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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
間章:技のゴリラ初等期・休暇
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人質(他の人を使うとは言ってない)

 まぁ、独身の自由がどうだとか。その辺りはまぁ議論の余地があると思われる。独身は自由という大きなメリットもあるが、デメリットも多い……とかそういう場合じゃない。


「それで……メタリア、どうだい、傷の具合は。本当に、平気かい?」

「は、はい。大丈夫です……一向に問題はございませんハイ……」


 マズイ。先の話がガチなら……冗談ならまだいい。だが、万が一、万が一にも、一切の冗談等無い、真実の答えだったら相当ヤバい。やった。先走った。これは……!


「ならいいんだけど。決して油断せず、ちゃんと傷を治すんだよ? いいね」

「分かっておりますとも、はい……」

「良し。お友達が来るのにちゃんと備えないといけないからね。歓待の準備も整えてるから、楽しみにしていて欲しいな」


 はー、めっちゃ色々企画してくれているお父様の顔色を曇らせるようなヤバい爆弾を今私は手配中という事に……オギャアアアアアア!? 冗談でしょベイベー!?


「――そういえば、メタリア。君に訊いておきたい事があってね?」

「え? あぁ、はい」


 お、落ち着くのだ私……大丈夫、まだ風は過ぎ去っていない。変に反応して隠し事されている、と思われる方が問題だ。今は、お父様の話題に丁寧に問いを返し、この時間を乗り切らねば! 何故だ、急に雲行きが怪しくなってきてしまったぞ!?


「あの仔馬の事なんだよ。なんでも、保護するように言ったそうだけど」

「あ……はい。そうですね」


 そういえば、私がこうなっちゃってからトンと話を聴かなかったな。まぁ彼奴は最後まで私が頑張って保護……いや保護はしてないけど。そう簡単に死なれちゃ私の頑張りも無駄になるし。


「えぇ、ですからまた乗りたいな、とは思っていて……」

「えっ、また乗るのかい?」


 ん? いやそりゃあまた乗りたいですよ、私だって乗馬位はちゃんと覚えたいし。まぁ男子っぽい趣味であることは否定しないけどさ。でもやっぱりお父様と一緒に乗馬したいしさ……


「(あの馬に乗って)極めたいですよ。乗りこなしてこそだと思いますし」

「(乗馬自体を)止めておいた方が良いと思うんだけどね。私としては……あまり危ない事はして欲しくないよ」

「(どんな暴れ馬にしても)危ないものは危ないですよ。そりゃあなんでも」

「(乗馬が)危ない事を理解してるなら、お父さんとしては止めて欲しいなぁ」


 まったく。お父様は動物差別をなさるお積りか。


「(馬を)変えるつもりはありませんよ。意思は固いとお思い下さい」

「(乗馬は)諦めてはくれないか……まぁ、そう言う勇ましい所が君の愛しい所でもある。仕方ないね。分かったよ」


 当然。たかが頭ちょっと切ったくらいで、あの馬捨てる程じゃあない。寧ろ、あそこ迄のやんちゃをする馬だ。馬力も中々の物ではないかと思ってしまう。


「あの馬に乗って何時か草原を思い切り駆け抜けたいものです」

「うんうん、あの馬に乗って……えっ? あの馬?」

「……? 何を言ってるんですかお父様、今お父様が許可して下さったんですよ?」


 何をそんなに、『あれ、俺何処で選択肢間違えてこんな事になっちゃったんだろう』と言いたげなリストラお父さん、みたいな顔をなさっているんですか。


「――成程、主語が違っていた訳か」

「?」

「残念ながら、そう言う事なら話は変わって来るよ。あの仔馬は少々と暴れ馬に過ぎるからね。メタリアを乗せる訳には行かないよ」


 な、なんだとぉ!? 話が違うじゃねーか!


「いやです、お父様が分かった、とおっしゃったんですから。それとも、大公様ともあろうお方が、子供を宥める為に嘘ついたとおっしゃるんですか?」

「い、いや嘘をついていたつもりはなくて……い、いや兎も角! こればかりは認める訳には行かないよ。乗馬は許可できても、あの馬に乗るのだけはダメだ!」


 乗馬は許可できるって……ん? さっきの会話……もしや!


「そもそも乗馬をやめさせようとしていましたねお父様!?」

「だって普通やめさせようと思うじゃないか! あんな派手な事故起こして!」


 しまった、私の想像を遥かに超えてお父様が過保護だった! 別にちょっと額切ったくらいだろ!? 乗馬だったら良くある……事かは知らん! 詳しい事はエロい人に教えてもらうとして!


「もう、私はそんなに軟じゃありませんよ! ちょっと頭切ったくらいで!」

「いや冷静に考えてくれ! 頭切ったんだよ!? 危ないよ!?」

「普通に貴族の子息なんて生傷は絶えないもんでしょうに! 過保護ですよ!」

「それは! 男子! しかも武道に重きを置いてる場合だけだから! メタリアちゃんは女の子! しかも武道なんて欠片も関係ないんだから!」


 ぐぬぬぬ! なんていう男女差別!


「女の子だって傷の一つも武勇伝にするものですよ!」

「そんな悲しい事はしないでくれ! お父さん泣いちゃうよ!」


 こ、これは駄目だ……多分だけど、説得されてくれる雰囲気ではないぞ。となればどうするべきか。突破口、突破口、何かないか! お父様を動かすような……ハッ!?


「……であれば、私にも考えがございますよ?」

「か、考え?」

「そうです。女の子らしい、というのを重視するのであれば、私は……今すぐシュレク王子と添い遂げる覚悟がございます!」

「!?」

「もし許可して下さらないのであれば……私は今すぐ王宮に出向きます!」

女の子は恋をする生き物だから……

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