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助手の力量は?1

夜が明けて人々が動き出す。

結局、時計塔で1晩過ごした。夜のひっそりとした雰囲気と街を一望できる眺めが気に入ったのだ。



研究室に入るとまだエルランドはいなかった。

また触っておかしくしてしまうといけないので見るだけにする。魔術書や魔道具の解説書や小難しそうな辞典類。何に使うか分からない工具の様なもの。


色々見ていると後ろで扉が開いて、エルランドが入ってきた。メガネはもう掛けている。


「早いな」


エルランドが念話で話し始めた。言葉が脳に直接と抱くような感覚。面白い。


「おはようございます。寝る必要がないですからね。授業はいいんですか?」


「取らなければならない授業は午後からだ」


優等生ー。授業でなくていいなんて頭いいんだな。


「昨日は詳しく話せなかったが、君に何を手伝ってもらうかだ。私は魔法陣と魔道具について研究、開発をしている。どちらも完成間際に試運転をして不備がないか確かめる。その重要な作業が魔力の流れだ。いつもはこのメガネでみるのだが、このメガネは大まかな光しか見えていないようだ。そこで、君には最終調整の手伝いをしてもらう」


とりあえず魔力を見るだけでいいなら簡単だ。頷こうとしてあることを思い出す。


「あ、でも私、平和的に成仏?したいのでその方法がわかるまでの期限付きでいいですか?」


「ああ。君の意思を害してまでは続けるつもりはない。手伝ってくれる代わりと言っては何だが、顔の広い知り合いがいる。成仏方法を聞いてみることもできるから連絡を取っておこう」


「お気遣い感謝します。でしたら、頑張ってお手伝いしますね、エルランド様」


ちょっとすまして礼をすると、エルランドは考えるような視線をこちらに向けていた。


「洗練されたその動き…どこかの令嬢か?」


呟かれた言葉は小さく聞き取ることができず、聞き返そうとするとその前に次の話題に移ってしまった。




「ところで、記憶喪失ということだが君は魔法の基礎は覚えているのか?」


「えーと。たぶん基礎は分かるかと…」


「述べてみよ」


えーと何だったかなっと上の方を向き思い出しながらしゃべる。


魔法は4大元素に闇、光、時空、無属性。ほとんどの人は主となる魔力は4大元素又は無属性の能力を有する。闇、光、時空を得ることは稀である。相反する力は使うことが難しく、関連のある力でも3種使えるものは稀で、2種を同等に使うことができれば引く手数多。時空と無属性は相反する属性がない。しかし時空に限って言えば、使える者が限られている。その法則は未だ解明されていない。


こんな感じだった気がする。


少し不安げにエルランドの方を向くと満足げにこちらを見ていた。


「最低限のところはわかっているか」


「他の事はもしかしたら見たり聞いたりすれば思い出すかもしれないですが…」


「じゃ、行くか」


「へ?」


急に声を掛けられ素っ頓狂な声が出てしまった。


てっきり昨日消失してしまった魔法陣を書き始めると思っていたのだ。


「え?昨日の魔法陣に取り掛からないんですか?1ヶ月ほどかかるんですよね?」


「うん?ああ、あれは何もないところからだと1か月だがほぼ出来上がているし、まだ猶予あるからな。まぁ修復には3日ほどあればいいだろう」


なんか騙された感があるのは気のせいだろうか…


「なので今日は、知的好奇心を満たそうと思う」


ニヤリと微笑まれ嫌な予感がすると同時に、あまり表情に変化のないエルランドがこんな風に笑うのだとも思う。


「この部屋を出たらメガネを取るから、何かあったら話しかけてくれ」


そういうと扉を開けて出て行ってしまった。


仕方ないので付いて行くことにする。




授業中の様で校内は静かだ。


(エルランドはどこに向かっているのだろう?)



昨日来ていないエリアに入ったので注意深く観察する。先ほどいた建物よりも古く、重厚な感じがする。


「ねぇ、エルランド様?」


「うん?」


「ここはなんのエリアですか?さっきより古い感じがしますが」


「ここは魔法棟。旧校舎でもある。魔法や魔獣に関する授業はこの棟で行われる。ほら、あそこには魔獣の剥製が置いてある部屋がある」


彼の指さす方を見ると、大きな熊みたいな剥製と上の方に羽をもった蛇みたいなのが見えた。


「あの教室はモンスターに関する資料室。剥製とモンスターに関する図鑑等がある。午後に行ってみるのもいいだろう」



なるほど、後で来ようと。


その後は棟の端のエレベーターみたいなものに乗って上の階へ向かう。


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