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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
二章:技のゴリラ初等期
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お手紙よ、どこまでも届け!

 しっかし、ヘリメルちゃんの意外なパワフルさが垣間見えたなぁ……なんかいろんな事を相談したくなるような力強さ、あれ、トゥンクしちゃう……


「まぁそんなどうすればいいか分からないトゥンクは置いておくとして……ロイ」

「トゥン……? あ、はっ、はい。お嬢様」

「向こうの従者と何があったの。ホント。私あの時なんで首刎ねられてないんだろうって思うくらいに空気悪かったじゃない……」


 そうだよ。ぶっちゃけ、諸々の原因は私の心臓がノミレベルなのが悪いが、しかしそれにしてもあんなにバチバチしてられたらノミの心臓どころかライオンハートでも欽ちゃん走りで逃げ出すってもんよ。


「……少しばかり、話したのですが、非常にソリが合わず……」

「そ、そんなレベルじゃないと思うんだけど……流石に苦しい言い訳が過ぎるわよ」


 ソリが合わないだけであんな険悪になってたらこの世は修羅の巷になるわよ……ファラリスと私だってソリが合わないけど、あんな殺意をまき散らしまくって……もはや殺意でぶん殴り合うような状態になんてならんでしょ。


「……」

「言いたくない?」

「……申し訳ありません、いかにお嬢様とはいえ……いいえ、いいえ。我が主人であるお嬢様だからこそ出来れば……お話ししたくはない、と……」


 ふーむ……私にみたいな小娘にも最大限敬意を払ってくれるナチュラルボーンナイトなロイくんが、そこまで言うかー。そっかぁー。


「……そう。なら仕方ないわ。貴方がそこまで言うのであれば、深くは聞かない」

「……宜しいのですか?」

「えぇ。貴方がそうと判断したのであれば、それは間違いもなく正しいのでしょう」


 私みたいなクソガキよりもバリメチャ優秀ナイトのロイくんの方が信頼が置けるでしょう。ぶっちゃけ私、自分の判断よりロイくんの判断を優先することあるし?


「私にとって、貴方の言葉は金よりも重い。その貴方が聞いて欲しくない、と言うのであれば、一切の疑いなく、私は貴方を信頼しましょう」

「……ありがたき、お言葉……痛み入ります。お嬢様」


 ふっ、ちょっとカッコつけてしまった……でも実際そう思ってることしか言っとらんし後悔もない……ただ、約束して欲しいのだが。


「これからはあまりバチバチするのは止してね……流石に私としてもあれを四六時中やられたら本当に……いつか胃の内容物全部吐き出して崩れ落ちるから」

「ゲロッ!? そ、そのような惨事をお嬢様にさせるわけには参りません! 粉骨砕身努めさせて頂きます!」


 ホント……女の子に学校でリバースはさせないでお願い。ホント、辛くて泣いてしまうから。実際、今日みたいなパニックだけで済む保証なんて、どこにもないのだから……




 そろそろ寝る時間だが、今日は一工夫! ……じゃなくて一作業。


「さーて……そろそろ、書いてみようかしら」


 書く話題も増えたしねー……うん。プラスもマイナスもタップリ満タン。アメリアとアレウス、お父様にお母様方お二人、爺にも。


「聞いて欲しいと言うか……まぁ、いいか。とりあえずファラリスとの事は簡単にぼかして書くとして……まずは、個性的な寮長様の事から、かな」


 しっかし、羽ペンが普通かと思ったらバリッバリ万年筆なのも、この世界でびっくりしたのの一つよねぇ。なんていうか、冶金技術が凄いしっかりしてると思う。


「……『緑萌え、命喜ぶ温もりの季節。皆様、いかがお過ごしでしょうか。メタリア・ホルク・オースデルクです。初めての寮暮らし、なんとか慣れて参りまして。落ち着ける頃合いとなったので、筆を取らせて頂きます』……ふふ、アメリアのお手紙作戦で、こういう儀礼的な書き方ならできるようになったんだ、私も成長している」


 とはいえこれ書くのになんと三分近くかかってるから、苦手なのに変わりないよねぇ。


「しっかし、振り返ると濃い数日間だった……もう既に家に帰って癒されたくなるくらい」


 寮長がオカマさんから始まり、私に挑みかかってくる女の子がいて、その子にド派手に張り合って。でもって若干パニクってる所から親友と一緒のクラスになり、そのクラスで新しいお友達が出来、攻略対象と再会、そして新たに遭遇……


「待ってくれ、前半だけで出来事が盛り沢山なんだが……怖いなぁ、やっぱり私って厄災を引き寄せる体質なんだろうか……イヤイヤ」


 もうやめよう。思い出すのは。書いてる時に思い出すだけにしよう。本当に。


「精神によろしくない……」


 しかし、それでもこの生活は悪くないと思ってしまうのも事実なんよね。静かに暮らすのもいいけれど、活発に過ごすのも大好きだ。


「お通夜みたいな空気で学校生活したら、頭おかしくなるしねぇ……」


 っと、書くのを忘れちゃいかん……再開再開……さーて、どこまで書いたっけかな。あぁそうだ、シュレクと再会した辺りまでは書いたっけか。


「……これからは彼奴とも連携を密にしていかないとなぁ」


 彼奴の協力なしじゃ、ファラリスとの仲の改善なんて思いつかなかったし。


「……あれっ? 私思考がちょっと物騒になってきてる? 悪役令嬢化してきてる?」


 うあ、自覚してないけど学校に来て予想以上に余裕がなくなって来てたのか、結構トゲトゲとして来てしまっている……家では想像の遥か上で癒されてたんだなぁ……


「アメリアとアレウスを虐めるようなクソのようなムーブだけはするわけにはいかん」


 姉として、気を引き締めていかねば……あ、文字の跳ねミスった……


弟と妹への連絡を忘れない姉の……いえ、これくらいは普通ですね。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 寮長がオカマさんから始まり、私に挑みかかってくる女の子がいて、その子にド派手に張り合って。 →リビドアは女性であると明言されており、オカマ描写は一度もない
[一言] ゲロって言うなw
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