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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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レッツ不穏の足音、または次への前振り

 ……ん、朝かー。うーむ、日差しが恨めしい、目がチカチカすんぞコラァ、手加減しろよホント。えぇ、分かってんのか太陽。この世界太陽神信仰とかないけど、態々作って呪うぞコラ。呪われるために作り上げられた太陽神とかなんていう呪物。


「よし、思考回転完了……問題なし。さ、行きますか」


 今日は朝早くからイベントだ。大公令嬢らしく、堂々と挑むとしようじゃないか。




 いやーお屋敷前が壮観。こっち来たときはそうでもなかったけど、帰りはガチですなぁコレは。え? 実質敵地に向かうようなもんだから? 実家が敵地ってなによ。


「で、何台くらいいるのこれ。なんか見覚えのあるマークとかつけてるけど」

「十台。護衛の騎士が乗り込んでいる。『緑鷲騎士団』が殆ど、ロイヤルガードが一部、だな」

「緑鷲?」

「知らんのか。ダリア男爵の所属する騎士団の名前だぞ」

「あぁ、あの最精鋭の防衛隊の皆様方が所属してる所の名前、正式にはそんな名前だったんか」


 あれだ、お父様と菓子店行った時見たマークだよ。通りで見覚えのあるマークだと……って言うか私全然この国について知らんね。今度一編でいいから、ちゃんと調べようかな。


「まあそれは兎も角、気をつけなね。王宮に戻ったら」

「あぁ、せいぜいしぶとく生き抜いてみせるさ」

「シュレクだったらイケるとは思うけど、慢心はしないように。あんたはそういう事する様な性格じゃないけど、一応言っとくわ」


 わたしはバリバリの安全圏にいますから、言えるとしたらそんくらいだ。


「安心しろ、そんなものをする余裕など、毛頭ないさ」

「まぁ元から命狙われてるわけだし、それもそうか。ならまあ、あと私から言えるのは頑張ってくださいだけ……あー、あと一応一個あったわ」

「なんだ?」

「アメリアが寂しがるから、できるだけ早くまた顔出してよ」


 まぁこの有能マンが忘れるとは思わないが、万が一、三年後に来訪とかになってしまうとアメリアがしょげきってしまうからね。


「安心しろ、一ヶ月……は無理でも、最悪半年に一回は顔を出すつもりでいる」

「ふーん、存外来れないのね……とはいえ、あんた王族だからねぇ、それも大丈夫なの?」

「あまり大丈夫ではないが、なんとかする」


 ひえっ、お顔がマジ……基本的に無表情だけど、それとマジ顔って全然ちゃうからいや恐怖よ。イケメンの押し売りだよ。


「ま、まぁ無理だけはせんといて……ぬ、そろそろかな?」

「あぁ、護衛の騎士が馬車から降り始めた。頃合いだろう」


 さ、そしたら行くとしよう。エスコートは任されよ。




「シュレク王子、お迎えにあがりました」

「ってアレッ、なんか見覚えのある方がいる……具体的にいうと王都の守護部隊の頂点に立つ男爵様が見える……」


 ダリア様が直接って、要するに男爵直属って精鋭も精鋭やんけ! ロイヤルガードだけじゃ飽き足らず! コレを突破って、国内の不穏分子程度じゃ不可能だろ! いい加減にしといて!


「これはメタリア嬢。ご機嫌麗しく」

「あ、ご、ご機嫌麗しゅう……」

「此度の婚約、様々な事情があることは理解している。それでも言わせてほしい、おめでとう。良き関係が築ける事を祈っているよ」

「ど、ども」


 フゥ! 相変わらず紳士だけどあんまり捕まえとくのも悪いんで撤退!


「ダリア君。ご苦労様」

「大公様。いいえ、王族を守るのは騎士の誉れなれば。それで」


 まぁ、後ろからお父様達が来てるのが分かったから下がっただけともいうけど。でダリアさんが見てるのは……アメリア、かな。多分。


「彼女が王宮で噂の、『大公家の秘宝』ですか」

「そんな呼び方されてるのかい……」

「まあ、今まで奥方一筋で名高い大公に湧いて出た浮ついた話ですから……とはいえ、その噂の印象とは、似ても似つかぬ雰囲気ですがね」


 えっ、何? 王宮の人たちって暇なの? そんなスキャンダルに飢えてるの? 平成あたりの午後のマダムなの? そんなん噂する前にもっと仕事してお父様の苦労を減らしてください。 


「まぁ、でもアメリア本人は気にしてない、か」


 ツーか聞こえない程度の声で話してるのよな。私には色々話してアメリアには隠すってか? 間違ってないけど自分が大人に染まっている気がして複雑。いや中身は大人百パーだけどさ。


「シュレクさま。きょうまでたのしかったです。また、あそびにきてください」

「あぁ。改めて約束する。必ずここにまた来ると」

「はい!」


 幼い日の約束……今更ながらだが、バリのイケメンショタと宝石レベルの美形ロリの組み合わせってエモいよね。しかもそんな淡い約束とか尊いオンリーだわ。


「おねえさまも、きっとまってますから! ね!」

「んや?」


 あぁ、私か。


「……まぁ、うん。私は言うこと言ったから、もうないわね。うん」

「えー、おねえさま!」


 そんなに拗ねてもダメよー、天丼なんて一発ギャグだけで十分。話題の天丼とか目も当てられないからねーはっはっはっはっ。


「ま、でも別れの挨拶はまだしっかりしてなかったからね……シュレク!」

「あぁ」

「また今度! ちゃんと来なさいよ!」

「……ふふ、分かった。必ずここに戻ってくるさ」


 ――なんだよ、お前。そんなさ、柔らかくも笑えるんじゃんか。









「一連の事件で、私は学んだ。如何な手段でも選んでいる場合ではない、と。家族を守るためだ。例の話、少し本気で考える事にした。ダリア君、其方も考えておいてくれ」

「わかりました。私の一族の中から、有望そうな子を、選んでおきましょう」

「……全く、平穏の為に子供を利用しようなど、全く持って……業の深いことだ」

「せめて利用する子供たちには、出来る限りの幸せを……」

「うむ……騎士団同士の繋がりを強めるための養子縁組、とはな……」


ここら辺矛盾の嵐みたいな記述があるかもしれません……自分も読み返して、有ったら直します。

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