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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
間章:技のゴリラ初等期・休暇
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もふるって正確にはどういう動きなんだろうね

「二人共、ごめんなさいは?」

「「ごめんなさい……」」

「いい、のよ。大丈夫だから。血も出てないし。えぇ。子供は元気すぎる位がいいのよ」


 アンタも子供だろうとかは言ってはいけない。とりあえずは二人に『私は平気だし怒っても居ないから安心して』っていうのを伝えられればいいのだ。


「お姉さま、どうですか? 頭の傷は。痛んだりしませんか?」

「全然? 何時もと同じ通りよ。さっきぶつかられてもチクりともしなかったわ」


 うむ。そう心配そうな顔しなさんな……撫でてやるから、アンタは笑顔で居なさいな。そらそら。わしゃわしゃー。ぐしゃくしゃ。それそれどうだ。参ったか。


「いひっ、ぅゆ、お姉さま、にゅいっ、く、くすぐったいですよぅ」

「そんな心配そうな顔してるから悪いのよ。ニコニコ笑ってなさいな。そっちの方が、私は元気も出るし、嬉しいわ。ほら、笑わなかったらもっとクシャクシャするわよー」

「きゃん! わ、分かりました。分かりましたー!」


 お、漸く笑ったな。だがしかしクシャクシャするのは絶対にやめん。君の髪めっちゃ触り心地良いんだよ……!


「――メタリア姉さん。アメリア姉さんが困ってるからそれくらいで」

「あ、うん」


 はい、ずっとは良くないね。ごめんね。うん。あ、その。残念そうな顔しないで? 私ももうちょっと撫でてたいけど、迷惑になっちゃうといけないからね?


「でも、本当に、元気そうでよかったです。お医者様が暫くは一人で休んだ方が良いから、会えない、と言った時にはどんな酷いケガなのかと」

「念のため、だったみたいよ。治ってはいるけど万が一って事があったら大変だから」


 立場的な物もあるけどね。これで私が庶民の一般女の子だったらそこまではしないだろうから。心配されてると言えばそうだけど、過保護な部分もあると思うんだよな。


「じゃあ大丈夫なんですね? ……酷いお怪我だったらどうしようかと思いました」

「そんな悲惨な怪我だったらこんな早く会えないわよ」


 まぁ頭に食らった時点で結構な怪我だけど。そう言えばこの怪我って残るのかな。跡とかさ。まぁ跡とか残っても別に。箔が付くってもんだよ。ヤクザ者かな?


「お医者様は、あとどれくらいで治ると?」

「そこまで詳しくは分からないけど。でも私の友達が来るまでには治るって言ってたわ」


 寧ろ、ワンチャン傷の事を話のタネに出来て結構盛り上がるかもしれない。いや待てそんな血みどろな話題だしたら二人とも卒倒しちまうかもしれん。頭だしなぁ。


「二人と思いっきり遊びたいし、ちゃんと治さないといけないわね」

「……」


 ん? どうした俯いて?


「……やはり、僕らが居ない方が、疲れなくてよろしいのでは」

「アレウス、それは……」

「メタリア姉さまに会えるのが嬉しくて忘れてましたけど。メタリア姉さまは療養を続けていらっしゃる身です。ちゃんと治さないと、お友達とも、会えないですし」


 まぁ、そりゃあそうだけども……でもさ。私はお姉ちゃんな訳で。だからって弟、妹を曇らせるのもさ。いけませんよね。ね、メトラン母様。


「……そんな事は無いわ。寧ろ、貴方達が居た方が早めに怪我も治るってものよ」

「え? でも……」

「いい? 病はね、気が弱ってると余計に悪くなるのよ。貴方達が居た方が私も元気が出るし、元気が出れば病気も治るってもの!」


 日本古来の病は気から理論だ。正しいかは知らん。大切なのは、今、目の前にいるこの不安を晴らすだけの説得力があるか、である。


「だから……貴方達が居てくれた方が良いの。ほら。こっち来なさいな」

「え、は、はい……わわっ!?」


 近寄ってきた所を……よっし、捕まえた。いきなり腕を掴まれて目を白黒させているところ悪いが、残念ながらコレだけでは終わらんからもっと目を白黒させてくれたまへ。


「えっと、メタリア姉さん……どうして、その……」

「どうしてって? にゅふふふふ……こうするからよ! ほらぁっ!」


 確保ォ! 呆然としてる暇はないぞオラァ! オラオラオラオラ!


「――っ!? ね、姉さっふぁわっわわわわっわわわわわ!?」

「可愛い可愛い我が弟! 健気な心配までしちゃって! ホラ! この愛しい心を貴方にお裾分けしてあげる! 逃がさないわよぉ!」


 今までの苦手意識を振り払う為にも、一切の情け容赦はかけずに可愛がる! 撫でる! もふる! わが心にアレウスへの愛のみを注ぎ込むんだ……! 他に何も考えるなよぉ……


「貴方が居るだけで、私は大丈夫なの。だから心配しなくてもダイジョブよ」

「……ほぁい」


 うーん? なんか顔真っ赤にして魂抜けた見たくなってるけど。もしかして恥ずかしかったのか!? しまった、やり過ぎたか!? く、私というモノは自重を知らん、兎に角開放した方が!


「――離さないでください」

「へっ?」


 ……うん!? 何ッ!? しがみ付かれたんだけど!? そして私が手を放そうとした直後のその動きって何事!? 偶然!? いや偶然じゃなかったら反応速度異常でしょ幾らなんでもさ。


「もふ……姉さん……もふもふ」

「あ、うん。そんなに撫でて貰いたいならいくらでも撫でるけど……」

「お姉さま私もー! 私も撫でてー!」


 あ、ちょっとアメリアどこから飛んできてまさかの背後……!? あっ待って首が極まってぐぇえっ!? 限界限界! 折れる折れるってぇ……!?


ガールズラブ要素を入れようとする→めっちゃこだわる→一応ギャグに重きを置いてるのだがそれが消えそうになるマズイ→書 け な い

上手い人だと両立できるのかな……無念。

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