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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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楽しい仲間を無理やり増やしていく

『あの時……あの時お前が私を巻き込んでいなければ……私が、私がこうして……死ねぇえええええい!』

『ぐ、なんだと!? 恨み節グワァーッ!?』

『油断したわね我が姉よ……そこ!』

『ぐ、うそだろ!? 油断狩りグワァーッ!?』


 悪役令嬢の最後なんで、こんなもの、か。ふふ、始まりと終わりのメンツが一緒とはなんとも、因果、よなぁ……爺。




 とかシャレにならんからぁ、お願いだから懐柔されるんだ!


「さあお嬢様と一緒にお父様のところで土下座して! 頼むよ!」

「いやお嬢様どうしたんですか、もしかして頭でも打ったんですか!?」


 打たなくてもこんな死亡フラグだけはへし折りに行く、いや、何があっても折る。それくらい強い意志が必要なんだよ、生き残るためにはよぉ!


「おねえさま、あの、いろいろきゅうすぎるとおもいます」

「ごめん、今はとりあえず黙って協力して!」


 自分でも分かるよ、いきなり裏切り者の牢に現れてさ、よーいスタートして初手一発目で私のものになれ宣言とか頭カラッポなのかなとか思うよ?

 でもここで捕まっちゃったら、もう何もできん! 今しかない、なら今やろう!


「と、というか、親衛隊というのは、一体」

「特に意味は無いわ……側近、というのの言い換えだから。将来的に数が増えたりするかもしれないし、そういう言い方にしてるだけよ」


 というのは表の理由です。ぶっちゃけこの親衛隊、私が迷惑かけた人たちへのお詫び部隊です。私の力って金とか令嬢の権力しか無いんで、それを使って出来るだけヨイショするゴメンナサイ部署です。今から作ります。


「将来的に、信頼の置ける者は、多くそばに置いておきたいですから」

「信頼の……置ける者……ですか?」

「そうよ。そんな人で周りを固められれば安心。私みたいな才覚も度胸も足りない女にはたくさん味方が欲しいですから」


 というのは表の理由です。私、生き残るためにどれだけの人を破滅寸前に追い込むのか分からんので、信頼できる人ではなく恨まれたくない人をそばに置いておく、という奴です……え、待って、私ガチクズやん、都合の悪い事実を金と権力でもみ消すとかさ……。


「……私は」

「ん?」

「私は、信頼に値するのですか。私はお嬢様を騙していたんですよ。結果としてお嬢様に協力は致しましたが、もし私が敵にお嬢様達を売り渡していれば……」


 あ、それに関しては全然。というか、君が裏切り者という事実はあんま気にしてないし。


「あの状況で、貴方は私に味方した……売り渡さなかった。助けてくれた。それが全て」


 というかロイ君には世話にしかなってないからね私。君いなかったら私は何もできず家に引きこもるしかなかったし、お母様の奪還戦でも主に動いてたのロイ君だし。なんならアメリアは兎も角、私は足引っ張りまくってたし……


「信頼、という点においてなら、貴方は白鯨騎士団の中でも群を抜いて高いわ」

「お……お嬢様、そんな。もったいないお言葉でございます」

「まぁそんな当然の事はどうでもいいわ、さっさと返事頂戴、お願いだから」

「と、当然……!」

「おねえさま、どうでもいい、というのはあまりにもひどいのでは……ロイさんのこんごについてのことなのに」


 うん、アメリアの言う通りだとは思うけど、余裕ないんだよ。時間ないんだよ。光陰矢の如しだからあっという間に君が復讐者になりかねないの、頼む、飲んでくれ……!


「……私は」


 ん、どうだ? これは、顔伏せて、どうなのこれ、ねえどうなの!?


「私は、自らを騎士に相応しい人間だとは、もう思えません。騎士として、騎士団で生きる道はもう存在せず、そして、騎士として生きようとしてきた私では、それ以外に生きる道も存在せず……このまま朽ちるのが、相応と、思っておりました」


 ……正直、重いとは思うんだよ、この感覚は。いやまあ、現代人の感覚からすればだけどさ。でもこう言う騎士と貴族の時代じゃ、こう言うのは当然なんだよね。最近になってようやく分かってきたよ。

 だが今は関係ねぇ! そんな道理も何も投げ捨ててこっちに来るんだよ!


「ですが……ですが、お嬢様に、こんな、こんな場所まで赴いていただいて、望外のお言葉を……い、いただいて、裏切り、それも気にせず、私……を」

「づぁん!? 泣いてっ!?」


 とは思ってたんだけどちょっと待って泣かれるとは思ってなかったんよ。あれか、急に言われて混乱して泣いてんの?!


「……卑賤の身なれど、お嬢様の、メタリア様の側にて、御身をお守りできる、その栄誉を授かれるやもしれぬ、と言うのであれば……」

「……うんっ、うんっ!」

「このロイ・オーランド、お嬢様にこの身を預けとう存じます……!」


 ……っし! ッシャアァああああああっ! へし折った! 死亡フラグを一本へしおったぁあああっ!


「良し良しありがとうじゃあ早速行こうかしら! 早い方がいいでしょう!」

「おねえさま、さっきまでいいかんじでしたのに……だいなしなきがいたします」




「と言う事ですのでお父様! ロイは私が引き受けますわ!」

「……えっ、いや、えっと、それは、まずいんじゃ、ないかな」

「いいえいいえ、私の事を助けてくださった騎士さんに側について欲しいと思うのは当然ですわ!」

「あの、メタリア、その」

「おねがいします、おとうさま」

「アメリア、あの、そんな上目遣いしないで、辛い。お父さん頷いちゃいそうに」

「ね、ね、お願いします、お父様!」

「……う、うん。分かったよ?」


 正直、うん。説得の言葉はカケラも思いつかなかったので、力押しです。娘二人でゴリ押しました。だってさ、お父様相手に理路整然は無理でしょ。なら親子の情で惑わしてゴリ押すしかないでしょ。

 私だってこんな手段やだよ。でも、手段は選んでらんないんだよぉ……!


なお今後増えるかは未定。キャラ多くても扱いきれないんですよね……

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