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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
間章:技のゴリラ初等期・休暇
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さぁ、姉ぶって実力見せる時よ

 ……結局朝から特に何か出来た訳でも無く。朝食時、食後のティータイムとまぁ綺麗になんにも出来ず時間は過ぎたでござい。ははっ、無力だなぁオイ私。笑えよジャーニー。


「……次、次を考えましょう。過ぎた事に拘るのは愚者の証明だって誰かが言ってた気がするわ。誰が言ってたかもサッパリ覚えちゃいないけど」

「凄まじく頼りにならない名言だなそれは。まぁ正論ではあるが……?」


 さて、何をしようか……演技で誤魔化すのは問題外だった。というか私の意思が雑魚以下だったせいで悲惨な事態を迎えた訳だが。やっぱりお姉ちゃん凄いと、実力で思わせるしかないだろうか。


「私が実力をバッチリ生かせるとしたら……投石、演技に、後は……」

「女性らしい特技が一切ないな。逆に感心する。縫い物などは出来ないのか?」

「残念ながらそっちの方はあんまり。縫おうとしたら逆に布を悲惨な状態でお返しする事になるわ。先生が、無言で首を振るぐらい」

「成程、逆に暖かいものを見る目で見られて悲惨な終わりを迎えるな」


 おう言ってくれるな泣くぞわたしゃ。ったく、こんな事だったら女の子らしい特技の一つでも身に着けておくべきだったか? でも私が女の子らしい事してるとか、マジで想像も出来んし……なんなら同じ女に鼻で笑われるレベルだろうな。出来たとしても。


「――だが、それが逆に幸運でもあったな」

「幸運?」

「男勝りだからな、お前は。弟と趣味が合うかもしれない。上手い事手本を見せたりすれば……より尊敬してもらいやすくなるかもしれない」


 ……なるほどね。縫い物とか、料理とか。男の子向けじゃない趣味で尊敬してもらおうとしても難しいけど、彼らでも楽しめるような趣味であれば。


「女らしい趣味じゃなくて、確かに幸運だったけど。まぁアレウスと趣味が合うかは別問題だけど……あの子、何が好きなのかねぇ。サッパリポン」

「お前それでも姉か? ちゃんと弟の好みくらい把握しておけ」

「あの子が何を好きでも、別に気にならない位にはあの子が好きだからね。例えば頭蓋骨を集めるのが趣味だったら……そうね。まぁ、そういう所から拾ってくるくらいは、するかな。うん」


 ないだろうけど。アレウスは基本的にいい子だしねぇ。そんな酷い趣味持つようなトラウマとかも無いだろうし……ってんん? どした。そんなこっち見て。


「……なんか顔についてたりした? 食事のカスかなんかついてたかな」

「いや。何でもない。ただお前も中々の物だと思っただけだ」


 どう意味だそれは……


「まぁ、今は考えなくていいだろう。今はアレウスと合う趣味がないか考えてみろ」

「そう言ったってねぇ……」


 アレウスと私じゃ共通する趣味なんてないと思うんだよなぁ。性格も何もかも違う訳だしなぁ。うーん、趣味じゃなくても、共通で楽しめる話題……ん?


「……あるかもしれないわ。そういうの」




 大公家はまぁそれなりの広い土地に邸宅を構えている。近くに原っぱもある。嘗てお父様に連れられ、良く遠乗りに行ったのを思い出す。それを応用する時が来ようとは思ってもみなかったが。


「さて、大公殿の自慢の名馬、楽しませてもらうとしようか」

「シュレク様~、落ちないように気を付けてくださいね~! ほら、お姉さまも応援して差し上げないと!」


 いや、そいつが馬から落馬するとか想像も出来んわ。落下すると見せかけて、華麗に着地してからのバァーンッ! って感じのキメ顔なら余裕で想像もつくがな。カカカカ。いや此奴のキメ顔違和感しかないなぁ。


「……さて」


 お父様にお願いして実現した、乗馬レクリエーション。此度、コレを行った理由でございますが……当然ながら、隣にいるアレウスへのアピールである。


「ね、姉さん。大丈夫なんですか? 小さい種の馬とは言え……」

「貴族の淑女は乗馬をこなしてこそよ。まぁ、貴方が将来乗る時の参考だと思ってみておきなさい……あぁ、最初っから普通に乗馬できてる彼奴みたいなチートは別ね」


 今日初乗りとか吹かしといてふっつうに乗りこなしてやんの。幾ら子供の体格でも乗れるようなタイプとはいえね。そんな、おお、意外にも難しくないなとか。舐めてんだろ。


「凄いですねお姉さま! シュレク王子、取っても堂々としてらっしゃいます!」

「そーねー……ま、見てるだけでもいかんし、私も行くとしますか」


 で、私が乗る用の馬だけど……いや、確かに小柄なんだけども。鼻息荒くないですか。バフバフ言ってませんか。本当に初心者が乗る馬ですかあれ。


「……ねぇ、あの馬っていったい何処から?」

「あぁ、お嬢様。この馬、実は先日迷い込んできまして……仔馬なんですが、酷く大人しい割には山肌をかける馬力があって、旦那様が『ぜひ娘の馬に』と引き取ったんですけども、お嬢様を見た途端に、この、興奮しようで!」


 ……要するに私とお目見えするまで完璧に猫を被ってらしたという事か。ふーん確かに賢いじゃねぇかじゃあなんで私を視認した途端に本気出した?


「こ、この、ゴフゴフいうんじゃねぇ、落ち着け、どうした!?」

「大丈夫なの?」

「いやぁ、賢い馬なんで、そんな問題は無いと思うんですけどねぇ……!?」


 疑問形じゃねぇか。私が来るまではそんな大人しくしていた辺り、賢くないとは思わねぇけど、それ狡賢い方向の賢さじゃないか? え?


「……とはいえ、今退くのは問題外ね。よし、やるわよ」


 ここで退けば尊敬されるどころではない。乗馬を先に出来るようになって、かっこいいお姉ちゃんとしての姿見せてやる。


お馬さんて賢い動物らしいですね。

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