おこがましい話
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
初対面時は、有象無象の一人だと思われてたと思いますよ。
初対面で懐に入れてはくれないですね。
特に梅香の君は。
初めて会った時、能面が張り付いた様な無表情で淡々と此方の動向を伺っていた。そうしてあまりにも冷たい双眸で、鳥居まで送り届ける私を眺めていた。有象無象の中でも失礼な輩だと思った。無粋な輩だと思った。それでもどういう訳だが此処に来て、話したい事を幾つか並べ立てて去っていく。
ある時悪戯心が働いて、ちょっとした意地悪をした事がある。それでもなんだなんだと此処に来て、話したい事を話した後に此処を去る。
初めて会った時、能面が張り付いた様な笑顔で人の話を聞いていた。そうしてとろけるような甘やかしを施して、来た人間を送り返していた。数ある神様の中でも得体が知れないと思った。底が知れないと思った。でもだからこそ、物凄く興味を持った。それからその好奇心にかまけて、度々その神様の元を訪れた。
ある時、神社付近で発見した甘味屋が良い店である様にと相談した。訪れたら、高級店の様な格式高い接待を受けて、面食らった。それでも訪れる度に、能面のような顔にヒビが入って、本心が滲み出てきた。
「梅香の君の第一印象って、『得体が知れない』だったんですよ。何時も能面が張り付いた様な笑顔で相談乗って、とろけるような甘やかしを施して、相手を送り返す。『凄い事務的に施すなー』って。周りの人は気が付いて無さそうでしたけど、貴方様にとって、大体の人間は有象無象だと思ってそうだなーと」
「失敬な。私だって頻繁に顔を出して、沢山の御礼を述べてくれる子はちゃんと覚えてるよ。事務的なんて心外だ」
梅香の君は眉間に皺を寄せて、睨むように視線を此方に寄越してきた。今の言葉の裏を返せば、願っても礼に来ない奴は覚えてないし、覚える気もないと言うことであるが。
初対面から暫くしては、事務的に私のことをあしらっていたが、今はそうでも無いらしい。その証拠に笑顔以外の感情が滲み出ている。
「私、鼻が利くんです。社会不適合者だから。この世界に必死に馴染む為に、人の事を観察して、出る杭にならないようにしてるんです。そうして取り入る人間を選りすぐっているんです。そんな私だから、我慢してるのすぐ分かる」
「それ、初対面の時も言っていたね」
梅香の君は遠くを見ながらそう答えた。思いを馳せているようだ。最悪な出会い方をした、あの時の事を。でも今は大分、懐に入れてくれた様に思える。
結構、表情豊かだし、人間味があるお方なのだ。お茶目な悪戯して、ケラケラ笑うくらいには。
「でも今は、懐に入れて貰えたと思いますよ」
「おこがましい話だね」
そうかも知れない。けれども、あの時甘味屋を出た後、ケラケラと笑いながら私を迎え入れてくれた事を忘れはしない。
この子、気に入ってるのでまた登場しそうです。
まだ書けてない台詞があったので、次回作出るかも知れない台詞。
『私は得体が知れないものが好きです。未知なものが好きです。もっと深くまで知りたい。つまり貴方に興味を持ちました。これから宜しくお願いします』
的な台詞ですね。
何時も書いているのは、女の子視点か、懐に入れている子ばかりなので、これはかなり新鮮。
驚かれる事も多そうですが、皆それなりに通って顔を覚えて貰ってます。
最初はよくよく見ると、能面のような笑顔。
何度か通い詰めて行くうちに、心配性、お茶目な姿をふとした時に見える様なお人。
ちょっと当たりが強いのは、心を許しているから。
悪友のような関係を意識してます。
○レベル上げるの苦労するキャラが好きだった事を思い出しました。
(とあるゲームの話。)