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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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フラグなんて無かった……無いよ

「脅迫だ、脅迫だあんなん……」

「大公のあの不退転の意思、あそこまでの覚悟、俺も見習うべきか」

「いやそれはラーニングせんでええよ」


 今くらいがちょうどいいから、これ以上下手なネタキャラ化は止そう。王子としての諸々が木っ端微塵になってしまう。


「あーもうどうしてこんな事に……」


 今は隣で、王宮の人と段取りか……婚約者として発表するだけでも段取りが要るとかやっぱり王族ってめんどくさいなぁ。まあ、私も王族になるわけですが。


「大体、王家と大公家が必要以上に結び付くっていいのかな」

「今は俺の緊急事態、故、だろうが、必要の許容範囲がはるかに広がっているのだろう」

「言い訳も許されねぇってか!」


 畜生、なんてこった、ここまで完璧に詰まされるともう怒んのも無理で逆に笑うしかねぇなぁおい!


「ぎゃははははははははは! 敵か、世界は私の! 上等だぁ!」

「落ち着け、正気を取り戻せ。まるでケダモノの様な表情を浮かべているぞ」

「やだなにそれ恥ずかしい」


 幾らもう取り繕うには厳しい段階に来てても、そんな顔してるところは他人にゃ見られたかない。


「……気持ちは、分からんでもないのだ」

「えぇ?」

「婚約者を作りたくはない。そして、お前はこうも思っている……『こいつは婚約者っていうのとはちょっと、いや大分、いや全然違う』、と」

「えっ、なにそれこわい、なんでわかるの」


 ドンピシャどころか一字一句違えることなく完璧に言い当てられてんだけど。イントネーションとか諸々も完璧なんだけど。何だお前トンチキか。


「お前は非常にわかりやすい、というのがあるな」

「そんなに理解されやすいって警戒した方がいいのかね……まぁいいや。うん」


 当たってる。ぶっちゃけ、シュレクは私にとって、婚約者ではない。ではなんなのか。親友、というのも違う。無理やり言葉にするならば……真・悪友、といった所か。短い時間で悪友って中々爛れてんな私の人生。


「付き合う、っていうのとは全然違う。違和感しかないわけよ」

「奇遇、というべきか。俺も全く同意見だ」

「あらそう? 気が合うねー、私達」


 ド突きあった仲っていうのもあるのかね。喧嘩するほど仲がいいっていうのの典型例だと思うわ、私達。いや、喧嘩して仲良くなったというべきか。


「喧嘩で慣れていった、って感じかしら」

「喧嘩というより俺の蹂躙というべきだろう」

「っはぁぁぁぁあナチュラル失礼で草も生えませんわー!」

「む、すまない。事実を口にしただけなのだが……」

「事実だって伏せなきゃならない事だってあるんだよ察しろ~!」


 おのれ今度こそ……って、やめようやめよう。今やってる場合じゃないか。


「……こんな風にやっていくのが、良いのかもしれんな」

「あん?」

「婚約者だのなんだのと、細かいことを考える必要はないのかもしれんという事だ」

「細かい事ぉ? いや細かい……あぁ、いや、細かい事、なるほど」


 そういや細かくて難しいことだったなコレ。王家の都合やら何なら、陰謀が何やらをしっかり考えてしまっていた。土台、私がそんなん考えるの無理だってのに。


「婚約者になったって、別に婚約者らしくする必要はないか。今の私たちのままの関係性で良いと」

「あくまで婚約者だからな。直ぐに結婚する必要もない。寧ろ、婚約者を見極めるという名目で出来る限り時間を稼ぐのも可能だ」


 なーるほどなるほどね……婚約者と言うお題目を、逆に利用してやるってか。ほへぇ上手いこと考えたもんだ……結局ごり押しに近いけど。


「というか、最初の無色透明打っても全くもって響かずから、良くここまで狡すっからくセコイ真似が出来るようになったもんで」

「人間の特徴はそこにある。様々に思考を回し、目的地に辿り着くことが出来る」

「要するに目的達成のためには手段を選ばないと」


 ま、婚約者なんていきなり過ぎだし、そりゃお父様とかの手前、そうせざるを得ないとはいえ、ねぇ。そりゃ子どもにも色々言いたいことはありますよ。


「大人たちの都合は理解している。それを裏切るつもりはない」

「そこまで跳ね返りでもないからね、私達も。とはいえ」

「迷惑をかけぬように動けばいいことだ。それまで自重するつもりはない」


 ……ふふふ、自重するつもりはない、だってさ。ふふふふふふふ。


「とんだ悪餓鬼ですなぁ私達!」

「俺はそうではなかったが、お前に染まったようだよ」


 私が元々から悪餓鬼だった言い方は止しとくれなんし。全く人聞きの悪い。そりゃ色々無茶やらかして親に心配かけたけどさ……もうちょい言い方あるだろ。


「勢いと調子に乗る事しか知らないって言ってくれ……いやそれじゃダメなのか。正に悪餓鬼の典型例だったわ」

「語るに落ちたな」

「お前はどの立場からモノ言ってるんだよ……」


 この隣の人は本当に……何こっち見てんだ。目が合ってるよ。なんか言いなさいな。見つめ合ってんじゃないよ。って言うか長いよ、どんだけ見てるんだよ。


「どれだけ目を合わせようと、そういう雰囲気にはならないものだな」

「そりゃならないでしょうよ。そういう対象じゃないんだからお互い」

「そうか」


 異性としてじゃなく、個人としてなら、付き合いやすい奴だとは思ってるけどさ。まあそうだな、改めて言葉にだすなら……うーむ。


「相棒、又は共犯者でいいかね」

「俺たちの関係がか。相棒、共犯者……ふむ。成程、後者の方がしっくりくる」

「私達が悪餓鬼だからって? ったく、ホントこの短い間に好き勝手言ってくれるようになっちゃってさぁ……」


 とはいえ、まあこうなってしまった以上、ちゃんと挨拶、というか確認をしとくかな。


「じゃまあ、改めて。これからよろしくね、我が共犯者サマ」

「了解した。我が共犯者殿」


この二人に恋愛関係は期待できないっす。

今の所はアメリアの方がまだ可能性あります。

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