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学園にて1

話の区切り上少し短めです。

夜になっても眠くなるわけもなく。妖精たちについて泉に来ている。


水面近くを飛び回っている彼らは蛍の様だ。前世で子供のころに祖母といった川を思い出した。


(思い出せるのって前世の記憶なんだよね…今世の記憶ははぼんやりして思い出せない…)


彼らは構ってくれる私を気に入ってくれたようで、泉で踊ったり私の周りを飛んだりしている。


今は白髪の子と明るい茶髪の子と一緒に泉の近くの木に寄り掛かり彼らを眺めている。




楽しそうな彼らに癒されているとあっという間に夜が明けたのでもう1度街へ行くことにした。


ちゃんと伝わるはずと思い、彼らに街へ行くと伝えると髪や指を引っ張って引き留める。


「また来るからね?あなた達は幽霊になってからの初めての友達だもの。約束する」


渋々ながらほとんどの子が離れたところで1人の銀色の子が腕輪を渡してきた。


「くれるの?ありがとう。これで離れても寂しくないよ。できるだけ早く戻ってくるつもりだから安心してね」


この透けている手で受け取れるか心配したけど普通に受け取れた。不思議なのは受け取って付けると私と同じで腕輪が透けるようになった。 どうなっているんだろう?


みんなが離れたので歩き出すと、初めに近寄ってきた火の子が頭の上へ降り立って左の方を指さす。


「街はあっちってことね?…うん?案内してくれるの?」


彼は勢いよく頷いている。ありがとうと言って他の子達に手を振る。




飛んで行くのもいいけど急ぐこともないのでのんびり歩いていく。何人かは火の子に続いて私の周りを飛んでいる。


しかし、森の出口付近に近づくと彼らはどこかへ行ってしまった。ちょっと寂しい。




昨日は気付かなかったが、街の小川は森に比べると細いが細かく枝分かれしている。妖精自体はあんまりいないようだ。そして人々には私の姿は見えていないらしい。 こんな大通りでふわふわ浮いているのに誰も気に留めない。そのことに孤独感を強く感じてしまう。


気分を変えるために違う場所に向かうことにして、どこに行こうか迷っていると多くの枝分かれした小川が集まっている場所が目についた。


興味の赴くままそこに行ってみると学校だった。

学校と分かったのは制服を着た少年少女が居た為で、そうでなければお城だと思った。


学校は周りをシャボン玉の膜のようなものが覆っている。中に入りたいが、割ってしまわないか恐る恐る触れてみるけれど割れることもなく、そして私の方も特に異常なく中には入れてしまった。


(なんだか懐かしい。思い出せないけど…きっとこんな感じの所に通っていたのかな)


ブラブラ構内を見学していると人垣ができているところがある。気になって覗いてみると3人の美少年がいた。


左右に立っているのはアッシュブロンドにグレーの瞳の少年と黒髪にアンバーの瞳の少年。真ん中に座っているのは金髪、緑目の少年だ。


彼らを見た瞬間に頭の中に光景が浮かんで衝撃が走った。彼らの風貌は前世で仲のいい同僚がハマっていたゲームキャラ達と同じ。彼女は王子が好きだったからよく3人の絵面を見せられたのでよく覚えている。でも、ストーリー自体は全く覚えてなくて、彼女の攻略状況を右から左へ流しながら聞いていた記憶があるだけ。


(そういえばあのゲーム魔導師長見た目タイプだったんだよねー…ってなんで前世の記憶がよみがえって今世の記憶は戻らないの?!しかも、ほとんど情報ないじゃん!はぁ…でも、まさか今世の死後にこんな事って…どうせならモブでいいから生きたまま見てみたかった。でも、ストーリも何も覚えてないから悪役令嬢改心させる!なんてできないんだけど…いや待って。寧ろ安全に見られるからこれで良かったのかな?とりあえず、断罪はあったよね…あの子悪役令嬢も結構好きだからうんたらかんたら…って言ってたし。もし成仏できない様ならできる範囲でヒロインなり悪役令嬢なりを助けよう。あんまり覚えてないけどよく見るテンプレ通りならなんとかなるかも…)


物思いに耽っていると人垣も彼らもいなくなっていた。


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