表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/36

第15話 迷宮探索、再開

 昨夜は酒盛りして飲み食いした俺達は英気を養ったそして翌日には迷宮探索、と言うかサバイバルを再開する事になる。

 しかしここで問題が起きた。


「…………あったま痛ぇ」

「気持ち悪いんや~」


 ちょっと久しぶりのお酒で加減を間違えてしまったみたいだ、マジで死ぬほどツラい二日酔いに俺達は襲われてしまった。


 ミミーのヤツも思いのほか直ぐに酒の味を覚えてしまいパカパカと飲んでいたからな、ある意味道連れが出来たので少しだけいい気分とも言えた。


 そんなわけで翌日の朝からの探索は中止。

 その日の恐らくは昼過ぎまで俺達は生ける屍となって聖なる祭壇でゴロゴロしていた。


 その後はレベルアップによるステータスの強化のお陰なのか何とか持ち直した。

 ミミーも復活した、と言う訳で改めて俺達は探索の準備に取り掛かる。


 先ずはミミーに風呂に水を出してもらい顔とか身体を洗った、二日酔いも少しは残ってるので冷たい水で丁度良かった。

 ボサボサの頭も洗う、流石にシャンプーはしない。勿体ないからな。


 身嗜みを最低限整え、次は装備についてだ。

 昨日のミミーのお陰で迷宮ガチャからゲット出来たアイテムの中には俺が身に着ける為の物が多数あった。


 夏服リーマンの衣服を着替える、ちなみに俺は下着についても複数の替えを願っていたのでおパンツも新しいのをゲットしていた。

 夏服リーマンの服とズボンもだけど水に余裕が出来たので洗って干しておきたい。


「ここは日もあたるし、丁度良いな」

「何がや?」

「いやっ大した事じゃないよ…」


 装備についてはミミーは片刃の曲剣と俺のと似たマジックガンだ。いつでもあの黒い手を出したら戦えるとのことだ。


 俺の方は見た目も結構変わった。

 上はミミー曰く魔力で強化された服らしい、デザインが少し特殊で前の方でボタンでとめるタイプの服だ、ボタンが少し大きい以外はどことなくファンタジーな街のモブな人々が着てそうに見えなくもない服である。色は黄緑色だ。


 下半身は少しダボッとした黒いズボンで少し目立つベルトが腰にある。靴は革製のブーツだが先端に硬い物が入ってるので安全靴っぽい感じだ。


 武器はマジックガンと未だに復活しないハクの太刀である。

 近づいてきたモンスターは鞘つきのコイツを鈍器にして殴打してやる。


「吾ながら、かなり充実した装備じゃないかミミーちゃん」

「そうやね、最初の水も食料も武器もナイナイづくしの山場は何とか越えられたからこそやね」


 本当だよ、あの最初の状況はヤバかった。

 ミミーがいなければ絶対に詰んでた。

 俺自身も頑張ったつもりだがミミーのお陰で生きれているのは事実だ、感謝しまくりだ。


「そういやミミーは何でミミックになってもまだ迷宮を探索しようと思うんだ? 普通そんな目にあったら二度とこんな所来たくないってならないか?」


「ウチはそれしか能がないんや、それに迷宮にならこのミミックから元の人間に戻れる可能性があるかもしれんねん。だからウチはこの迷宮を進む事を辞められんねん」


「…………そうか」

 どうやら人間に戻る気満々らしい。

 まだ他人に力を貸せる程余裕がある訳でもないが、恩を返す意味でも今度は俺がミミーの力になりたいと考えはじめていた。


 その為には先ずは生きてこの迷宮ジャングルを突破して日本に帰らないといけないな。

 俺は決意も新たにミミーと迷宮ジャングルに出発する。


「それじゃ行くか、ミミー」

「行くで、ケンちゃん!」



 ◇◇◇◇◇◇



「オラァッ! くたばりやーーー!」


 ミミーめっちゃマジックガン連射しとる。

 ジャングルに現れたゴブリン達を次々と撃ち倒してモンスターコインに変えていった。


 やはりと言うべきは俺よりもマジックガンの扱いが上手い、恐らくあの最初に渡したマジックガンはミミーが使っていた物なんだろう。


 つまりミミーは元はガンナー的な戦闘スタイルだったんじゃないかと俺は考えていた。

 ミミーは二本足の人間やゴブリンだと動きづらい木々がモッサモサ生えたジャングルを黒いクモみたいな足でカサカサと高速移動してゴブリンを翻弄していた。


 端から見ている俺はなんかモンスターテイマーとか魔物使いにでもなった気分だ。

 その上で弱い物イジメをしてる気分にもなり少々心にダメージが……。


 これも俺とミミーが生き残る為なのだ、そもそもゴブリンはこっちを見つけると殺そうとしてくる手合いなので悪びれるのが間違ってる。

 そう思うことにして黙々と狩りを続けた。


 次なるの俺達の目的は装備の拡充だ。

 ミミー曰くまだこの迷宮ジャングルのボスを倒すには装備もレベルも足りていないらしい。


 だからレベルアップと迷宮ガチャの為のモンスターコインを集める為にゴブリン狩りを行っているのだ、俺は索敵スキルの【サーチ】を使ってあのトラ野郎の二号が現れたりしない様に細心の注意を払う係だ。


 ミミーとは代わる代わるでゴブリンと戦い戦闘経験も積んでいく。

 その日は四度目のゴブリンとの戦いに勝利した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ