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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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雰囲気はピンクと言うより蛍光イエロー

 正座って、なんちゃってヨーロッパ世界にもあるんですね。どうも、カーペットに正座状態からスタート、メタリアです。そしてお母様がオコ(羅刹)です。


「……と言うことで、いいですか、男性の彼処というのは、男性にとっての共通の致命の弱点であり、尊厳の象徴でもあるのです。分かっていますか?」

「は、はい……朧げながらには、ですけど」

「彼処への攻撃というのは、男性の全てを、その一撃で粉砕する重みを持っています」


 あ、はい、さっき見ました。彼処までの威力なんて思って見ませんでした。傲慢なお貴族様が一瞬で濡れたネズミ見たくなってました。


「万が一、ヴェリオや、マクレスの()()に叩き込んで見なさい。問題という一言では済ませませんよ? 分かってますね?」

「はい。大変申し訳ありません。自重いたします」

「妄りに触れたり、全力の一撃を叩き込んだりしてはいけません。分かりましたね?」

「はい」


 うぅ、なんと情けない、怒られる原因がおっさんの急所関連とは……いや、調子に乗りすぎた私が全般的に悪いんですけど、それでもあまりに字面がひどい。


「まったく……ちゃんとした話し合いが、急所攻撃で全ておじゃんになりました」

「いやほんとすいません……」

「いいですか、頑張るにしても、時と、場合と、手段を考えてやりなさい」

「はい……」


 すっごい反省した。とっても反省した。いやぁ、金的がお説教に発展するなんて想像も出来んよ……


「で、でもルシエラおかあさま、おねえさまはわたしをまもろうとして」

「そうですわ、奥様。幾ら何でも暴力を振るおうとしていた相手なのですから、そこまで庇わなくても……」

「あの男を庇っているつもりはありません。もし万が一、メタリアが将来、男の股間ばかり狙うような女性になるのだけは、阻止したいだけです」

「ぇえええっ!?」

「いやお母様、あの、言い方、言い方をですね」


 あれおかしいね、私とんでもない言い方されてるね、なに? 私は将来的にサキュバスか何かになる予定なのかな? っていうかお母様こんな言い方するんだぁ……もしかしてお母様って天然若干入ってる?


「……?」

「あああああああの奥様あのそれは、その、それは、その言い方はえっとあの女の子には些か危険と申しますか禁じ手と申しますかそのえっと余計に色々いけない知識を植え付けてしまうと申しますか!?」

「メトランさん、あの、落ち着いて」


 アメリアはまだちっちゃいから意味わかんないんだろうけどさ……いや問題はメトランさんだよ、なんでそんなに反応しちゃうのかな、詳しく知ってるのそっちの知識。やっぱり年取るとそういう知識はがっつり増えるもんなの?


「……メトランさん、慌てすぎです。確かに品のない言い方をしていたとは思いますが」

「ひえっ、そして理解しても尚お母様動じなさすぎです……」


 顔色一つ変えないって剛の者過ぎない? 物理的には恐ろしいほど強いのは知ってたけどさ、精神的にもここまで強いの? 恥ずかしがるとか一切しないとか、一周回ってカッコよくてもっと好きになっちゃうぞ?


「あ、ああああのですね」

「……はぁ、これはメタリアのついでに少し、お話をする必要がありますか……いいですかメタリア、ちゃんと時と場合を考える事、良いですね」

「は、はい」


 あ、メトランさんが小脇に抱えられて……連れて行かれてる。アァァ……。


「……いっちゃいましたね?」

「そのようだな」


 さっきのお言葉の意味が一切分からずキョトンとしているアメリアさん、そしてさっきから巻き込まれたくないので一切の気配を消していたシュレク王子どーも。


「えっと、おかあさまたちは、なんのおはなしにいったんでしょうか」

「知る必要は……これに関しては、流石に俺が判断するべき事なのか分からんのだが」

「いや、あの、はい。大丈夫です、これはシュレク王子判断しなくても大丈夫ですよ」


 だからそんな困ったような顔しないで。私がそういう顔したいよ。さっきの一触即発のの雰囲気だってのに、こんなになるなんて想像も出来ねぇわ。


「……どうします?」

「うむ。少し仕切り直したい気分だ。このままというのはどうにも座りが悪い気がする」

「巻き込んじゃってすいませんね!」


 いや座りが悪い程度じゃ済まないでしょうこの状況。アメリアは知らんけど、私とシュレク王子の気まずさったらないぞこれ。


「私の部屋、戻ります?」

「そうだな、ここに居るよりは随分とマシだと思われる」


 そういう事になった。




「おかあさんのおかし、おいしいですね、おねえさま!」

「うん。良かったね、あとあの空気をどうにかしてくれてありがとね」


 あのまま行ったら可笑しなテンションのまま……うん、色々危険だったよね。ぶち壊してくれて本当にありがとう。


「はぁ……落ち着いた」

「落ち着いた、と言うより目を逸らしたという方が正しいが」


 言わんといて、思い出したくない。私だってそういう雰囲気には慣れてないんだよ。彼氏も居なかったし、なんつーか……空しくなってくるのよな。


「はぁ……結果論にはなるけど、やんなきゃ良かったかなぁ」

「お前がそうしなければ、妹が襲われていただけだろう。考える必要はない。それこそ深く考えず『適当』で構わないと思うぞ」

「……まぁ、そうだけどさ」


 いやー、言われた事を直ぐに理解してらっしゃる。そっすね、もうあれこれ考えるのやめますわ、あー紅茶美味しい。


「お母様達の話が終わるまで暇ですし、なんかやりますか?」

「そうだな、ただ暇を持て余すというのも良いことではない。付き合おう」


実際、急所狙いの攻撃って、こういう言い方されると色々情けなくなる気がいたします。

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