表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
49/324

悪役令嬢の必殺技、その二!

 さーて……まぁ、お母様に任せても良かったかもしれんが、でもアメリアかメトランのどっちかが傷つかないなら、それに越したことはないだろうし。


「おねえさまっ!」

「ロケット頭突きでみぞおちに鈍痛!? だ、大丈夫そうだしとっても元気ねあっグリグリで追撃よして出る、お菓子と紅茶のミックス出ちゃうから」


 ベリイベリイパワフルでイッツビューティフォーでリバース……はしないけど。怖かったのは分かるけど、それでもちょっと位は手加減してね?


「さて……私の妹とその母親に、何をしようとしていらしたのかしら、おじさま?」

「い、一体誰だ君は!? いきなり私を、このように……ええい、離さんかこの!」

「大人しくしていろ!」


 だから、アンタみたいなのが身じろぎしたってビクともしないから大人しくしてなさいってのに。


「ロイ、そのまま動かさないでね……それで、私ですか。私はこの家の息女、メタリアと申しますが……親戚の方だと聞いていたのですが、私のこと、ご存知ありませんでした?」

「……っ!?」


 おいおい、失礼なだけじゃなく私の事知らないのか……まぁ私なんて貴族の権力を笠に着てるだけのクソガキだけどさ、でも娘がいるってのくらいは知ってるでしょうに、小さい子が出てきたら、あれ、その娘さんじゃないかな、くらい想像できるんじゃない?


「ふん、名が売れているなんていうつもりもありませんけど、全く知らないなんて言われるのは、流石に不愉快ですわね」


 とはいえその偶然はラッキー……こっからやる行動に、一応の理由づけが出来る。ワタシノナヲシラヌトハナニゴトカ―


「頭に来ました……ロイ! そのまま、そのままですよ!」


 頭に来たのは本当だし……こういう奴は、まず一発ぶちかまして抵抗の意思をへし折らないと、絶対に調子に乗ってバカなことをしてくる。怒りに任せてへし折る!


「後、私の妹に何か乱暴を働こうとしたのが個人的に一番気に入りません!」

「はぁ?」


 っていうか、四分の三くらいはそれが原因だよ狸腹の禿オヤジ! 喰らえ、格闘家とかじゃなければ絶対効く対男性特攻攻撃!


「おらっしゃぁああああ!」

「ピュええええええええ!?」


 キ ン テ キ だぁ!(肘鉄)


「ヒィッ……」

「……使い物に、ならなくなったのではないか?」

「い、いった!?」

「いやまあ礼儀はできてなかったとは思うが、それにしてもあんなのやるか!?」


 親戚のGUYSが悲鳴をあげてらっしゃる。うん、みんなキツそう。大変申し訳ない、正直感情任せの鉄槌ではございますが……傍観してたあんたらに、何も言う権利ないから!?


「ぎ……ギザマァアアア…………オウフ」

「ふん、私の妹に手を出そうとするからよ、そもそもこんな場で暴力に訴えようとするとか、礼儀も何もなっていませんわね」

「……お、おまえも」

「私の場合はアメリアの代わりに行った先行反撃ですので。悪しからず」


 とはいえ、さすがにこういう人には何を言ってもダメそうだし……やっぱり恨みが出来そうだから良くないとは思うけど、この手しかないか。


「後……それ以上の無様は、シュレク様の前でしない方がよろしいのでは?」

「……はえ? って、ウワァッ!?」


 どわぁ股間を押さえたまんま飛び上がるなお前!? びっくりしたぁ!?


「シュ、シュレク……様!? ど、どうしてこのような」

「お前の顔には、宮廷で見覚えがあるな。宮廷に仕えるものが、幼い少女に声を荒げて近寄るべきではないと思うのだが」

「はっ……そ、それは……く」


 うわ、目で見て分かるくらい顔が真っ青に。いやーシュレク王子がここに来てるのは当然秘密。まさかこんな所に王族がいるなんて思わんよね。


「お、おっしゃる通りで……し、しかしながらシュレク王子」

「言い訳しなさんな!」

「いやちょっとまさかアアァォォォオオン!?」


 とはいえ無抵抗で何も言っていないか弱い一般人二人に殴りかかろうとしたロクデナシには一切の容赦はいたしませんが。おらっ、もう一発じゃい!


「ま、またっ!?」

「ほ、本当にあの少女は人の子か……?! 男のあの場所を……に、二度も」

「あなた、どれ位痛いのかしらあれ……ねぇ?」

「筆舌にし難い、というのを体現する程だよ……ウン。本当に」


 男性の皆様は当然として、うん、女性の皆様も若干青ざめてらっしゃる。そりゃあ日常生活に置いて最恐クラスのラフプレーを、しかも二回。おっそろしい話。


「……あの、レディ」

 ……えっ、なんて? なんてなんて?

「レディって、あの? えっどうなさってんですか?」


 いきなり態度が……あのすいません、その、急すぎて反応に困ると申しますか。


「いや、その、もう、大事にしたいので……もう、実家に戻りますので、この騎士を離していただけると、非常に、ありがたいと申しますか」

「は………………はいぃ?」


 う、うんそれは大変宜しいと思いますが、いや、あの、これ……やりすぎたかなぁ?


「でしたら帰りの馬車を手配いたしますので、こちらへ」

「お願いします……」


 あ、おじさま泣いてる……こ、これしまった、アメリアを守るだけのつもりが、行きすぎた!?


「……メタリア、アメリアを守ろうとしての行動であることは、理解します」

「ンピェッ!?」


 って、ことは、って事はだよ……い、嫌な予感しかしないけど、見なけりゃ始まらないから、まずは見ることから始めてみようよ……とか思った私のバカ、お母様という名の修羅しかいないじゃん……!


「ですが、お話はしますので覚悟なさい」

「そ、それは…………しょうがないっすね……はい」


 すいません、私といたしましても、勢いに乗りすぎてしまった次第です。



尚悪役令嬢特有の必殺技でもないです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ