いし男は戦姫と踊る～

誰かの体　誰かの魂　生まれた人格
あなたは――誰？

とある組織の行った儀式によって、「彼」は異世界に魂のみが喚ばれた。
彼は記憶、人格を消された現地人の体を器として魂を召喚されたものの、召喚時の副作用で記憶がズタズタになってしまう。魂だけ喚ばれたというのに、己が何者だったのかも分からない。
彼は元の世界の知識を求められるが、肝心の記憶がない。そもそも言葉が通じない。極めつけは現地人の誰もが持つ「理力」という異能も一切使えない。
自身が誰かも分からず、全てを失った無力な男は、やがて美しい女騎士に保護される。

――そして2年が経ったある日。
国家の動乱が起こり、平和だった日常は突如として崩壊する。

体も、記憶も、帰る場所も、何もかも失った男が、壮大な冒険を経て新しい自分を確立していく物語。