01 異世界召喚
連載はじめました。
本作には台所のGが登場します。Gが苦手という読者様には読まないことをオススメします。
高校の昼休み。
俺はいつも通り、仲の良い二人の友人と共に弁当を食べていた。
一人の机の上に三人の弁当が広げられている。
俺こと桂栄作の他、友人のナンちゃんこと南郷西也、アマちゃんこと甘粕天星が椅子を寄せ合う。
「ふう、今日もようやく愛妻弁当にありつけるー」
「ナンちゃん、愛妻弁当ってことはまたお母さんか」
「フフフ、バレてしまっては仕方ない。その通り、これは家の母上の作られた日の丸弁当なるぞ、控えい!」
ナンちゃん弁当を突き出し、見せてくる。
確かに日の丸弁当だ。正確には、ご飯に梅干しの段とおかずの敷き詰められた段に分かれているけれど、わざわざ指摘するまでもない。
「「ははー!」」
隣のアマちゃんと一緒に座った状態で、ナンちゃんに畏まる。
急に声を上げ出したことに驚いたクラスメイト達が、顔を歪ませ、不快そうにしている。
クラスのカースト上位勢の四人も例に漏れず、
「うわー」
と陸上部次期エースの近藤さん。
「元気だね」「そうだね」
と完璧超人の天童君に、学校一美少女の白崎さんの愛想笑い。
止めとばかりに、空手をやってるらしい榊原君の露骨な舌打ちコンボが炸裂する。
はっきり言って、俺たち三人クラスで浮いている。
アマちゃんはガリガリの細身、ナンちゃんは少しポッチャリとした体形、俺は平凡。ブサイクじゃない、あくまで自己基準で平凡。
このパッとしない面子のくせにとにかく騒がしいのが浮いている原因だろう。
ナンちゃんは行動派で、今回のようなボケは日常茶飯事。アマちゃんは基本相槌のプロだが、ことが平面の嫁の話になると布教の鬼と化す。
俺はまあ、普通だよ。確かにナンちゃん、アマちゃんと一緒にノリ良く騒いでいるけれど、それはそれ、平凡なオタクといったところだろう。
まあ、言うなれば、スクールカースト的には下位だが、関わりたくないが故に自由に行動できているのが我ら三人である。
しかし、そんな敵なしな俺たちにも面倒な相手はいる。
そいつはクラスカースト上位の雰囲気を勝手に忖度して、現れた。
「おい、デブガリメガネ。天童君たちがいる教室で騒いでんじゃねえよ!」
奴の名は、住田厚。
カースト上位に媚びに媚び、カースト下位を虫のごとく見下すクズである。
住田はいかにも取って付けたようなオラオラを発揮し、チラチラと天童たちの様子を伺いながら怒鳴ってくる。
相変わらず、いつでも媚びる姿勢を崩さない見下げた根性をしている。流石は過去にカースト上位に昇りつけるため、金髪にしてその日のうちに黒髪に戻された猛者だけはある。
とはいえ、俺やアマちゃんだけなら、面倒臭がって相手にしないだろうが、可哀想に。いい加減に学べよ、ナンちゃんいるんだぞ。そんないかにも言い方したら……。
「デブガリメガネ……。なあ、エイちゃんとアマちゃん。デブガリメガネって異世界の邪神とかにいそうじゃね?」
「いや、邪神ならそうだな、デブガリメメントスとかどうよ?」
アマちゃんがニタッとした笑みで返す。
「ちょっと待て。アマちゃんめ、俺のメガネになんてことしてくれるんだ。そこはほら、あれだろ。デブガイアメガネだよ」
「ええ、語呂が悪くない?」
一層加熱していく邪神ネームトークに、カースト上位から「余計なことしやがって」という視線が住田に注がれ、住田はそそくさと自分の席に逃げた。
哀れ、住田。
そのあんまりな様子がおかしくて、俺たちは笑ってしまう。
ちょうど、そのときだった。
教室の床全体に、白く発光する魔法陣が現れたのだ。
戸惑うクラス。
「なあ、エイちゃん、アマちゃん。これって教室から走って逃げたら魔法陣避けられるんじゃね?」
「うーん、召喚ものなら、俺は行ってみたいな」
「俺もエルフの彼女つくりたい」
「はっ! そうだな、ここは仁王立ちで召喚されてやるとしよう!」
「了解」「やってみるか」
しかし、平常運転の俺たちなのであった。わりと自分って心臓強いんだなと思ったこの頃でした。
最初のナンちゃんとアマちゃんの紹介文を訂正しました。
ナンちゃんこと南郷西也、アマちゃんこと甘粕天星
訂正後→南郷西也ことナンちゃん、甘粕天星ことアマちゃん




