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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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尚フラグは全く立ってない状況のようです

 うーむ……的の中心は……あそこか。届くかな。いや、届かせてみせよう!


「いけ流星の如くぅ! 射抜いてみせろ!」

「むっ」


 さぁ、さぁどうだ……おっ! おっしゃぁど真ん中ぁ! これで逆転じゃあ!


「やったぁ! おねえさま!」

「これは、やられたな……一度きりの手助けとは言え、メタリアの投擲技術では中心に当たってしかり、中心を取れない俺たちの拙い勝負に大人気ない実力、まさに全力だな」

「おっとしれっとバカにされてんなぁ?」


 大人気ないっていってんだろ? おぉ!? 上等よこの野郎、大人気のなさを見せつけてやるとしようか? アメリアと組んで向かってこいよ、まとめて相手にしてやろう!


「お嬢様、的、作り直した方が宜しいですか?」

「お願い爺、この王子に失礼、と言う言葉の意味を叩き込んでやらねばならんのよ……!」

「……結果は見え透いて居る気もいたしますが……承知いたしました」


 ふはは、私の勝ち、と言う結果がかぁ? 当然、投石、投擲、その辺りにおいて私が敗北することなど有り得る事はない……今日こそ、今日こそ貴様に敗北を刻んでやるぞオォジイィィ!

 あ、今は大人の皆さまの話し合いが終わるまで、暇つぶし中でございます。




「ひ、卑劣な策をっ……負けそうになる瞬間の、アメリアのちょっとだけショボンとした顔見せるなんて……き、貴様に人の心はないのか!」

「良心も呵責も捨てた……今はただ一人の男として、お前に向き合うだけだ」

「いってる事はかっこいいが手段は最悪だなぁ!」


 く、このまま行けば、余裕で勝てる……だが、だがしかし、もしこのまま圧勝してしまえば……アメリアが、アメリアがショボンと……ぐ、グゥゥゥゥゥゥウ!?


「うわ〜手が滑ったぁああああああああっ!?」

「わぁっ! おねえさま!?」


 畜生、せめて全ての苛立ちを込めて明後日へ飛んでいかせた結果が礫の行き先に爺!?


「おっと……まぁ、やはりこうなりましたか」

「ごめんね……」


 うん、少しばかり思考が暴走してました。あまりにも卑劣で極悪な策に屈した、その結果の苛立ちが、私を暗黒面に突き落としたんだよ……許しておくれ。そしてなんて事のように礫を上に弾いてキャッチする爺好きよ。


「いえ、まぁ。勝ち目のない勝負でもお止めしなかった私の落ち度でもあるので」

「その割にはとっても微笑んでるね? とっても優しい表情してるね?」


 知ってる? そう言う表情には、得てして『あぁ、少し残念な子なんだな』っていう若干の哀れみが篭ってるものなんだよ。しかもさ、これ勘違いじゃなければ。


「爺、その表情わざとやって居るでしょう」

「いいえ、そのような事……まさか……」

「もういいっ! みんなして私をいじめてー!」


 しまいにゃお嬢様は泣いてしまいますよ……私精神年齢と心の耐久力比例してないからね? 割れ物注意で天地無用だから丁重に扱ってね?


「おねえさま……どのようなことでも、わるいうんがついてしまえば、しっぱいすることもあります。そうおきになさらないで。きっとつぎはまけません!」

「アメリア……ありがとう……」

「わたし、いつでもおねえさまのみかたですから!」


 でも複雑。君のかわゆさを利用した策に敗北した訳だからさ、悔しいと言うか、いや君を恨むのはお門違いだよね、恨むべきは卑劣な策を採用した王子だからさ。


「と言うことで、シュレク、一発でいいから殴らせるんだ」

「逆恨みではないのか。俺は、俺の全力を持ってお前に当たっただけだ」

「その全力がよお、スカッとしない全力なんだよぉ! わかるぅ!?」


 おのれこのナチュラルド失礼め、こうなれば場外乱闘じゃあ!


「覚悟せい! 今日こそは、今日こそはぁ!」

「ただの殴り合いであれば、そう容易くは負けはせん。かかってくるが良い」

「上等じゃなあああい!」


 今、ここに見せよう……我が必殺のぉ!


「皆、待たせましたね……メタリア、まずは貴女がってメタリア! 何をしているの!?」


 ……はは、王族と殴り合いをしているのを母上に見られた、か……ふぅ。どうやら、私もこの世界に別れを告げる時が来たようだな。さらば、この愛しき第二の故郷。




「メタリア、相手は、王族、なのです。同じ年頃の、生意気な、貴族の悪童になら、いくらでも、やって構いません。ですが、あの人はいけません。それを、分かっていますか」

「はい、大変申し訳ありませんお母様、調子に乗りすぎました……」


 いよいよお母様も一緒に正座してこんこんと説教するようになって来ましたか……個人的に、怒りと呆れを足して割らないみたいな感じで怒られるのが一番心にくる。


「全く……あなたは目を離したその途端に狂気の沙汰に走るのですから……」

「あのそれは流石に私も抗議したいのですが、なんですか、私は邪教を信仰する狂信者か何かなんですか」

「それよりも、ある意味ではタチが悪い……ふぅ」


 が、がががががーん!? そ、そんな。クトゥルフ神話とかじゃ『うっげ気持ち悪りぃなテメェオイ!』とか言われるのがデフォな狂信者君以下……真面目にショック……


「うぅ……」

「落ち込んでいる暇はありませんよ……メタリア、貴女にとって、非常に重要な話が決まったのですから。シュレク王子は、別室で話を聞いています」

「はい……なんでしょうか……私にとって、今の衝撃の評価以上のことはそうそうは……」

「貴女の婚約者が決まりました。相手はシュレク様です」


 ……………………ハハ、ナイスジョーク。


アメリアとイチャイチャするシーンを増やしたいです。(展開的に)増やせないです。

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