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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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DLCスチル『満天の星空と青い子供達』

 ……ふぅ、食べた食べた。


「ちょっと膨らんだかな、コレ……いやー、腹いっぱいっていいね」

「貴人とは思えぬ凄まじい発言だな、これは……」

「女性に夢持たない方が良いと思うよー、根拠はー……無し!」

「無いのか」


 無い!

 まあ前世知識オンリーでいうなら、女子高なんてもっと酷いからね。男子校の方が若干ピュア迄ある。っていうか発達する速さが女性の方が凄いらしいから、その辺りはしゃーない。


「夢を持つ持たない以前の慎みという話だ、大公殿と大公妃殿はあの様に微笑ましい表情で見ていて下さるが、普通なら頬を張られても仕方のない程だぞ」

「なにそれこわいー」


 まぁ自覚はしてますわ……でも今更変えられないでしょ。魂に染み付いたロクデナシガールの香りは。まぁ誰が知ってるって訳でも無いですけど。


「おいしかったですね!」

「えぇ。とっても……けど食い過ぎて火照っちゃってきたかも。バルコニーに出ない?」


 いやマジで、顔熱くなってきちゃった。どっかで風にでもあたりたいわー。美味しいものたっぷり食べた後ってこうなるよねぇ。


「ふむ、夜風に当たりに行くのか。付き合おう」

「あ、わたしもいきます」


 お、よーし。じゃあ三人で行きますか。あ、お父様ダイジョブですよ、落ちるとかないですよ、心配なさらないでくださいねー。


「じゃあ行こうか」




 いやー、現代と違って星が良く見えるなー……でも私この世界の星なんて私さっぱり知りませんから夜空を楽しむのは難しいけど。まあ雰囲気雰囲気。


「かぜがきもちいい……」

「夜だからね。あー……頭がぼーっとしてくる」

「とはいえ、余り長居しすぎれば体を冷やすが……まぁ、多少は大丈夫だろう」


 三人並んでバルコニーから星を眺めるって、この光景良いなぁ……間違いなく元のゲームだったらスチル化不可避やんこんなの。まぁシュレクとアメリアは兎も角、私が映えるか知らんけど。


「……ねぇ、シュレクさま」

「うん? どうしたアメリア」

「また、おねえさまにあいにきてくれますよね。おかあさまも、いってましたもんね」

「無論だ。我が色々と足らない婚約者と下らない話でもしに、必ずここに来る」


 誰がいろいろ足らんだ、バカにしとんのか己は、なんで私に対して態々毒を撒くの?


「だから思わず拳が出ちゃうよ……そしてクロスカウンターになったよ……」

「この状態をクロスカウンターと名付けるか……なるほど、確かに交差している」

「お、おねえさまとシュレクさまがこぶしでたがいをうちぬいた!?」


 ふ、某デンプシーと某カウンターの如く、我々二人は永遠に続くライバルとしての関係にあったのだよ……いや全然違うけど、共犯者だけどさ。


「あだだ……先に手を出したはずなのになんで着弾は同時なのか、納得いかんわ」

「体格の差、ではないのか」

「うーん正論!」


 私の方が若干だが小柄だしね、是非も無いよね……先生、タッパが欲しいです。あ、でもタッパある女の子って可愛いのだろうか。美人系ならタッパあった方がいいとは思うが。メタリアなら美人系がいいのかな。


「おねえさま、だいじょうぶですか? あと、きゅうにこぶしをふるうのはあぶないですよ?」

「えぇ、色々とごめんね。ちょっとはしゃぎすぎちゃった」


 まぁそれは置いておいて。

 心配してくれて嬉しいけど、言うてじゃれ合いの延長線上の奴だし、そんな痛くは基本ならないから平気よ。うん。まぁもうちょいガチでやり合ってたら脳みそ揺らし合ってたかもしれんけど。


「まぁ、お別れの餞別の代わりにってことで、どう?」

「この状況でそれを言うなら口づけ等が妥当だとは思うが……お前では不可能に近いな。色気など欠片も無い」

「うーん最後までたっぷり失礼!」


 これでこそって感じすらするわホント。


「……寂しくなるな、こうして喋れなくなると」

「……ま、私も少し、寂しくは思うよ。ホント」


 なんだよ、何で意外そうな顔でこっち見るんだ。なんか言ったか私。


「意外だな。そのような弱音を吐く事もあるのか」

「私をなんだと……ああいやいい、言わなくて」


 またぞろド失礼発言が飛び出すだけだろう。まーた私が噴火したりしたら話が進まなくなる。もうそろそろ私も学習したわ。うん。


「シュレクと、仲が悪いって訳じゃないし。仲のいい奴と会えなかったら、寂しいもんでしょ。普通に考えて」

「……そうか、そうだな」


「うん、そうだ。寂しいから、また絶対に会いに来る。うん、これが言いたかった」


 っ!? うおかっけ、かっけ! ド失礼王子とは言えさすがはロイヤルPrinceだぜ、こういう儚い笑顔を浮かべさせたら右に出る者はいないなぁ……多分。しかしまぁ、残念ながら、私は恋愛に興味はない!


「へへっ、良い表情するじゃん。けど私をオトすには聊か足りませんなぁ」

「恋愛的な意味でか? 安心しろ、その意図は一切ない」

「あーそうですか」


 まったく、ちゃんと喋るようにはなったけど、最後まで遠慮とかは一切身に付かなかったな、この王子様は。まあ仲良くなれたし、そんなもん要らんし、無粋かね。ふふ。


「さぁ、そろそろ戻ろう。体が冷え切ってしまう」

「はいはーい。ま、明日はお別れだしねぇ、体調万全で望まないと、ね?」

「っ……はいっ!」


 その王子様との別れは、いよいよ、明日だ。


別名友情スチル。

あと一連のお別れパーティ話は個人的に『貴族の皆様でもこう言うことやってたら暖かくていいな』と言う作者の願望の元書かれました。

あと、一部タイトルを修正しました。好みの問題なので、気にせず笑っておいてくださると幸いです。

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