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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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※この御話は健全なギャグ小説です

 ……えっと、そこは……あー、確かお父様と遠乗りに行った時に聞いたっけか……確か国作り時代での話で……えぇっと? 間違いないな。


「そこは多分だけど、二番目に高い山が正解だったはずよ、それで分かる?」

『なん、とか……よくごぞんじですね』

「ちょっと昔に、自分の環境周りの事を知らないでえらい苦労したのよ……そのお陰で大切な友人が出来たのだけど、ね」

『はぁ』


 よし、この程度の問題はなし。っていうか、一応大公領の歴史に関する問題だし、ある程度余裕を持って出来ないとダメやろ。


「他にわからないところは?」

『……たぶん、だいじょうぶ、です』

「そ。なら、出来ないところがあったらまた呼んでね」

『わかりました。ありがとうございます、メタリアさん』


 ええってことよ……という事で、アレウスくんの勉強に付き合っております。ちょこちょこ頑張って交流を続けた結果、多少は打ち解けるのに成功!


「……朝起こす時も糸電話を使って頑張った甲斐があったかしら」

「しょうじき、へやのまえで、それを使ってるお姉さまは、とってもあやしかったですけど……あはは」


 それは言わんといて下さいませんかアメリアさん。いや、実際そうだろうけどね。だって早朝だから若干廊下も薄暗いんだもん。そこで謎の糸でつながれた物体に語りかけてるんだもん。不審者よ。


「でもこうするのが大切なのよ……多分」

「さいしょのこと、と言っていましたね。でもそこまできにするほどなのですか?」

「最初の印象っていうのは重要なのよ、本当に。だからこそ、顔を見るのもちょっと苦手と思われてるかもしれないから」


 というのは建前。バッチリ嫌われていたのは言わない。あ、アメリア。そこを取られるとすっごいキツイのですけど……あ、手加減抜きですねはい。


「ふっふっふっ、お姉さま、ゆだんしてると、ぜんぶとってしまいますよ!」

「いやぁ普通なら微笑ましい光景なんだけど、この場合は現実になりそうで笑えねぇなぁほんと……じゃあ、ここで」

「あ、そこはあくしゅ、です!」


 あ、赤の駒がどんどん減っていく……スゲェなえっげつない罠仕掛けとったよ、三方向にえらい長く取られちゃった……待ってこれ角取るとか関係なく負けるんじゃない?


「……こ、降参はしないわよぉ、ふふ、勝って、お姉ちゃんだって凄いんだって見せるんだから!」

「すごいってこと、アメリアはよく知ってますので、まけてもだいじょうぶですよー」


 さいでっか。嬉しいけど今に限ってはこう、トドメを刺されるような感覚しかその言葉に覚えませぬ。いや、負けぬ、負けぬぞぉ!


「そこだっ!」

「はい、ここで、ここ、ここ、ここ、ここ、ここ、ここ、ここ、ここ、ここです!」


 ダメですね……もう半分以上緑に変わりましてございますよ……


「ここもです!」

「んもうお許しになって! 私の心はもうぼろぼろでしてよ、アメリアさん!」


 思わず椅子から崩れ落ちてよよよ……しなしなガールですわ……悪役令嬢って精神的強度は最悪なんですのよ? 乙女ゲームの主人公の鋼メンタルとは桁違いに脆いのです。ふふふ、辛い。


「ダメですよお姉さま! しょうぶを投げだすのは、しゅくじょとしてあってはならないことなんです。がんばりましょう?」

「うぅ、負けるのが確定していてなお私は太刀打ちせねばならぬのか……」


 うぅ、若干涙目ですよぉ……こんな情けない顔を見ないでちょうだいアメリア……もほんと情けなくて年長者としてのプライドが……プライドが!


「……」

「なによう……あんまり見ないでアメリア、今、とっても情けない顔しているから……」


 ……っていうかアメリアちゃんどしたの、その、なんというか。凄いこう、艶やかな表情されてらっしゃいますね。どしたの?


「……お姉さま」

「その、えっと、どしたの?」

「どうしたんでしょう……お姉さまがめになみだをうかべているのに……それが、どうしてかとってもキレイに見えるんです」


 ……んん? 流れがなんかおかしいね? あの、待ってね、今ベソかいてる私が綺麗に見えるってどうしたの急に、目でも腐った……いや待て全然おかしかないなそれ! あれだ、薄い本的なあれだ、美人の涙って結構魅力あるんだっけ! 私が美人なのすっかり忘れてたわい!


「き、気のせいじゃないかしら」

「このアレウスがお姉さまにせまられたとき、わたしもお姉さまに……そのときから」

「気のセーい! 全力持って気のせいだから忘れてー! その感情は忘れるのよぉ!」


 これ乙女ゲーのワールドやから! いやそん時に全部奪ってやるとか思ってたわたしが言えた台詞じゃないけどさぁ! そっちに向かうのはマジでまずいっす!


「そんなことはありませんわ、お姉さまがキレイなのはまちがいはなく」

「ええい、なんとか気のせいだと言わせてやるわ!」




「……なにか、とてもはずかしいことを言っていたような……すみません、お姉さま」


 ……ええってことよ……疲れた、めっちゃ説得した。なんなら未来知識一番使ったのは今日かもしれん。動画とかでしか見たことない理論とかインターネットで流し読みした論文とかフルに使ってなんとかした。頭パンクするわこんなん。


「で、でもお姉さまがキレイだと思うのは、けっしてまちがってないとおもいます」

「……」


 でも致命的な認識を取り除くことができませんでした。私には出来ない事しかないじゃないか。ほんと……あれ、そういえば。


「これ、仲良くなるために使えるんじゃ……っていうかどんな場面で天啓受けてるんだ私は……」


 まあ、アメリアと過剰に仲良くなりかけたからってことで……ね?


ほんとうです。インディアン嘘つきません。

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