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第35話 帰還と報酬

 気がつくと俺はあの黒い鍵を拾った公園に立っていた、辺りは夜で誰もいない、もしかして深夜くらいか?


 見るとミミーもコクヨウも普通にいた、やっぱりついてきてんのか…。

 まあ命の恩人と言える連中だし、別にいいかそれよりもさっさと移動しよう。


「おお~ここがケンちゃんがいる世界なんやね~」

「人間の気配が多すぎませんか?」


「まあ人間の国だからな。この世界にモンスターとか居ないから迷宮よりは安全だぞ」

 まあ訳の分からん犯罪者とかは残念ながらいるがな、コイツらなら問題なく対処出来るだろうが。


「ケンくん、これからどうするの?」

「家に帰るよ。まあ賃貸アパートだけど……ここで集まってても仕方ないしな」


 何より宝箱や刀と喋ってる姿を見られるとヤバイ人だと思われるかも知れない、人の目なんてどこにあるか分からないからな。


 コクヨウの姿も少しは目立つが黒を基調とした服装だし、そこまでではないだろう。それ以上にコクヨウ自身の美貌の方が目立ちそうだ。


「ミミー、ハクを中に入れといてくれ。お前は俺が小脇に抱える」


「分かったで~」

「敵が現れたらワタシを呼びなよ?」

「だからここにはモンスターとか出ないって言ってんだろう」


 ミミーを持って歩き出す。

 夜の街は割と静かだ、時間帯が大分遅いってのもあるんだろうが人がいないのは素直に助かるな。

 ここは近所の公園だったので歩きで住んでるアパートまでは戻れた。


 アパートは、まあ貧乏な人が暮らしてますって外見の実にオンボロなアパートである。防犯対策とか禄にされてない、まっ盗まれるもんとかあるわけもないからな。


 確かに鍵はちゃんと持ってたよな?

 俺は懐をゴソゴソした、迷宮ジャングルにいる時も俺は日本に帰る気満々だったのでアパートの鍵とかは絶対に無くさないようにしていたんだ。


「おっあったあった!」

「……本当に何というか……」

「う~んオンボロやね~」


 コイツら……人の経済事情も知らないで…。

「あのな、日本って国は普通の生活すら送れる人間は少ないの。大抵の人間は真面目に働いてもビックリするくらい貧乏してんだよ」


 日本人の平均年収とかって大抵は多く貰ってるヤツらの金額が大きいからそれなりの額が表示される。けど実際はそんな稼いでるのは本当に一部で大抵は最低賃金の水準しか貰ってない。手取り額で計算すれば年収なんて……悲しくなるから考えるのをやめよう…。


「よくそんな国に暮らしてますね」

「そりゃあ海外とかに行けるツテでもあればな~とは思うけどな」


 遅かれ速かれ沈没する船にずっと乗り続けるのは馬鹿だと分かってはいるんだけどな。やっぱりそこの踏ん切りがつけられないから俺はずっと社畜していたんだろう。


「もうっこんな国の事よりも大事なのはケンちゃんの部屋に行くことやで!」

「……なるほど、一理ありますね」


「ないよ、俺の部屋なんて狭いだけで何にも面白いもんなんてないぞ?」


 そうは言いながらも本当に久しぶりな我が部屋である、内心は俺も楽しみにしていた。

 鍵を開ける、そして中に入る。


「お帰りなさいませ、お客様」


「………………」

「………………」

「………………」


 そこには迷宮商人のリミーナがいた。本当にホラーみたになってきたぞコイツ。


 本当は驚いたり何でお前がここにいんだと言いたい気分俺たちだ。しかしここは日本の安アパート、あんまり騒ぐと壁ドンやらのご近所トラブルに発展する。


 色々と言いたい事はあるがここはぐっと堪えてこのマジでどこにでも現れるヤバイ商人に話しかける。


「えっと……マジで何の用なの?」

「はいっそれはもちろん……」

 リミーナは懐をゴソゴソする、そして茶色の封筒を取り出した。


「お客様は迷宮を攻略しましたのだ探索者ギルドの方からリザルト……つまりは報酬が支払われました。この世界のこの国での現金です」


「………………は?」

 リミーナが差し出した封筒は……月刊のマンガ雑誌よりも分厚かった。



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