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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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姉感覚が芽生え始めたらそりゃそうなるよね

 さぁ、フードが取られてその下から現れたるは、エメラルド、白、金! 上から髪、肌、目と色合いからしてブランド力倍プッシュ! 流石王族、ブランド的な輝きは高いぞおい。


「改めて紹介しよう、三人とも。こちらのお方が、シュレク・ファウスト・ホエイル・メルスデルク様だ。この王国の、第三王位継承者でいらっしゃる」


 そして、第三王子と来たか。うーむ……これは、困ったな。私、第三王子の事は全くもって知らんのだが。




 では第二回、この乙女ゲー世界の旧世界線について解説しましゅ。えー、今回は、ぶっちゃけ男に渡すのが口惜しくなってきた我が妹の、その攻略対象について、です! 隠しルート含めなければ合計七名存在します。クソが、マジで妹ちゃんに付きまとうようなら対策考えないと……


『そんなボーっとしてんな。ほら、しゃんとしろ!』

 一番手、俺様系オカン! 押しが強いオラオラ系と思いきや、親しくなると意外な程面倒見がよくなるオカン! 笑顔が少年! 侯爵家嫡男! メタリアとの相性は致命的!


『ね、姉さま。その、僕の宿題、見てくれませんか?』

二番手、まさかの姉弟間ラブ弟! 気弱、メカクレ、可愛い系、三拍子そろってサブヒロイン投票第一位、膝枕スチルが大人気! 大公家養子! メタリアとの相性、絶望的!


『ふふふ、君はおてんばなんだね』

 三番手、女学生憧れの先輩! 物腰穏やか、文武両道と攻略対象の中でも一二を争うハイスペック! 憂い顔が人気とか業が深い! 男爵家! メタリアとの相性、壊滅的!


『お前を……生涯守ると、誓う』

 四番手、守る系守護騎士様! 不器用オブ不器用! 恋愛一直線! やり方が大正浪漫で隠れファン多し! 純愛ルート! 子爵家次男! メタリアとの相性、比較的マシ!


『知りませんよ、貴女なんて……僕と一緒にいればいい』

五番手、ツンデレ文官候補! ケンカップル筆頭、眼鏡! 知的かと思ったら恋愛は割とポンコツ! 美しいものを見た気がする! 宰相一族! メタリアとの相性、犬と猿以下!


 とまあ、まずは五番手まで、こんな感じ。あった事がある奴? 今は居ねえな。

 それより今の問題は、残り二人、その二人とも王族。第一と第二王位継承者である。


『俺は……俺だ、王子という顔のない人形ではないんだ』

 王子という重責に耐え切れない悲劇系お兄ちゃん。難易度髙。メタリアとの相性、絶。


『……今なら、君を心から信じられそうだ』

 王子に没頭しすぎて腹黒系ブラック王族の弟さん。難易度髙。メタリアとの相性、滅。


 どちらも一歩間違えば即暴走する権力で監禁のスペランカールートである。笑えねえ。どうでもいいがアメリアで二人を攻略していた当時の私は『大公家と王家が必要以上に結び付くのはいいんだろうか』とか思ってやってました。


 問題は、この二人のルート選択時である。この二人のルートは特殊で、何方かを選ぶと自動的にもう片方と対決し、王家の闇と向き合う、という似たような大筋が準備されている。個人イベントは無論違うが、しかし、王家に関する大筋からそれる事はほぼない。

 その二人のルート内で。この第三王子さんに言及が入ったことは、一度もなかったのである。いやマジで一度も。


 マクレスさんのように、どれだけ有能でも一使用人、という事なら言及ゼロというのも頷けるのだが……この人は、王子だよな? いるならなんで言及されてなかったんだろ。


「第一王位継承者の、ディラン・セカン・コヨウテ・メルスデルク様、第二王位継承者のゼン・サード・イグル・メルスデルク様、今はここにはいらっしゃらないが、このお二人も一応は今回の一件に関わっている。頭に入れておいて欲しい」


 うん。第一王子、第二王子共に私の知ってる名前だ。上記の様なルートだからこの二人の名前はゲーム一のトラウマ製造機として攻略サイトによく名前が挙がってたっけ……メタリアの結末とかな!


「さて……まずはどこから話したものか」


 っと、話聞かないと。流石に終わった後『聞いてなかったからもう一回お話して♡ お父様♡』なんて言える訳ないし。ふざけてんのかって言われ……いや、案外ニコニコして話してくれそうだぞ?


「大公の家は、王家の親戚筋であり、同時に王家に仕えるものでもある。だから私は大公家の当主として、そして王家の血筋の末席を汚す者として、王族の皆様を憂いから救う義務があるんだ」


 うーむ。それは分かる。おうメトランさんもちゃんと頷いている辺り分かってるみたいだ。しかし。ひとり、ちょっと着いていけてない子がいるから、フォローせんと。


「……えっと?」

「要するに、王様の家族を守るのも、お父様の大切なお仕事ってことよ、アメリア」

「あぁ、そうなんですね! さすがおねえさま、わかりやすいです!」


 まあアメリアにはちょっと難しいかもしれないからね。私が頑張って噛み砕いて話そうかな。ふふ、だからもっとキラキラした目で私を見て! その顔頂戴!


「メタリアさん、ありがとう御座います」

「あ、いえいえメトラン母様……お姉ちゃん、ですから」

「……続けても大丈夫そうだね。それで、王族の中で、私がお守りする事になったのがこのシュレク様だ」

「……ヴェリオ、少し気になるの。大公家のお役目は、王家の守護。それなら、もっとも王に近い第一王子様や、第二王子様も守護するのが普通ではないの?」


 ……それは、気になってた。メトランさんのいう通りだ。なんで第三王子だけ? 他の人はどうしたん、とは思う。


「それに関しては理由があってね。今回の一件に関しても、その理由が、深く関わっているんだ」


 ぬん。それを今から説明しよう、って事なんだな。ホムホム。

 そういえば、あの王子さまって幾つなんだろ。第一、第二王位継承者……まぁ王子とおんなじ意味だよね。うんそれが。がアメリアと同い年だったはず。それなら第三王子だし、私より年下なのは間違いないと思うけど……四歳? そんな幼児を引っ張り出すとは、王家って業深いね、


「……シュレク様は、第三王位継承者でありながら、王家の長子である、という微妙な立場から命を狙われる事が多いんだ」


 ……え?


乙女ゲーのキャラって個性豊かですけど、それが自分の家族とくっつくと考えると……ううむ。

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