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編入初日3


そうと決まればと早々に的の用意が始まった。


私としてはやりたくない。なぜなら的当てぶっつけ本番とか意味わからない…やったことないのに…チートな私ならきっとできるんだろうけど…。


仕方ないので念話でエルと打ち合わせをする。



『なんでこんなことになるんですか…』


言い出したエルに恨み言を言う。


『仕方ないだろ?遅かれ早かれ力の差は見せておいた方が後々色々楽だ』


『そうかもしれませんが…私はどうしたらいいんですか?』


『そうだな…。たぶん基本の的当てになるだろう。10発中何発当てられるかを見る簡単なものだが…』


『8発くらい当てればいいですか?』


『いや、私の助手もしていて魔導師長である師匠の推薦まであると言われているから、もちろん10発当てる。ただ、もっとインパクトが欲しいな…1発で的10個いけるか?』


『ドカーンと大きいの1発でいいですか?』


『それだとコントロールがいいとは言い難い…大きな水の塊を作ってから的のみを射る一斉射撃。できるか?』


『たぶん…』


『外したら高速で第2弾を打てばいいだろう。あと、忘れるな。ルーナの設定で水と土のみ使えることになってるからそれ以外は使うな』


『りょうかいでーす』


少々投げやりになるのはご愛敬。全く難しい事をポンポンと言ってくれる。でもできるか?と訊きながら私ならできると言っている様な声色に悪い気はしない。


的の準備が済むとクラス全員が壁際に待機し、なぜか助手をしている先生まで興味津々とばかりにこちらを見ている。


「では、ルーナさん。基本的な的当てです。10本の的に何個当たるかでレベルを決めます。クラス内のレベル訳は5以下、8以下、9以上です。9以上だと王子達の上級グループになります。よろしいですかー?」


レイフ先生の説明に黙って頷くと先生は準備ができ次第どうぞと言う。


よし!やるか!っと思ってフッと考える。的を壊すのってどのくらいの力?中の上じゃやり過ぎか?でもエルと師匠の名誉もあるし…って言うか普通の人の威力ってどのくらい?師匠とかエルとか化け物並みの人達しか知らないから標準が分からない。ここは念のために聞いておこう。念話って便利。


『あのー…エル?』


『どうした?とっとと終わらせたらどうだ?』


『どのくらい壊せばいいですか?折れるくらい?それとも木っ端みじん?』


『木っ端みじんで。出力的にはパールの感覚で言う下の上で十分だろう』


『承知しました』




ウォーターと唱えて魔力で水球を的の上に作る。見る見る大きくなるそれを他の生徒たちがおーっと言いながら見ている。


人一人入れる位の大きさになったらいよいよ射撃。


「 ウォーターガン;連射」


言わなくてもいいんだろうけど、雰囲気って大事だよね。




詠唱と同時に10本の水の槍が的を射抜く。同時に少々威力が強かったのか土煙が舞う。


レイフ先生が風魔法で土煙を払うと的は見事に粉砕されていた。




「素晴らしいですねー。的以外の範囲は無傷。コントロールも抜群です。流石、魔導師長の推薦だけある」


パチパチと手を叩きながら嬉しそうにそう告げる。周りの生徒たちは単純に尊敬するものと若干引いている者とに反応が分かれている。


「さて、これで実力は明白ですねー。君たちも反論はないでしょう?」


先ほど異議を唱えていた生徒たちは顔を青くしてコクリと頷いた。そんな反応しなくても…私、怖くないですよー、基本優しいデス…。


レイフ先生の号令と共に先ほどのグループに分かれて授業が再開され、床を直したレイフ先生に続いて上級の4人の元へ向かう。


「ルーナ嬢、すげーな!今度手合わせしようぜ!」


「フリクセル、ご令嬢にそんな無茶振りしてはダメだよ」


何やら興奮したフリクセルにそれを窘める王子。その横でトビアスは興味深そうにこちらを観察している。


「ルーナ嬢、相変わらず強い魔法だったな」


「いえ、エルランド様ほどでは。でも、少し張り切ってしまいました」


胡散臭い芝居をしつつ、彼らの輪に混ざる。

その後、私は魔力切れにならない様に簡単な反復練習を教えてもらい、他の4人は動く的への射撃練習をして授業は終了した。


授業後レイフ先生に呼ばれ、私とエルが残った。


「改めまして、レイフです。ミルド様から話は聞いています。ルーナさんは聞いているよりも優秀で驚きました」


「お褒めにあずかり光栄です」


「師匠から説明があったと思いますが、レイフ先生にはルーナ嬢に特別目を掛けてもらう役割をしてもらいます。その間私が王子達3人の魔法の練習に付き合いますので。授業外でもなるべく話しかける様にお願いします」


「ええ、何やら王家絡みらしいですからねー、尽力しますよー。そうでなくても、ルーナ嬢は何やら不思議な感じがするので純粋に興味があります」


ほんわか言いながらも彼の目の奥で何かキラっと光ったような錯覚がする。それに前にも似たようなことを言われた気がする…




癒し系美青年であろうと長寿のエルフだ。きっと一筋縄ではいかない性格なんだろうなと思いつつ1日目の任務は無事終了したのだった。



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