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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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令嬢と王子で、今! 緊急タッグ結成!

「ぎ……な、なんか場所は違えど、既視感が……この容赦の無さ」

「そりゃ既視感あるでしょうよ」


 お、ようやくこっち見たな……って化け物でも見たような面するなオラァ!? 私を何だと思ってるんだこのオッサンは! 私はアメリアに劣るたぁ言え一応美少女だと思うんだがどうなんだろうね……いや、今は置いておこう。


「き、貴様は先日の、冷血悪魔令嬢! どうしてここに!?」

「おいド失礼な名称で私を呼ぶんじゃないこの脂オヤジ」


 シュレクのド失礼発言軽く超えてくるとは、随分と容赦ないな、割と傷つくぞ。


「油っ!? き、貴様もたいがい失礼ではないかこの小娘!」

「そっちのは謂れなき誹謗中傷、私が言ったのは事実でしょうが。そんな事より、外の護衛は私付きの親衛隊だったのだけど……一体どこにやったのかしら」

「……ふん、その言い方、お見通しという訳か?」


 ってうわキモッ! 急にニチャッて笑うなお前!? というかどういう笑い方してんだよこのオヤジ!?


「あの、無礼者だったな。私の護衛が今頃可愛がっている頃合いだと思うよ。流石に腕利きの騎士二人を相手にしては、一溜りもあるまい」

「随分と卑劣なやり方してくれたみたいね、もっぱつ喰らって見る? アレ」

「それは冗談ではない!」


 いやジャンプして下がるなよ、ガマかお前は。どんだけ金的怖いんだよ。


「……ふふ、だが冷静に考えれば、この前はあの無礼者が私を抑えていたからあのような結末になったのだ、自由の身なら、子供二人程度、どうということはない」

「やっぱ不審者だったわね。狙いはシュレク王子?」

「その通り、王家の急所となりかねない不安要素は、排除するべきだ」

「まさかウチのマジの身内から裏切り者が出るなんて」


 お父様を出し抜いて、この前の一件に白鯨騎士団に裏切り者が入り込めたのも、此奴みたいな奴が協力したからなのかね。まぁ、その辺りはどうでもいい!


「要するに、あんたは私の敵……なら、全力で抵抗させてもらうわよ」

「やってみろ、お前の様な小娘に……何ができる!」


 ……まぁ、その通りではあるよね。身長に体重、膂力も私ひとっつも勝てる要素無いし。どうすりゃいいんだろう。


「では小僧なら何かできるのか」

「……え?」

「ふぁえっ!?」


 あの、どうしてお父様の机の上にシュレク王子が立ってから跳躍したー!?


「ふん」

「ごべぇ!?」


 ふ、フライングボディプレス、だと……? なんという荒業を!?


「あ、あだだだだ……こ、腰っ!? 腰打った!? いで、いででで!?」

「子供の体重とて、天から降れば凶器にもなる。メタリアとのケンカで、身のこなしはある程度洗練された。舐めないでもらおう」


 いやそれ褒められたことなんですかね……まぁいいや、隙ありだ!


「腰を痛めましたの!? 大変マッサージしなきゃ! 全体重をかけて参りますわね!」

「ちょっ、まって飛び跳ねるなまさかやるなよやるなといってるがぁあああっ!?」


 フライング踏み付け、イン腰。ワン、ツー、スリー、おまけでフォー!


「良し、パーフェクト。シュレクイェイ!」

「いぇい」


 ハイタッチ。大人一人対子供二人。人数差でこちらが有利だ、ふふ。なお子供一人、マイホームで泥棒二人を翻弄して見せたあの英国の天才少年は例外とする。あれ私出来る気がしない。


「お、おのれ……なんという悪ガキ共だ……ホントに貴族階級か貴様ら!?」

「げぇ、まだ動けますか」

「中々に頑丈だな。賞賛に値するほどだ」

「じゃかあしぃ!」


 江戸っ子かな?


「く、こんな事なら護衛を彼奴一人に回すんじゃなかった……ええいもう後戻りは出来んのだ、やってやろうじゃないか!」


 ぎゃあ突っ込んでくんな速いあぶなっ!?


「いやぁん!?」

「くっ」


 や、やべえ。大人のリーチから繰り出されるスピードやべぇ。歩幅が違うってこういうことか……捕まったら脱出不可能だし、もしかしなくてもハードモードだよね。


「大人が駆け付けるまで、時間を稼ぐぞ、メタリア」

「それしかないようですねぇ!」


 おわっこっちくんな手を伸ばすな! あぶねぇ! 掠った、髪に掠ったぞおい! 抜けたらどうしてくれる!


「チクショウ、露骨に髪を掴もうとするんじゃない! 貴方の頭と違って、私の髪には無限の可能性が満ちているんですよ!」

「貴様! 言ってはならんことを! ええい大人に言ってはいけない、やってはいけないタブーばかりぶち破りおって、それでも令嬢か! もう少しお淑やかさを持たんか、この野生児!」

「だれがターザンか!」


 っというか、お前、さっきから気になってたんだけどさ。


「私ばかり狙うな! シュレクも狙わんか!」

「仕方あるまい、万が一王子に傷を付けたら連れ出すのが面倒になる!」


 くそそういうとこばっかりシッカリしてやがる! お前ももうちょっと雑になれよ!


「それでは、オレはやりたい放題、という事で構わないな? それ、足元ががら空きだ」

「あっ火かきぼぉおおおおっ!?」


 あ、足引っかかった。ナイス援護シュレク。というかそうか、それならシュレクは狙われないから、邪魔し放題って訳か。ほれほれ、逃げちゃうぞー。


「お、おのれ。舐めた真似を」

「人質一人を取った二対一よ。そう簡単には捕まんないわ!」

「ここを離れる前の、最後の遊戯だ。せいぜい楽しませてもらおう」


 でもお顔が阿修羅にも匹敵するレベルで歪んでるんだよなぁ……大丈夫かなこれ。


えげつの無さだけなら奥様誘拐時のアメリアメタリアコンビを上回る。

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[良い点] あ、これ、 技の一号(姉) 力の二号(妹) V3(殿下) だわ!
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