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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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お嬢様以外が基本的に有能な世界。

 うーむ……なんか謎の意識喪失タイムに見ていたあれは何だったんだろうとか考えるとまーた正気失いそうだから別方向へシフト!


「アメリアはあげられないけど、このドレスだったら……ほしい?」

「ほしいわ! こんなドレスみたこともないし、とってもキレイだもの!」


 即答かい。ゴスロリデザインって凄いんだな。っていうかドレス文化が廃れてないバリバリの現役主力なこの時代なら当たり前なのかね。


「あらそう……ベスティってお洒落がホントに好きねぇ。まぁ、そういう事なら頑張ってみるけれど……そういえばベスティ、アレウスにもこういう服、作ってあげたら喜ぶかしら?」

「あー、うーん……どうかしら。あまりよろこばないと、おもうけど……」

「あらそう? じゃあ、何をあげたら喜ぶのかしら?」


 ふふふ、流れるように情報収集に繋ぐこの天才ぶり。で、で、どうすかベスティさん。


「アレウスは、ねぇ……うーん、よくわからないの」

「分からない?」

「そうなの。アレウスはわたしとよくあそんでくれたけど……どんなあそびでもアレウスはいっしょにやってくれたし、どれも同じくらいよろこんでたわ。だから、どのあそびがいちばん好きかはとくにわからなくて」

「あらそう……」


 予想以上にすげー子供だよあの子。これ、多分だけどベスティが遊びたいっていったから全部の遊びに付き合ってたって事だよね? 人間出来すぎてない? ホントにチャイルド?


「うーん……それじゃあ仕方ないわね。分かった、ありがとうね」

「うん……あ、でも……」


 うん? どしたのかな?


「何か気になったこと、あったの?」

「いっこだけ、だけど……あのね、アレウスは、ここでご飯を食べるとき、いつもとてもよろこんでいたわ。そう、とても。あと、だれかとごはんをわけあうのも好きみたい」

「へぇ。ご飯で喜んでいた、ね」


 ふむ、そういえば我が家の案内の時も、食堂を見て分かりやすくはしゃいでいた気がするが……意外にも食いしん坊キャラ?


「わたしよりたくさんご飯を、とってもおいしそうに食べていたわ」

「へぇ……まぁ男の子だし……なるほど、ご飯方向で攻めるっていう手もあったのか」


 そういう漫画、よくSNSで上がってバズってた気がする。まあ男の子がご飯食べてる姿って、結構愛嬌あるから人気出たのかなぁ……じゃなく。


「うん。ベスティ、頑張って思い出してくれてありがとうね」

「良いのよ!」


 しかし、なんとかとっかかりを得られそうな何かを獲得できた。これで少しか会話とか関係改善ができるようになると良いんだけどねぇ。


「……ところでメタリィ?」

「あら、何かしらベスティ? あぁ、アメリアの着ているドレスの事なら大丈夫、できる限り頑張ってお届けするから安心……」

「もしかして、アレウスとケンカでもしてるの?」

「してええええええええんどないいう事でっかなベスティはん!?」


 いや、待ってくれ。ホント動揺、動揺、震える。マジでどういう事なの、なんか急に打ち込むのよして、あの、私、全然、あの。何もいってないのにどうして?


「うーん、やっぱりそうだったのね。アレウスについていろいろきくから、気になってたのよ。メタリィは、その、ちょっと変わったところがあったから、アレウスとちゃんとなかよくできるかしらって、思ってたし」

「ヒエ……」


 えっと、子供って時々鋭い感性を働かせるけど、実際に見ると理不尽なレベルに見えるわホント。ビックリウーマン。


「みんなちゃんとおはなしすればなかよくできると思ってるわ。けど、さいしょからなかよくするのは、むずかしいことだとお父さまもいってらしたし」

「へ、へぇ……ところで、私の何処がこう、難しいと思ったの?」

「とっても、いろいろ、強いところよ!」

「あー褒め言葉でもありちょっと困ったような感じに言われるのが悲しくなってまいりましたぁアメリア慰めてぇ!」


 アメリアの髪をもふって心を慰撫する……ホントツラ……事実かどうかは微妙にせよ、今までの行動を考えると……否定できないっ……! それが、余計に辛い、泣きたい。


「お姉さまぁぁぁぁぁ……」

「うぅ、柔らかい髪……とっても癒されるわぁ……人の温もりっていいわね」

「メタリィがとおいめをしているわ……」


 そりゃしますよ。人間っていうのはこまめに現実逃避をしないとしんどい。アメリアと戯れて精神の平穏を保たないとしんどい。具体的にいうと泣く。


「……まぁ、おおよそ間違っちゃいないわ。というより、私がいろいろやっちゃっただけだけどね。いやなんていうか、ちょっと衝撃与えちゃって」

「あら、そうなの……アレウスはメタリィのようにつよくはないから、やさしくしてあげてね?」

「善処いたしますわ……」


 ごめんねぇ……さて、現実逃避はもうやめにして、とりあえず……


「……ま、まぁそれ以上は考えないで、そろそろ遊びましょうか! ね!」

「えぇ、そうねそうね! せっかくあそびにきたのだから、いっぱいあそびましょう!」

「アメリア、そろそろ遊びを再開しましょう? ほら、おーきーてー」

「んぅ……」


 ではベスティと遊んでいる間に現状整理と行くとしようか。まぁ、そんなに難しい事もないし、単純だからすぐ終わるけど……


 一つ! アレウス君はすぐに原作通りになったわけではない! そして原作通りになるフラグは思いっきり踏んだ!

 一つ! 私はアレウスくんのメンタルケアをせにゃならん! そもフラグを撤去するにはそのメンタルケアは必須!

 一つ! そのメンタルケアの為の情報は食事が好きなのくらい! 情報は絶望的に少ない! もはや笑えるレベル!


「……仲良くなるっていう目的は変わらないけど、難易度がインフェルノになったわね」


 あれ? 状況悪化してないかしら?


同じ子供であっても容赦なくお嬢様よりも優秀な部分を見せていく世界。

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