表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
22/324

妹と我が家を……案内、出来た?

「あの、おかあさま、は」

「わたしのおとうさまたちと、おはなしにいっただけ」


 主に私と貴女の事についてな! ギッスギスもお通夜も母上様の性格的にまずあり得ないが、結局の所空気が面倒臭いので関わり合いをスルーしてアメリアに、屋敷の案内を買って出てみたぜ! 後はご両親に任せて、お嬢様は去るのである。


「フフッ、そうしんぱいせずともへいきよアメリア。それより、もうすこしむねをはってあるきなさいな、ここは、あなたのだいにのいえなのよ?」

「い、いえ! あの、わたし、きゅうにおかあさまにはなしをきいて、その、なにがどうなっているのか、わからなくて。わたし、いまもここにいていいのかって」

「いていいのか? そんなことをしんぱいするひつようはないわ、あなたはここにいてとうぜん、そのくらいにおもいなさないな。あなたはわたしのいもうと、このいえのだれも、あなたにひどいことなんていわないわ」


 ふふ、さっきの挨拶があまりにノーマルで面白くもなくカッコよくもなく。紙より薄っぺらい印象しか与えられていない。紙より薄っぺらいとかもう印象は無いまである……つまり印象は白紙、つまり露骨にカッコつければそれで色づくはず。不敵な笑みとか浮かべちゃってさ、頼りになるお姉様的なムーヴ見せつけてやる。


「ところで、どうしてさきほどから、その、すこしゆるんだおかおを……」

「きにしないでよいわ、さじよ」

「は、はぁ」


 とか思考して内心カッコつけてるつもりでいたけど、うん。まあ、カッコつけるのに慣れてなんて無いし、不敵な笑みなんて知らんからニヤけるのが関の山みたいだよね、アメリアちゃん気を遣ってくれて大分マイルドに言ってくれてるけど。


「さ、どこにいきたい? あなたのいきたいところにいきましょう!」

「あ……」

「さ! おねえさまに、なんでもいいなさいな!」

とりあえず無理やり手なんてつかんで引っ張ってみる。ふふ、お姉ちゃんの力に屈するが良いわ!

「えっと、じゃあ……まず、メタ……えっと、お、おねえさま、のへやに、いきたい、です……」


 あ、かわ……………………ゴベェ!? し、心情風景内で思わず吐血とは……!

 お姉様呼びに、上目遣い、そして幼女の無垢さに、若干の不安げな感情が、丁度良く混じって、実に、実に……可愛らしい! ち、畜生、流石主人公、こんな必殺技を隠し持ってやがったとは!


「よろしい、でしょうか」

「よろしいデスワ〜! 私にまっかせなさぁ〜イ!」

「きゃっ!?」


 思わず天に拳を掲げて、我が生涯に一片の悔いなし。あ、いや、命とかはバリバリ惜しいけどさ。


「あの、おねえさま?」

「さぁさぁさぁさぁいきますわよ走りますよ全力ダッシュでゴーゴーですわー!」

「おねえさまぁ!? あっ、あぁぁああああ!?」


 さあ、我が家の最果てまで駆け抜ける時ぞ、妹よ、我が背に続けい! ワッハッハッハッハッハッハッ!




「ご、ごひゅぅ……ぜひ、ぜひゃぁ」

「お、おねえさま、だいじょぶですか?」


 だからバリバリの体育会系でも無いんだから無理をするなって言ってんだろうが、バカか私は? もう体力限界になって肺に地獄みたいな感覚走ってるぞ。自業自得ってこういうこと言うんやで?


「へ、やぁ……そ、コォ」

「え……あ、もしかして、ここですか?」


 二階の奥。そこが私の部屋になる。私が諸々叫んで気狂い染みた動きをしても怪しまれない理由の一つだったりする。日当たりもいいし、結構いい部屋もらったと思う。


「わかりました、メ……いえおねえさま。つかまっててくださいね」

「ゲホッ、ゲッホ、ごふ」


 しっかりと私を支えてくれるアメリアが力強くて、逆に自分が情けなく見えてきて、うっ、くそ、なんか涙……お前年上だろう、もう少しなんとかならんかったんか、なりませんでした、申し訳ない。


「おねえさま!? どうなされたんですかなみだめですよ!?」

「なんか、こころが、つらくて」

「そ、そうですか……いま、とびらをあけますね」


 色々あるんだよ。チート転生者……いや、ただの転生者にはね、うん。それでも優しいアメリアちゃん尊い。とは言え、いきなり「お前大公家やで」とかおかんから明かされてここまで連れてこられて、それでも私の事を姉と呼ぶ。もしかして結構図太かったり?


「よい、しょ……わぁ、すごいおへや」

「へへ……すごい、でしょ」


 いやまあ、一般ピープルのアメリアのお部屋と比べてしょぼかったら名ばかり大公とか呼ばれそうだし、そしたら大公家のブランドとか色々あかんから、そりゃ凄いと言われなマズいけど。

 あ、でもこういうのが積み重なった結果断罪に至るのかな……少し、部屋の模様替えしようかな。


「とりあえず、ベッドに……」

「あ、はい」


 まあそれはまた今度だ……あぁ、ふかふかベッド気持ちいい……はしゃぎすぎたからこんなヘトヘトに。まあ若いから直ぐに回復するとは思うけどさ。


「そこらへんでくつろいでて、しばらく、わたしはやすむわぁ……」

「えっ、あの」

「あんないできなくてごめんなさいね……だいじょぶ、すぐふっかつするから……」


 いやほんとスマン、ほんの少し待っててなぁ……あぁしかし、とりあえず、今日という日は無事乗り越えられそうだ……




「メタリアさま! おかあさまが、メタリアさまのおかあさまも!」

 ヴェッ!? なんで泣いてん!?


主人公は割と可愛いもの好き。こんな所しか女の子っぽい所ない……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ