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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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行けっ、護衛騎士ロイ君!

「じぐじょう……」

「見事な奮闘ぶりだった。勝負になっていたかは正直微妙ではあるが、しかしそのやる気は、一流の商人の粘り強さにも匹敵する。まさに長所だな」

「だれがしつこい商人ですかふっとばしますよ」


 おのれ、女子と男子では力の差があると申すか、神よ。ちくしょうデロリアン持ってこい、人類創造まで遡って男女の理を書き換えてやるってんだよ。あ、でもそもそも動かす為のガソリンも何も無いですね……


「あーもう、いつまでもイライラしててもしょーがない。気持ちを切り替えないと……っと、そういやアメリア、大丈夫ですかね」

「何がだ」

「いや、アメリアが親戚との顔合わせ中ですからね。こう、やっぱあるじゃ無いですか? お妾さんの立場的に、こう言う場面で文句言い出して揉める、とか」

「出自などを問われる、と言うことか。ありえそうではあるが、ルシエラ殿を相手取って言えるかとなれば、厳しいのでは無いか?」


 あー、そりゃあそっか。あの無敵超人の母上様が賛成派、その人を目の前に反対を高らかに叫べる奴なんて、余程肝が据わってるかクレイジーサイコパスバカ……か……


「……あれ、そんな人たち最近どっかで聞いたような」


 王宮の人たちもそんなんでしたね……あれ、もしかしてもしかしなくても、ありえちゃう?


『認められるか!』


 と思ってたらこの怒鳴り声! 悪い予感が当たっちまっただと!?


「ロイ! ロイってのわっ!?」

「はっ、お嬢様! ご用命は!」


 扉が開いたと思ったらもう目の前に立ってた……忘れてたけど、この人、白鯨騎士団に潜入として入団できるぐらいには有能なのよね。動きも機敏、シュゴイ。


「さ、さっきの怒鳴り声、食堂からね? 親戚達のいる」

「……はい。間違いないかと」


 あー……やっぱりそうだろうね。知ってる。マジでいたか、クレイジーサイコパスバカ……うーむ、アメリアが危ないかもしれないな、ひょっとすると。


「全く……ロイ、供をなさいな。まぁ、危ない事はないでしょうけど、念の為に」

「承知いたしました。お嬢様」


 まあ私には危ない事はないよ、私にはね。けど、アメリアとメトランさんのお二人の情操教育に非常に悪い状況になってたら、速やかに制圧するのもやぶさかでは無いので。


「俺も同行する。最悪、俺ならば場を抑える一因程度にはなり得るだろう」

「……いや、鶴の一声はできれば遠慮してもらえると。場が荒れてるのを無理やり収めると、逆にイライラが溜まるんですよ。それで話がこじれたらシャレにもなりません」


 正論で言いくるめられても言いしようもなくイラっとする事あるじゃん? あれ。


「分かった」

「あ、でも同行はお願いします。良策じゃないですけど、万が一の緊急手段として……お家の問題に巻き込んじゃって、大変申し訳ないですけど」

「構わない、大公と……お前への恩を返すつもりで、やるさ」

「私への恩……は、良く分かりませんけど、ありがとうございます」


 良し。頭数と質は揃った、カチコミにゃ十分だな……ここ我が家なんだけど、なんでカチコミすることになるんだろうね。いや、自分でそうするって決めたんだけどさ。




『大体我々に一切の相談もなく、こんな世俗の女を迎え入れるなど!』

『失礼を承知しているからこそ、迎え入れた後、こうして義理を通すために皆様に話を通しています……大変、申し訳なく』

『義理を通せばいいと言う訳ではない!』


 どうやら、お母様と言い合い中か。まぁお母様なら別に大丈夫か、あんなしょーもない相手、どうって事ないし。万が一の可能性を考えてきたけど……


「しかし、凄い怒ってるわねぇ……どこの人なのかしら……って、ロイは大公家の事に詳しい訳じゃなかったわね。ごめんなさい」

「いいえ、お嬢様が謝ることでは……しかし、お嬢様の懸念は」

「ま、お母様に行ってくれて、ラッキーってところね」


 アメリアとメトランさんに向けて暴言吐きまくりだとか言ったらぶっ飛ばしてたけど、これなら大丈夫でしょ……部屋に戻ろうかな。お菓子もまだ残ってるし、紅茶冷めちゃったけど、冷めても十分美味しいしなぁ。


「じゃあロイ、部屋に戻るわ。迷惑かけたわね」

「分かりました」

「シュレク様も、無駄足を踏ませてしまい、ご迷惑をおかけ……」

『っ! ええい、埒があかん! 兎も角、私が用があるのはそこの女と、その娘なのだからな、通してもらうぞ!』


 あ、これは実力行使に入ったか。お母様相手に随分とまぁ。


『……それ以上の無礼はっ、何を!? 無礼な、離しなさい!』

『不満があるのは一人だけではないと言う事だ。少し、灸を据えてやれ』

『悪いな。くく……妾風情が、娘諸共、一発で、しっかりと、やってやる』


 うわクズッ、複数でお母様を……ってこのまま狙う相手ってまさか! あかん!


「ロイ! 踏む込むわよ! シュレク様もすいません、付き合ってください!」

「えっ……あ、はいお嬢様!」

「分かった、付き合おう」


 ゴーゴーゴーゴー! アメリアとメトランさんは……いた、おっさんの前! こっちから見て上座、奥か! あっこれ間に合わな……いや、こっち見て呆然としてる、動きを止めたのか、ギリギリってところか!


「な、何事?」

「ロイ! お母様に乱暴働く不届きもの……はもう制圧されてるわね!」


 私達が踏み込む間に瞬殺とかお母様流石です。なら、問題なく!


「その乱暴者を取り押さえなさい!」

「はっ!」

「な、なんだ貴様! はな、離さぬかこの無礼者!」


 バーカ、ハゲ狸の貴族のオッさんが、ロイ君の羽交い締めを破れるかよ。大人しくしとれ。

 でアメリアたちは大丈夫かなっと……良し良しオッケー無事だな。殴られてもないな? メトランさんがアメリア抱え込んでるから、結構ギリギリだったんだな……ったく、王族もいるってのに面倒を。


「おねえさま!」

「はいはい、お姉様ですよ。怪我はないかしら?」


ロイ君の活躍がなくて寂しかったので、ロイ君の活躍を増し増しにしました。

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