表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ざまぁの虜

作者: 蒼井星空
掲載日:2024/07/12

「ようこそ、ざまぁを体験したいドMなのかドSなのかわからないお坊ちゃま、お嬢様」


ここはやりたい放題やった結果、ざまぁされるところまでを体験できる超絶シミュレーションゲーム『ざまぁの虜』だ。

完全なR18作品として製作されたこのゲームは、いじめ、暴行、寝取り、レイ〇、集団〇交、すべてが可能となっている第一部と、そのカウンターで自分がざまぁされる第二部という構成となっている。


こんなゲームを作ったやつは頭おかしいと思う。

家族やリアルな友人にプレイしているところを見られたら死にたくなるやつだ。

もしくは可哀そうな奴を見る目で見つめられることだろう。


なぜ俺がこんなゲームを持っているのかと言うと、貰ったんだ。



 * * *


「ねぇ、竜希。これ、あげる♡」

「えっ?なになに?」

朝、教室に入ると、普段は気だるげで遅刻常習犯な幼馴染がいきなり何かを手渡してきた。

綺麗にラッピングされたそれは明らかにプレゼント……。

えっ?いいの?


「あっ、ありがとう」

「うん。家に帰ってから開けてね♡」

どうしたんだ?

幼い頃は仲良く遊んでいたけど、小学校高学年くらいになってからは少しづつ距離ができはじめて、最近ではほぼ会話することはなくなってたのに。


「おい、なに貰ったんだ?」

「えっ、プレゼントだと?あの学校一の美少女、姫華ちゃんから?」

「まじかよ!あんなに可愛い幼馴染とか羨ましすぎるだろ〇ね!」

「竜希、爆発しろ!」

「なんでだよ!?」

周囲の主にむさ苦しい男どもがはやし立ててくる。

うるせーよ!


「ダメだよ!いま開けちゃだめだからね!」

「あぁ、わかった」

「うんうん。じゃあね♡」

そう言うと姫華は席に戻っていった。

姫華もまわりの女の子たちから何か言われてるみたいだけど、適当に流してるっぽい。


それにしても突然なんだろう?


俺の誕生日は3か月後なんだが?


 * * *

 


ってことがあって、家に帰ってドキドキしながら開けたらこれが入っていたんだ。

どういうことだ……?


姫華のやつ、俺にどんなイメージを持ってるんだ?


まぁ、やるけど。

既に自宅のVRゲーム機に座って、準備万端なんだ、俺は。



「ようこそ、ざまぁを体験したいドMなのかドSなのかわからないお坊ちゃま、お嬢様」


パッケージの説明を見る限り、第一部はS、第二部はMだよな……。


そんなことを考えていると目の前が真っ暗になり、俺の感覚はゲームに入っていった。




<接続完了です。それではこれからゲーム設定を行います>



『汝の名は?』


突然声が鳴り響いた。


接続完了?

周りを見渡しても何もないのに?



ん?なんだこの……ウィンドウ?

your name……


あれ?俺何してたんだっけ?

名前を入れればいいのか?


<永遠(とわ)>


うん、かっこいいな。

こういうところで下ネタ全開の名前ぶち込む人多いけど、俺はちょっと……。


<シ•コリマ•クリスティですね?>


ないないないない。

なんでだよ!

俺が入れた名前どこいったんだよ!


<永遠シ•コリマ•クリスティですね?>


ちげーよ!

くっつけんなよ!

どの部分が名前でどの部分が名字なんだよ!

"シ"か?名前"シ"ってなんだよ!


<永遠西•コリマ•クリスティですね?>


あぁ……なんか名前っぽくなったね。




『性別を選べ』


おぃ!俺、名前了承してねーよ!

ふざけんなよ!

永遠西ですとしか答えられなくなるじゃねーか!


<男/女/その他>


男だよ!

人間選択するからな!


『詳細選択を始める。貴様に100ptくれてやるから5分で選びなさい』


目の前に図鑑みたいなのが出てきた。

えっ、これを5分で選ぶの?

なんで?

っておい、時間ねーよ!


俺は地獄の試験勉強で身につけた速読スキルを活用してめぼしいものをピックアップしていく。


成長限界突破:10pt:成長に上限がなくなります

魔力操作:3pt:詳細な魔力操作が可能になり、魔法がうまくなります。成長すればユニーク魔法を作ることも可能になります。

称号"勇者":40pt:おめでとう。君は勇者だ。波乱万丈な人生を楽しんでくるといい。

称号"剣聖":25pt:100年に一人の剣の天才。その他の武芸全般にも効果がある。

称号"大魔導師":25pt:100年に一人の魔法の天才。魔法が関わるすべてのことに効果がある。

鑑定:3pt:これで君は物知り博士だ。頭痛が起こることもない。だが注意しろ。知らなくていいことも存在するのだから。

称号"名工":20pt:自分のものは自分で作る。それも最高の一品をだ!

魅力:10pt:モテモテだ。

絶倫:1pt:素敵な夜をお楽しみください。ただし、魅力を上げてないと一人で悲しいことになるので注意してくれ。

夜の帝王:5pt:魅力と絶倫と、さらに必要そうなものがセットになったお買い得商品だ!

死に戻り:10pt:そんなにも強い執着心があるのか?

火魔法:2pt:火系の魔法が覚えられる。


他の魔法も基本は2ptだ。たまに3ptのやつがあった。


どんどん進めていく。

剣神とかはパスだ。それだけで100ptとかだったからだ。


そして最後のページ。

あとはここだけ見たら……あと20秒だな。


どうしよう。

剣聖(25)と、夜の帝王(5)、雷魔法(2)、回復魔法(3)、鑑定(2)、成長限界突破(10)、魔力操作(3)、名工(20)


ここまででめぼしいものは70pt。

あと最後にいいものがなかったら、適当に魔法を選んでいこう。もしいいものだったら交換だけど……外しづらいな……

泣く泣く名工とか手放すかな?


えぇい、時間がない。あと5秒


最後のページは?


心の強さ:10pt:異世界では必須。貴様に人が殺せるか?

うん、これは取ろう。あと20pt……


幸運:10pt:きっとあったほうがいい。ないと転生直後にオークに食われるかも

嫌な説明だなおい!クソッ、悩んでる時間がない。取るぞ。

あと10pt。



種族"魔人":20pt:強きもの

種族"森人":20pt:賢きもの

種族"人":10pt:普通。まさか選ばねぇよな?面白くねーよ

種族"モンスター":0pt:ここまででポイントが枯渇してたらこれしかない。ゴブリンとかスライムになればもしかしたら英雄になれるかも。もしかしたら。モンスターを選んでいた場合、詳細選択終了後に種族を選ぶことができる。


人間だ!いまさら入れ替えてる余裕はない。

次で最後。



最後なんだ!



ちんち○:25pt:やっぱあったほうがいいかな?取得状況に合わせた性別変更可。


うぉい!!!



えっ、やばい。何か外せるもの……



<詳細選択終了です>


終わってねーよ!


ふざけんなよ!!!




これ、そう言えば『ざまぁの虜』だよな?

剣聖とかいらねーよ!






こうしてTSして転生したんだ。

最悪だ。

どうすんだよ!?



* * *

「クリスティ、僕が君を幸せにするよ?わかったな、ユリア。だから貴様との婚約は破棄する!」


目の前でキラキライケメンボーイの王子様が婚約者である女に婚約破棄を言い渡して俺の方を美しい笑顔で振り返る。


うん、ごめん、まったくときめかないわ。むしろただの浮気だろうがこのくそ王子め!

そもそも俺男だしさ。

なんなら落ち込んで涙ぐんでるユリアちゃんの方にときめいてる。


「そうだそうだ、この悪女め!美しく聡明で謙虚でやさしいクリスティを少しは見習えばいいものを、排除するために嫌がらせするなどと、恥を知れ!」


健気で可憐な女の子を衆目の面前で非難するお前こそ恥を知れこのくそ剣士め!


「まぁ、貴様程度の器量では王子様を留めることはできないから愚劣な行為に出た理由はわからんでもないが、発覚するとは馬鹿なことをしたものだ」


お前こそ少しは調べたのかよ。存在しない愚劣な行為をあげつらって避難するとは馬鹿なことをしたものだよな、くそ魔導士め!


「くっ……」

「あっ……」

ユリアちゃんは私をキッと睨んだ後、走り去ってしまった。

俺は何も言えなかった。


そして、逆ハーを楽し……めるわけねーだろ!

こんなゲームで何選択させてんだよ!

おい、迫ってくんなキラキライケメンボーイズ!!!!

気持ち悪い!

おい、服を脱ぐな!

俺に触るな!?

やめろ!!!!!









しくしくしく……。

なにも楽しくない第一部だったじゃねーかよ!?



俺は中空に浮く<第一部 完>の文字を見ながら呆然とする。

なんか吹っ切れた感じの、少しだけ大人になっちまったな見たいな顔してるイケメンボーイズを全員ぶん殴りたい。



「私はあなたを断罪します!ありもしない噂をでっちあげ、王族、貴族社会に混乱をもたらした罪を償いなさい!」

俺かよ!?

マジでクソゲーだな!!!!!


「何を言っているんだ!何の権限があって言っている!僕は王子だぞ!?おい、クリスティに触るな!」

イケメン王子が抗ってるけど、ここは既に第二部だ。


「残念だな、兄さん」

「なぜ貴様がここにいる!?」

「気付かないのかい?悲しいな、バカな兄を持ったことが」

「なんだと!?」

「あなたは既に廃嫡された。当然だろ?公爵令嬢であるユリアを捨てて男爵令嬢を選ぶような王子だ」

「なんだと!?」

やっぱ第二部だよな……俺たちは全員ざまぁされるんだろうな。


「剣士君も魔術師君も、卒業後に王宮へ就職する話は白紙撤回が決まった」

「「なっ」」

第二部だもんなぁ……。


「ただ、最も罪が重いのは彼らを篭絡し、扇動したクリスティですわ!」

「くっ……」

「捕らよ!ふふっ。きっと地下牢に入れられてそこから先は地獄を味わうことになるだろうが……当然の報いだろうね」

俺はドMじゃないんだ……



っていうか、これゲームだったよな?

こんなクソゲー、終了させればいいんだ。

なんでこんなくそな設定とストーリーに付き合わないといけないんだよ!?

バカか俺!


えーと、電源ボタンは……。


ん?なんで灰色?……ぽちっ



<現在、このゲームは脳汁たらたら"ざまぁ"ゾーンに突入しております。この場合、現実世界からの強制終了か、災害等による緊急停止以外では停止することができません。ご了承ください>


ご了承できねーよ!

なんでだよ!



「くっくっく。いいざまだね、クリスティ」

俺ががっくりしていると、牢に入ってきたのは第二王子だった、現在の王太子様。


なんだよ。

まさか……。



俺はこいつに好き放題されて本当にドMになってしまいそうだった……。







 * * *


「おはよ、竜希♡」

「おぅ……おはよ」

「どうしたの?元気ないよ?」

「お前、なんだってあんなプレゼントを……」

「えっ?楽しかったじゃない。また一緒にやろうね♡」

「は?」

どういうこと?



「なんだよ、一緒にプレイするタイプのゲームかなんかだったのか?」

「おいおいおいおい。羨ましいなチクショー!!!!!」

「竜希、〇ね!」



友人たちがなにか喚いてるが、何も耳に入ってこなかった……。

読んでいただきありがとうございます!

ブックマークや星評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)を頂けるとより多くの方に見てもらえる可能性が高まりますので、どうか応援いただけたらありがたいです。よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ