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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
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捕まってたお人が一番が主人公っぽい? 気のせいです。

 これだよ。現代人キレやすいって言われる原因はよ。あんだけさ、突っ込んだら敵呼ばれるって言ってんのにさ。アホちゃう?


「め、メタリア」

「お母様申し訳ありませんお叱りは後でお願いしますなんでもしますから!」


 結果的に紐に手を伸ばす余裕すら無くなったけど、でもさ、もうちょい思慮深くできないもんかね、お前は直情一直線のイノシシか、いや、雑食類人猿だしゴリラか……フフ、やっちまったもんはしゃあない、過去を振り返っても何も残らん、先を見よう、うん。


「ロイ、お母様の縄を!」

「は……はい! こ、これはお嬢様を諫めるべき場面なのだろうか……!?」


 そんな事しなくてもええわ、時間がもったいない。やっちまったもん勝ちだし謝って済む問題じゃないだろ! っていうか向こうがどの立場だろうと勝てば官軍だ!


「アメリア!」

「……あっ、はい!」


 何をホケっと突っ立っとんじゃい、お前のおっかさんを救うんだよぉ!


「アメリア、どうしてここに」

「おかあさまたちをたすけにいくって、おねえさまが。わたし、みてるだけなんて、できなかったの」


 おっと待ってくれその証言は私に効くああああああお願いだから待ってお母様の方から重苦しい威圧感がぁあああ許してお母様私はただ未来に続く道を繋げようとアヒンお目目がこわぁい……


「メタリア」

「ぴぃ」

「貴方の言う通り、お説教は後です……短い時間で済む分量ではありませんので……覚悟、しておきなさい。分かりましたね?」

「いぇす、まむ」


 これだから勢い任せはダメなんだよ、先を切り開くならその先の事も考えなさいよ……私は明日の朝日を拝めるのだろうか、どこぞのボクサーじみた結末には乞うご期待したくない。


「それと、貴方はたしか……昼間指導した新人、ですね」

「……はい」


 あっ、これは。


「メタリアの無茶に付き合う忠義、そしてここまでの勇猛、若いなりに見事と言いたいところですが、そもそもメタリアを諌めなかった時点で同罪です、覚悟なさい」

「……承知しております」


 ま、まるで裏切りの騎士が王に裁かれる直前の様な悲壮な顔してやがる……すまんロイ君、何らかの埋め合わせはするから許してちょ。


「……良し、これで」

「ふぅ……聊か窮屈でしたからね、ありがとう」


 そうこうしているうちにお母様解放。つづいてメトランさん解放。悪役令嬢フラグを一つへし折ったと思われるぞ……うん、今まで忘れたけど、元はそこよね。


「奥様、この後は如何しましょうか」

「勿論、我が家に凱旋します……そのカットラスを!」


 声が鋭い。今まで捕まってたとは思えぬほどお元気。こんな所でもお母様素敵。


「しかし、こんな粗品では……」

「武器を選んで何が武人ですか。刃が潰されていようと、あの程度の輩に後れなど取りません、さ、早くなさい」

「しょ、承知しました」


 ロイ君、余りの迫力にダッシュでカットラス回収。そして献上。お母様、それを一瞥すらせず柄をキャッチ! そして素振り。


「……ふむ、意外にも手入れはされているようですね」

「はえー……」


 音ヤバい。ピュン、とか、シュパ、じゃなくて、しない。無音だもん。サイレントの方が逆に怖くない? 私は放心するくらい怖いけどでもさす母しちゃう。


「整ったわね……では」


 さて、ここまで来れば後はこっそり脱出するだけだ、音を立てないように……あれ? お母様、足を上げて一体何をなさってっていうかその先には鳴子がぁああああっ!?


「ふん」

「奥様ぁっ!?」


 いったぁあああああああああっ!? ふんづけちゃったあぁああああっ!?


「さて、少し待ちましょうか」

「奥様何をなさっているんですかお嬢様と同じ異常思考なんですかいけませんよこのままでは誘拐犯共が群れを成してこの坑道にっ!?」


 ロイ君が慌ててる。気持ちは良く分かる。いやもうどうしてそんなことしたんお母様。事故とかじゃなくて完全確信犯で鳴子踏んだよね、頭急に沸騰したの? 反省して? あとロイ君流れるような罵倒は聞き逃してねーぞ。


「問題ありません」

「いやありますよこれぇ!?」

「いいえ、ありません。むしろ、ここでなくては不味いのです」


 ここでなくちゃマズイって何ですか、ここ袋小路っすよ!?

 あぁなんか凄い足音が聞こえて来た。団体さんだ。ヤバいよ、私達だけでどうにかできるもんじゃないでしょこれえ!?


「メトランさん、子供達を連れて奥へ」

「分かりました」


 ちょ、メトランさん待って、そんな急に連れて行かないで。私状況が一切読み取れてないの。俵抱きして持ってかないで。あぁお母様が、明かり見えた。来る、お母様が大勢にボコボコにされるぅ!?


「お母様、お母様!?」


 一人一人ならまだしも、大勢は無理だってぇ……あれ、ちょい待て? そう言えばここって坑道の突き当りだよな。袋小路。


「くそ、やられた! このまま人質がうあばりえ?」


 ……カトラス一閃。誘拐犯チームの先頭の奴の顔が真一文字にカット。うわ、痛そう。そして音も無く倒れ伏して後頭部強打。うわぁ、さらに痛そう。


「駄目だ、解放されてる! クッソ……ダメだ、ここじゃ取り押さえらんねぇぞ!?」


 そっか。そうか、そりゃそうだ。坑道なんて、基本的に人一人、最大二人くらいしか通れない位道は狭い。向こうだって、どうしても二列か一列位になるしかない。


「一対一が連続で続く、そうなれば如何な精兵とて、物の数にあらず。ここで有れば私は道を塞ぐ壁になり、相手を切り伏せる剣にもなる」


 そして、お母様がそんな状況で……遅れなんて取るはずがないじゃん! うっわすご、常在戦場で当意即妙なナイス判断じゃん! お母様凄い!


「……脱出するにも、少しくらい数を減らした方が良いでしょう。さ、かかってらっしゃい」


この小説には主人公の上位互換が常に傍にいるという事実を書いてみました。

別名さす母回。

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