表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
二章:技のゴリラ初等期
244/324

イケメン従者とフラグのお嬢様

「……ロイ」

「何か聞こえた気が……お嬢様。どうなされたのですか!?」

「な、なんでも、ないわ……えぇ」

「何でもないなど、そんな見え透いた嘘を付かれないでください、そんなに涙を流されているというのに……何がございましたら、私に、お話しください」


 ……あぁ、ちくしょう。こんなくらいのに、あっさり、みやぶるなんて。なみだのひとつくらい、みのがしてもいいでしょうに。


「あぁ、こんなに涙を流されて、恐ろしい夢でも見られたのですか、お嬢様」

「ほ、ほんとうに、なんでもないわ。だいじょうぶ。わたしもはやく、ねるから、あなたもあした、むりのないように、はやめ、に」

「……ご無礼、お許しください!」


 わぷっ!?


「ろ、ろい」

「感情が上手く御せないのでしょう。こういう時は、思いっきり泣くに限ります。理由は、その後でも構いません……さ、ご遠慮なさらず。声は、私が遮ります」


 ……そういう、もんだいじゃ、ないけど。でも……あったかいな。こうやって。ギュってされると……あぁ、もうがまんできないなぁ。


「……っく、うく、あぁぁ……」

「……」


 ちくしょう、ひさしぶりだわ。こんなふうになくなんてさ。こどもみたいに。




 ……あー、あー畜生。くっそー……凄く楽になったけどさ、あんなさ、もう子供っていうか赤ちゃんレベルでさぁ……いや、声は抑えたけども、でも、こんな大人の腕の中でとかねホント……あぁあああ~!


「……恥ずかしい」

「お嬢様はまだまだ幼い盛りです。嫌な事があれば涙の一つや二つ、流すのも当然です。その様に恥ずかしがる必要はございませんよ」

「幼い、ってもう学び舎に入る年齢よ……? 赤ん坊みたいに泣くなんて駄目でしょう」


 そもそも精神年齢はもういい年のおばさんだからね……切られたとか、暴行されたとか実際の被害を受けてる訳でも無いっていうのに、被害受けた想像しただけでビビりあがって泣くとか、情けなさすぎない? 私。


「いいえ、あの様にショックな事があれば、それも仕方ないかと……あの従者の殺意は今までにない程に本物でしたし。恐らくは、それでしょう?」


 そして見抜かれてるし……一言も言ってないんですけれど、なんで私が泣いてたか。ロイ君、何処ぞのCSIにでも所属したら多分結構いい感じの成果を上げるんじゃないかなぁ。


「何で見抜かれたのか、ですかね? 怖がっているのが、良く分かりましたから。そこから理由を逆算すれば、まぁある程度は。難しくないですよ」

「……一応鉄面皮を維持している積りなのだけれど、もしかして崩れてる?」

「恐らくは一度泣いてしまった事で、緊張感が解れてしまったのでしょう。今のお嬢様はご実家にいらっしゃった時に戻っていらっしゃいます」


 あっそうですか……そりゃあ怖がってるのも丸わかりにもなるわなぁ。


「全く、あの従者を余計に許しがたくなりましたな。お嬢様に涙を流させるなど、万死に価する大罪です」

「そ、そこまででも無いわよ?」

「いいえ、そこまで、です。全く。キッチリと裁きを受けてもらわねば、腹の虫が収まらない……私が叩き込めたのは一刀ばかりですから、苛立ちも全く晴れませんが」


 わあ顔がおっそろしい……この分じゃなんで切られたのにビビっちゃったか、切欠はまぁ言えないな……言ったらどうなるか想像もできないし、想像もしたくもない。


「ところで……先ほどまでは平気だったのですから切欠があった筈ですね、お嬢様。襲われた時の事を……思い出す、切欠が」

「……ナンノコトカシラネ~?」


 あのすいません一瞬でその辺りまで思考を及ばすとか流石ですね。私が選んだ従者だけはあるわ~……言ってる場合か畜生!


「お嬢様。私には思い当たる事柄が一つあるんですよ。状況から、類推するのは容易い理由が一つだけ。先ほど、私とお嬢様が話していた時に、その話題が出た気がするのですよ」

「ひえっ」


 やーん流石ロイ君名探偵ですわね~!? あぁ笑ってるけど瞳が笑っていない。


「お嬢様、先ほど諦める、と言ってくださいましたよね?」

「……本当にごめんなさい」

「……はぁ、お嬢様の破天荒さ加減は分かっている積りですが。もう少しで宜しいのでそれを抑えていただけると、私としてもありがたいのですが」


 た、ため息つかれた……想像こそしてたが、ロイ君に呆れられるって、相当辛い。


「でももう、本気で諦めるわ……ちょっと想像しただけでこれだもの。実際に逢ったらどうなるか……分からない」

「その方が宜しいかと。何故彼奴に逢うのかは皆目見当もつきませぬが……雇うのであれ何か聞くつもりだったのであれ、アレには近寄らないのが吉です」


 私にとっても、ロイ君にとっても、か……仕方ない。多分、このタイミングが彼に逢う最後のチャンスだったんだろうけど。はぁ、今回は本当に縁が無かったという事で諦めるしかないかなぁ。


「……まぁ、向こうから近寄ってこない限りは、近寄らないわよ」

「良かった。要するにアレとは絶対に逢わないと言ってくださったようなものですから」

「えぇ、その通り」


 だって彼捕まってるし……万が一脱出でもしたら話は違うだろうけど、まぁないでしょそんな事。


まぁ、展開は読めますよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 一級フラグ建築士の朝は早い...〜素人は黙っとれ〜(サブタイ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ