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妻は夜中に出て行く。  作者: 夜中のテンションは怖い
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日常の一コマ①(真)

仕事の影響はふとした瞬間に訪れる。


職業によって人の生活リズムは変わるもの。



それは真夜中の事。

電話を受ける妻に深い眠りの中で気付く。


病院からの呼び出しの様だ。


今日は呼び出しの日。

救急外来配属になり、仕事内容が変わった。

着替えを済まし、軽食のパンも持っていく。

長くなりそうだ。


車の始動音、妻は家を出た。


妻は、朝になっても戻ってこない。

正午になる前、やつれた表情で居間に入ってくる。


「お帰り。」


夜間呼び出しは初めてではない。

もう慣れた。


「ただいま。」


短い返事が返ってくるのみ。

妻は、そのまま脱衣所へ。


流行りの感染症などあり、仕事後は体を洗うことが多い。

家に持ち込まない様にする配慮に痛み入る。

シャワーを浴びた後、そのまま寝室に入ってしまうだろう。


今日は日曜。

同じ休日なのに子供のお守りで過ごす事になりそうだ。

心の中で「お疲れ様」と呼びかける。


後日、搬送の為に遠方の専門病院まで送って行ったと。

この地域の病院では、搬送後に救急車に乗って戻る事がある。

気を抜いて寝てしまったと妻はごちる。


「都合のいい女なのよ」

職場では中堅となり立ち回りが複雑になっている。

発熱で欠勤となるスタッフも多い。

この頃は、フォローする立場になっている。色々とマネジャーに使われているらしい。


「言い回し」


笑いながら答える。


外来勤務が続けば今後も続くであろう、この生活。


私は待つだけ。

妻の方が収入が多い、私は妻に頭が上がらない。


夫婦喧嘩をした時

「私一人で、子供は養えるから」

と言われた時、序列が決まってしまった。


まぁ、尻に敷かれるのも悪くない。


だから、私は待つだけ。

あ、私は紐じゃないよ。

仕事もしています。朝飯作ります。洗濯します。子供の送迎もします。子供の準備もします。


医療に関わらず、交代勤務のある仕事をしている夫婦の人は凄いと思う。

色々やらなきゃ生活が成り立たないから。


あ、今日は居残りですか。

え?、明日は呼び出し?


わかりました。夕食何が良い?、うどん?わかりました。

ああ、呼ばれたら、子供送迎ですね。


いつもの会話。

妻は今日も仕事に出て行く。


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