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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
間章:技のゴリラ初等期・休暇
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お父様に挽回の機会を

「シュレク王子、この度はご心配をおかけして大変に申し訳なく……!」

「そこまで気にする事ではないと思います。大公殿。頭を上げてください」


 えー先ほど聴取がようやく終わり、問題なしと解放されたお父様。その直後に夕食と言う、なんとも完璧なタイミングではないだろうか。


「貴方、一刻も早く代わりの像を注文を。目途が立ち次第すべて破壊するので」

「あぁ、それは分かっているんだが……彼も正気に戻るのがどれくらいかかるか」

「……それ、どういう意味です?」

「私が彫刻を習っている間に、いつの間にか彼もそっち方向に傾倒したらしく……」


 ……なんか聞いちゃいけない衝撃の事実でお母様が天を仰いでいるけど気にしないようにしよう! うん!


「お母様、そっち方向って何でしょう」

「……あの悪魔の石像が亡くなるのは大分先になりそうねぇ……ふぅ」


 メトラン母様も思わず苦笑いとため息。気持ちはお察しいたします。っていうかそこまで熱中してたんかお父様。余程だぞ、素人がプロに影響与えるって。


「……食事だけが私の心を優しく癒してくれる」

「姉さん、どうしたんですかそんな落ち込んだ顔して……なにか」

「いえ、何でもないわ大丈夫よ」


 あぶねぇ、隙を見せたら覚醒のタガが緩むとかどんな鬼畜仕様? どうして姉と接するのにそんな覚悟を……あ、今日の夕食のメニューは……まぁ、なんと言えばいいのかも分からんフルコースにございます。っていうかウチの飯って大抵それだし。


「それでえっと……兄さん、今回はいつまでご滞在で?」

「アレウス! まだ婚約はしてないのだから違うだろう!」

「あ、すいません父さん……」


 うん。その呼び方はやめてやって欲しい。もう速攻でシュレクが異次元へと旅立ってしまった。こういう状況に慣れていない証拠だ……大丈夫だシュレク、私が付いてる!


「あ、そうしたら姉さん! 後どれくらいで正式なご夫婦に!」

「その辺りは遠すぎる未来だから取り合えずアレウスはご飯食べてなさいね!」

「もがもが……パンおいしい!」

「え? マジ……うわウマ、何だこのパン。いつもと違ってふかふか重視だ」


 こうして面倒を封じ、私のペースに持っていくには取り合えずゴリ圧すのが正解だ。相手にペースを奪われると、マジで一直線に転がり落ちるとかザラなので。


「こらアレウス、メタリア、行儀が悪いぞ」

「あ、ごめんなさい」

「すいません、父さん」

「それに、王子の前なのだ。いつも以上に気を付けなさい……まぁ、かといって必要以上に畏まる事も無いとは思うが。まぁ、節度を考えなさいという事だ」


 ……まぁ私と此奴の間に節度、そこまで必要だとは思えないけど。まぁ婚約者としての節度っていうならそりゃあ、ある程度は。


「――うむ、食事の場では節度が要る。詳しい話をするにはやはり自室が一番だな」

「まぁ、そうね」

「メタリア、そう言う訳だ。食事終わり、お前の部屋に行くから、準備を頼む」

「はいはい……護衛と、後紅茶の一つでも用意していればいいかしら?」


 そしてこの状況を利用して……自然に私と一緒になれる機会を作る。私としても、まぁ話をしたかった所なので。まぁ食事後が良いんじゃないかという事で。で、問題は誰かが一緒に入りたがるかもしれない……まぁ、ちびっ子メンバーとか。


「えっ!」

「わわ……!」


 ふふ、予想通りだ。このアダルティな雰囲気(当社比)な雰囲気に圧されているな。ここに割り込む勇気があるか!? 若しくはそれほどまでに空気読めないか!? ふふ、いい子な君達にはどちらも不可能だろう……!


「あらあら、まぁ……」

「……えっ、あ、はえ……? うん? ううん? め、メタリア一体何を」

「落ち着きなさい貴方は……はぁ、全く」


 お母様お二方は良い。お父様の動揺の仕方が酷過ぎる。え、何。別に婚約者って事なんだしこれくらいは別に。なんでそんな動揺してんの。


「る、ルシエラ。落ち着けって、無理だろう。きゅ、急に娘が……」

「いいから。落ち着きなさい。娘の成長を祝福するのも親でしょうに」

「いや祝福できる範囲を超えてるんだよ……段階を色々と消し飛ばしてないか?」

「兎に角落ち着きなさい。貴方の方が見苦しいわよ」


 あ、お父様が沈んだ……お母様の言葉のナイフ効き過ぎやしませんかね。もうちょっと心に余裕を持とうよお父様。




 結局最後までお父様は挙動不審。お母様に窘められて復帰するという事を繰り返していた。そして最後にはお母様の当身で気絶させられていた。


「……最後、ワインが口元から漏れていたのは正直ちょっと怖かった」

「飲めてないし、何なら顔色悪くなってたものね……さ、行くよ」


 とはいえもう誰も私たちの間には割り込めない……コレから話すのは大公と王家のスキャンダラスな内容だ。私達二人オンリーで話すのが一番だろうし。


「――メタリア」

「……?」


 あれ、お母様だけ残って、どしたんだろ。


「もう少し言い方を考えなさい。何を話したいのかは知りませんが、密会をしたいのであればもう少しやり方を考える事。いいですね? 全く。それでは下策ですよ。」


 ……うっそーん。え、私何かしくじったかなぁ……いや、特に何もないはずだけど。

 あ、行っちゃった。


「どうして気づけたんだ……?」

「わがんにゃい」


 まぁ、お母様だし、としか言えない。


あげたいけど、中々出来ないですね。

家族と居ない時だと、幾らでもシリアスでカッコ良く出来るんですけど。

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