第34話 双黒銃【破天】
場所は確かに遺跡闘技場、遺跡っぽち雰囲気のある闘技場である、古代ローマのコロッセオがジャングルの木々に侵食でもされたらこんな感じの遺跡になりそうな感じだ。
そんな闘技場の真ん中にゴーレムがいた。ボスさんはこちらを真っ直ぐ確認している。
ゴーレムが大きく軋む音を発しながらこちらに向かって動き出した。
その巨体の背丈は確かにゴブリンキングよりは低い、それでも人間の数倍以上あり腕なんて大人の人間の胴体よりも太くて長い。
ヤツのゴーレムパンチには確かに食らったら大抵の生物を即死させる威力があるだろうと思えた。
しかしコクヨウは悠然としていて気負う気配もない、戦う前からビビっていた俺とは大違いである。
そんなコクヨウが口を開く。
「さあっ踊りなさい」
二丁のゴツい黒拳銃、双黒銃【破天】とやらの引き金を同時に引いた。
ドッドォオオンッ!
次の瞬間ゴーレムの両足が吹き飛んだ。
「は?」
「え?」
俺とミミーは馬鹿みたいな反応しか出来ない。
コクヨウは更に引き金を引く。響く轟音としか呼べない大きな音、ゴーレムの下半身が吹き飛んだ。
破壊されたゴーレムの上半身が銃撃の威力のせいで宙を舞う。
ある意味……踊ってる…………のか?
「フフフッ反撃も出来ませんか?」
コクヨウが更に引き金を引く、今度はゴーレムの両腕が吹き飛んだ。
そこで一旦撃つのをコクヨウが辞める、上半身と頭だけになったゴーレムは地面に落ちた。
すると自分自身の重さによって上半身と頭が粉々になってしまった。
「……これがボス戦なのか?」
「まっまあ、コクヨウちゃんが前に出ればこうなる結果も見えてはおったやん?」
うっう~~ん、それしてもここまで感じになるとは。やはり強キャラでゴリ押しって何か嫌だな。
コクヨウは残骸となったゴーレムを見据えている。
「……まあこの程度でしょう、本来は破天を出す必要もない相手でしたが。ケンジはどうもわたくしの戦力を見誤っている様子でしたので少しは実力をお披露目してあげました」
「そっそうっスか……」
俺のせいでゴーレムがスクラップにされたみたいな言い回しは辞めてくんない?
そんなのお前の匙加減だろ。
見ればゴーレムの残骸が煙となって消えていっていた、後にはモンスターコインと……。
「アレは……鍵か!?」
「そうやで、この迷宮ジャングルから脱出する鍵や!」
ゴーレムが消えた後には白い鍵が落ちていた。
俺はダッシュしてその鍵を広う、こっこれで俺は本当に日本に帰れるのか?
「……………長かった~~~」
もうどれくらいこの迷宮ジャングルで過ごしたのかよく覚えていない。とにかくモンスターがいっぱいのジャングルだサバイバルとか頭おかしいじゃんって思ったもんだ。
しかし、しかし遂に俺は日本へ帰還出来るアイテムを手に入れたんだ!
「ミミーコイツを使うにはどうすれば良いんだ?」
「元の世界に帰りたいって念じるんやで~~」
結局ここでも念じるんのか、スキルといいこの謎の鍵といい念じてばっかだな。
白い鍵を手にして早速念じようとして、一つ疑問に思った事を口にする。
「なあ……まさかとは思うけど、お前らまで日本に来るなんて事はないよな?」
「「………………」」
そこで無言になるなよ宝箱と黒女。
「無理だぞ?」
「ま~ま~そこはあれやん……あれやろう?」
「わたくしはこのマジックライフルに宿れば問題ありませんよね?」
「あるよ、太刀に宿ってるハクも普通にダメなんだよ。だからそのマジックライフルに取り憑いてもダメなんだよ」
「取り憑く!? 人を怨霊か何かと一緒にしないで欲しいですわ!」
お前は怨霊ではないが人でもないだろう、機械なドラゴンじゃないかよ。
「ウチは大丈夫やろ?」
「う~ん、まあ宝箱くらいなら……いいのか?」
「ウチが大丈夫ならハクちゃんもコクヨウちゃんもウチの中に仕舞えば問題なしやで!」
そう言われるとそうなんだが……。
ぶっちゃけた話をすれば、俺はもう迷宮なんてこりごりだ。二度と行きたくはない、しかしミミーは人間に戻るとか変な野望に燃えているからまた行きたがるだろう。
もうハクとコクヨウと一緒に勝手に新たな迷宮に旅立って欲しいとかって気持ちもある。
もちろん散々助けられた訳だし、少しは力になりたちのも本音だ。けどまたモンスターがモリモリいる場所に飛ばされるのは流石にな~。
俺は何とかミミーと同じ探索者(実際は無職? 黙れ!)という立ち位置から日本からミミーたち探索者を支援する支援者の立ち位置になれないかと思案した。
しかし大したオツムも詰まっていない俺の頭では何も答えが出ない。
答えが出ないのなら仕方ない、まあ何とかなんだろっと俺は考える事を辞めた。
「しゃ~ないな、それじゃあ行くか? 日本にさ」
「もちろん行くで!」
「当然ですわ」
「当たり前だよ!」
おわっハクがいつの間にか復活していてビックリした!
俺は渋々ながら鍵に俺たちを日本に帰せと念じた。視界がまた一変する、この変化には中々慣れないな……。
そして俺はようやく日本に帰還した。




