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日常の一コマ①
ふとした瞬間に訪れる。
人は変わるもの。
それは真夜中の事。
電話を受ける妻に深い眠りの中に気付く。
車の始動音、妻は家を出たようだ。
妻は、朝になっても戻ってこない。
正午になる前、やつれた表情で居間に入ってくる。
「お帰り。」
初めてではない。
もう慣れた。
「ただいま。」
短い返事が返ってくるのみ。
妻は、そのまま脱衣所へ。
シャワーを浴びた後、そのまま寝室に入ってしまうだろう。
今日は日曜。
同じ休日なのに一人で過ごす事になりそうだ。
後日、遠方まで送って行って寝てしまったと妻は一人ごちる。
「都合のいい女なのよ」
今後も続くであろう、この生活。
私は待つだけ。
妻は今日も夜中に出て行く。