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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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勘の良さは必ずしもプラスにはならないですねはい。

 さて、紅茶の匂いがとても副交感神経を落ち着かせて、心地がよろしい。そんな我が家のリラクゼーションルーム、お母様のお部屋に来ております。呼び出しを受けました。テヘペロ、心当たりしかないゾォ?


「メタリア……もう、あなたの突飛な行動には何も言いません、特に何も言いません。もう慣れました……それも可愛いと思ってしまったのは、もう親としての宿命ですね」

「あっ、はい。早いですね」


 自分でも狂気染みた行動してると思うけど、それにあっさり適応するとか、お母様も本当にこの時代のお貴族様なのかなって時々疑問に思うよ。適応力ってやっぱり才能ですよ。


「まあ、あの若手騎士には見所もありました。こちらに抱え込むのもやぶさかではないとあの人と話していました……だから、話もスムーズに行ったのです。決してあの人が娘に甘すぎるとか、そういうことではないのでしっかりお父さんは敬うように」

「……は、はい」


 あの、すいません。その擁護は流石に厳しいのではないかと思います。いや嘘は言ってないとは思うんだけどさ、でもそれなくてもオーケーしちゃいそうでしたよ。目が泳いでましたよ。まぁ、その甘さがロイ君と私の命綱になったんだけどさ。


「……ふふ、ですが、貴方の目に狂いはないと思いますよ。貴方にとって初めての臣、大切にしてあげなさい」

「……はい!」


 とかさ、いい場面に見えるでしょ? これ私、自分の失態とか汚点を金と権力でもみ消す悪役令嬢プレイしかしてないんですよ……お母様に対して土下座案件なんですよ。


「今は部屋の守りを?」

「はい。他に頼む事も思いつかなくて、お部屋の前で、立ってもらってます」

「なるほど。早速こき使っていますか。そのまま、良き関係を築きなさい」

「はい!」


 『不埒者にお嬢様の部屋、荒らさせはしません! ご安心ください!』とか言ってました。うん、私の元に付いてもらった動機が動機だから、素直に『わぁ、ありがとう』とは言えない。真面目にせんでもええんやで?


「さて、あの若手騎士……いいえ、貴方の親衛隊の隊長についてはここまで。それでですが……こうして私が貴女をここに招いた理由は、他にあります」

「他に……ですか」

「えぇ。貴女とアメリア、そしてメトランさん……今回の事情を知らない関係者に、話す事があります。今回の一件の、引き金について……です」


 ……ほげぇ?


「とはいえ、ここで話す事ではないですね……あの人が、書斎で待っています。その道すがらで、話しましょうか」




 バカな……どうして私は、あの居心地の良いお母様の部屋を離れ、こんな、こんな空気で廊下を闊歩しているんだ……だれか、誰か説明しろ!


「さて……このメルスデルク王国には、王位継承者……分かりやすく言えば、王子ですね。王子が何人いるか、メタリア、貴女は知っていますか?」

「いえ全く」

「後でお話がありますので覚悟しなさい……!」


 とか考えてて無邪気に答えたのが失態だったなー! そりゃ『自国の事なんざ知らんぷー』とか大公家の令嬢が言っちゃいかんセリフナンバー4くらいだもんねー!


「全く、変なところだけ賢いんだから。自分がお世話になっている国の事は知っておきなさい。また後で一緒にお勉強でもしましょうか……それで、ですが」

「はい」

「この王国にいる王子は、合計で三人……彼らのうち一人が、この一件には関わっています」


 うっっっわ面倒臭王家がらみとか死亡フラグの塊ですやん……あ、ここは……誘拐事件からお馴染み、お父様の執務室になります。目的地ここか。


「あなた、メタリアを連れてきました」

『…………ありがとう、入ってくれ』


 オッッッッット? この声は誘拐事件でも聞かなかった、大公モードのその上、政界の魍魎どもを如何にかする為の宮廷モードだぞぉ?????? さては私を処刑するつもりか??????


「い、いや落ち着け私、とって食われるわけがない……!」

「またおかしな事を言っていませんか? さ、入りますよ」


 そして押すわけでもなく、そっと身長差のある私の腰をとって中へ導くお母様ちょっと一人前のレディ過ぎひん? いや十人前くらいのレディだろッピィ待って部屋の空気おかしい重い重い!


「さ、メタリア、そこに座りなさい……」


 あっっっっっっ、ガチモードや、顔が真剣だ、消される、死ぬ……はっ、やばい気圧されてあの世行きになるところだったわ……丹田に力入れて耐えたんだよ! 女の子らしくない? そんな事言ってられる状況と違うわ!


「おねえさま、こちらへ!」

「アメリア、あまりはしゃがないの……メタリアさん、顔、青いけど大丈夫?」


 大丈夫ではなかったすね。正直意識飛びそうになり申した。と言うかなぜ二人は平気なんだ。あれか、鈍いのか。私はゴリラだから野生の勘が鋭いのかってやかましいわ誰がゴリラじゃ。


「だ、大丈夫です……だと思いたいでず、辛いです」

「ま、まぁあの人、今とても怖い顔してるから、びっくりしても仕方ないと思うわ」

「あ、ありがとうございます……」


 とはいえこの場合は鈍いのが救いでもある……あぁ〜、母上とは違う優しさが身に染みる。お父様の威圧で荒れた心が癒えるぅ……あ、アメリアの隣、いただき! 良し、精神安定バフも来たし、なんとかなったぞ!


「おねえさま、ルシエラおかあさまとのおちゃ、いかがでしたか?」

「美味しかったわ。今度は、二人で飲みましょうね」

「はい!」


 さて、アメリア&メトラン親子だが、意外にも順調に大公家に馴染んで来ている……というかマナーに関してはメトランさんが完璧に叩き込んでいた所為もあり完璧でした。交換日記通してマナーを教えるのは空振りましたが、交換日記はそれとは関係なくやってます。楽しいです。


「……それで、おねえさま、あそこ」

「うん?」


 あそこって……窓の近くかって……待って、スッゴイ騎士様いる。しかも私見た事ある。あの鎧は……王家直属のロイヤルガードやんけ!? なんでこんな……待って間にフード被った小さな子供いるけど……ロイヤルガード、王子……つまりその子は、あの、つまりですね。


「だれなんでしょうね……」

「いやーお姉様わかんないわー」

「メタリアは、分かっているようだね」

「シャラァップ!!」


 お父様やめて、無知な子供でいさせて、許して、あ、側に行って……あ、フードに手をかけましたねチルドレン、やめよう、せめて私の覚悟が決まるまで。


「こちらのお方……第三王子、シュレク様をお守りしていた事で、今回の事態を引き起こしてしまった。私の政治を、家に持ち込んでしまって、申し訳なく思っている」


 あっ……


ゴリラの野生の勘は相当に鋭いと何処かで聞きました。

なお本編とは一切関係ない情報です。

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