授業1
エルランドの部屋に来てから早5日。
王宮への申請はあっさり通り、定期的に審査があるらしいがそれ以外は特に問題なかったらしい。
学校の方にも申請し、こちらもあっさり許可されたらしい。許可証代わりとして首輪にメダルがつけられた。
そう許可は出ているのに放課後以外は部屋で過ごしている。朝出かける前に魔法に関する本を置いて行ってくれるが、飽きてきた。
許可が出た日に授業を見てみたいと言ったらまた今度と言われて。それからはなんとなく聞けないでいる。
断られた後の再チャレンジってやりにくいのは私だけだろうか?
でも、あれから何の音沙汰もないってことは…まさか忘れてる?色々やっているエルランドの事だ頭から抜け落ちててもおかしくない。
なら、許可証はあるのだ自分でこっそり見るくらいどうってことないだろう?放課後も近くなっている、どうせ研究室に向かうのだから少しぐらい寄り道してもいいだろう。
外に出て空をジッと見ると魔力の小川が多い場所を見つけた。きっと魔法の授業中なのだろう。興味を惹かれたのでそこに行ってみることにした。
そこは前に来た魔法棟だった。中央にある階段を使ってその場所に向かうと中庭の様なところに着いた。
姿を見られないように入り口から遠くない花壇の裏に隠れて様子を見る。
生徒たちは一列に並んで目の前の的に魔法を当てる練習をしている。
(こう見るとやっぱりエルランド様の魔力って相当高いんだ…)
生徒たちの魔力の量はじっくり見てもエルランドほどの多い人はいない。
「あ!!」
魔力量を見ていたので、実際の彼らの様子に気を配っていなかったら、一番私に近い男の子が的とは全く違うところに当てたストーンブレットが跳ね返りこちらへ飛んでくるのが見えた。
反射的に魔法でガードしてしまった。
「誰かいる?!」
狙いを外した男の子が私に気づいてしまった。
(まずい!エルランド様に知られたら怒られる!迷惑もかける…!隠れる場所間違えた…周りが開け過ぎててどう頑張っても姿を見られず帰る方法がない…仕方ない強風を起こして…いや、魔力自体は弱いとはいえ多数無勢…他の生徒も気付いて攻撃されても困る)
悶々と考えるがパニックに陥っているのかいい案が出てこない。
(ああ、もう!こんな事なら大人しく部屋にいるか直接研究室に行けばよかった…)
「おい、出てこい。さぼり魔」
(仕方ない。ここは可愛いさを利用して乗り切ろう!)
仕方ないのでいそいそと花壇から出る。
可愛いさをアピールしたわけでもないのに話しかけていた男の子は私の姿を見て固まった。
私の可愛さはそんなに衝撃的なのか疑問に思っていると男の子の顔が青くなった。
「ももももも…モンスターが出たーーーー!!!」
あ、失念しておりました。かわいいく見えてもモンスターでございました…。
叫んだ男の子より冷静な何人かは男の子の悲鳴を聞いて魔法を打つ体制に入っていた。
(ちょっと待って!私は学校公認のモンスターなんですよ!)
胸を張りメダルを見せようとするが、モフモフの毛皮に隠れて見えにくい。
「おい、動かない的に当てるよりいい練習になるんじゃないか?」
そう誰かが口にすると何人かが賛同し、魔法を放とうとする。
仕方なので臨戦態勢に入ると鋭い静止の声が響いた。
「全く君は…」
まさか1番会ってはいけない人の授業を見ていたなんて…。




