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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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三大偉人に挑み死地に入る。

 さて、状況を再確認……する必要もないかコレ。うん。


「……な、なんてガキだ……悪魔の子かあいつは」


 あ、頭目さんめっちゃ怯えてらっしゃる。いや、うん。気持ちはわかるよ。私も内心割とショックだもん。見た目の可愛さと行為の残虐さのギャップで、グッピーは全滅したよ。


「め、メタリア……あとで本気のお話が」

「ルピィ!? 待ってお母様! それは恐ろしいまでの濡れ衣ですわ!」


 そ、そりゃあ私の中身はお嬢様とは呼べねぇビーストだけどさぁ、お淑やかさなんてカケラも足らないけどさぁ、だからって私に影響されたっていうのは幾ら何でも……


『力任せに引きちぎるんだよぉっ!』

『焼き討ちの時間よ、適当な小屋にこれで火を点けなさい』

『ゴラァアアアアァァッ! この腰抜け三下野郎……お母様を、バカにしてんじゃないわよぉおおおおおおっ!』


 ……あ、いえ申し訳ありません。割と中の獣性漏れ出していた気も致します。おそらく悪影響は十分与えていた気もします。怒られた方が良い気もしてきた……


「で、でも今はそんな場合ではございませんわ! まずはこの状況をどうにかしないと!」

「む……いえ、そうですね」


 て、敵さんも私たちも呆然としている今がチャンスだ、ということを主張して私の大罪から目を逸らさせる。ふふ、この後はこの一件の処理とかで気にしてる余裕もないだろうよ!


「に、肉が……あっ」

「隙だらけです!」


 そしてカットラス一閃で、頭目の手が真っ赤。おっとさっきのトラウマレベルの光景が蘇ってきそうだぞ。出来るだけ手以外のところをお願いしたいけど贅沢は言えないので我慢。代わりにアメリアを撫でて誤魔化す。


「グッ、くそ、やら、れたか」

「仕留められはせずとも……コレで、もうまともな抵抗はできませんよ」


 後ろの松明持ちが揺れてる。物理的に。動揺が現れてますね、リーダーやられたからしょうがないかもしれないけどね。私も今、絶望的な精神状況下で物理的に動揺が現れそうだからわかるよ?


「お、お頭」

「もう逃げた方が……」

「ウルセェ……依頼受けた相手が相手なんだよ、このまま逃げたって、結局は!」


 相手が相手? っていうか逃げても危ないって、まだ黒幕いるの? やめて? ここで終わらせて? もうこれ以上私の平穏を土足で踏み荒らした挙句、略奪しないで?


「……小鳥共が囀っているとは思っていましたが、やはり、それだけでは終わりませんでしたか。それならば、投降なさい。投降すれば、大公家で貴方達を保護します」

「なにっ!?」


 えっ!? 何、まさかの司法取引!? いや、全然違うか……それはともあれ、自分を誘拐した相手を保護するって、理由はわかんないけど、そうやって言えるだけ、流石お母様、といったところか。


「る、ルシエラ様!?」

「メトランさん、この程度の刺客、貴族ならば日常茶飯事、むしろこれらを利用し根元を断てれば、事は手っ取り早く済みます。気持ちの収まりがつかないのは分かりますが、今は我慢を」


 うむ。どうやらいい感じに私の大罪は忘れ去られているらしいな。いいぞシリアス、もっと頑張れ。あとその理由はさっぱり思いつきませんでした。


「……ほ、本当か? 守ってくれんのか!?」

「罪を償ってもらうことに変わりはありませんが……保護は約束します」


 反応からして、お母様の提案はどうやら向こうにとっては渡りに船。これは……あぁいやうん。受ける受けない関係なく、チェックメイトだったか。


「――奥様の仰る通り、貴様達は死なせん。きっちり、喋れる事は喋ってもらう」

「ひっ!? い、いつの間に!?」


 爺と、そして後ろから来てるあの白い鎧、間違いない、我が家の白鯨騎士団だ! やったぁ、いよいよ助かったぁ……って、もう夜明けそうだな、もうそんな経ってたのか。いやー爺頑張ってるなぁ、こんな時間まで。


「じいー」

「メタリアお嬢様は後で旦那様と奥様、それと私からもお話があるので、きっっっっっちりとお覚悟をお願いいたします。よろしいですね……よ・ろ・し・い・で・す・ね?」

「…………………はい」


 後ろからの視線も強くなった辺り、これは思い出しましたね、お母様……あぁ、今日は私の命日だったか。ふふ、儚い人生であった……我が家の三大偉人から揃ってのお説教とか、死ですね。


「おねえさま、わたしたち、たすかったの?」

「えぇ……助けが来たの、私たちの勝ちよ」


 そして私は個人的に敗北が決まっている……この結末はこのメタリアの転生眼を持ってしても見通せなんだ……我が家に一切帰りたくないとここまで思ったのは生まれて初めてだぁ。だって、そこが我が死地なんだもん……


「よ、よかったぁ……」

「アメリア」

「はい! おかあさま!」

「貴女も、後でしっかりお話ししますからね、覚悟なさい」

「ふえええええええ」


 あっ……アメリアごめん、巻き込まれちゃったねぇ……うん、辛い時は一緒だよ。


「……使用人統括、私は」

「沙汰は追って伝える……だが、お前の裏切りがなければ奥様の命は無かったやもしれん。その点は、考慮する。お嬢様と一緒にやらかした事については……旦那様が個人的な話をしたいそうだ。それに関しては、覚悟しておけ」

「はっ!」


 ロイ君もごめんなぁ、巻き込んじゃってさぁ、後でアメリアとロイ君は悪くないよってお父様に進言してみようかな。聞いてくれるが微妙な雰囲気だけど。私の責任だし、それくらいはしないと、ね?


大公家の有能お三方に並ぶ人物は出ます。

しかし派手にネタバレになりますが、主人公はこのお三方には一生勝てませんし、超えられる気がしません。

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― 新着の感想 ―
[良い点] キャラと設定は面白いです [気になる点] ここまでの話で大公家が有能どころか無能としか思えない点 自宅を守らせる騎士を素性も調べず雇ってたとか貴族以前に一般人でも中々やらないでしょう 少な…
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