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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
二章:技のゴリラ初等期
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ヘリメルちゃんの良し悪しこと

幕間の続きは、明日、投稿します。

 しかし、こうずっと勉強してると……


「……ヘリメル」

「あ、なんでしょう……も、もしかしてまた間違ったところでもありました!?」


 いや、そんな事はないんだが……あ、いや。ちょいと待ちなさいな。あ、うん大嘘ついたわ。うん。しっかり間違えちゃってるわね、これ。


「こっから……えっと、ここが起点見たいね、ここに引きずられて一気にボロボロと」

「えっ、あぁああああ本当だぁああ!?」


 悲鳴が本当に哀しい。驚愕と切なさが絶妙にマッチしてる感じだ。気持ちはわかってしまうが……あぁ、論文の理論の元としていた部分に致命的な勘違いがあって、それが最後の最後に発覚したあの頃を思い出す。


「うぅ、どうしてこんな小さなミスを……気をつけていた筈なのにぃ」

「結構根を詰めていたからね……仕方ないと言えば仕方ないわ。って、そうじゃなくて」


 話題がずれた。まぁ女子同士の会話なんてそんなもんだけど、さ。とは言え、私の目的だけじゃなくて、貴族の息女としての義務も果たさないといかんし。後、勉強ばっかりで若干疲れました。はい。


「ヘリメルの事、結局あんまり聴けてないわ、と思ったの。出会いが出会いだったし名前が分かって、貴女が良い子だっていうのが分かっただけで良いとか思ってたけど、それ人としてダメだって今更……ね」

「……あ、そう言えばそうですね」


 いやマジで今更だけどさ。


「という事で。まぁ、勉強しながらで良いから、少しでも、と思いまして」

「私のことで宜しければ……私としては、メタリア様の事を聞きたいと思ったり、です」

「私のことはどうでもよろしいのです。所詮塵芥ですし。中身塵屑ですわ」

「いや、大公のご令嬢がそれでしたら私は一体なんになるんでしょうか……?」


 うーん……宝石? ダイヤモンド? 黄金?


「少なくとも、私より数千倍輝きを持っていると思うわ、ヘリメル」

「すうせっ!?」


 いや本当。凄いよ、恐ろしいよ、若い輝きって。本当宝石っていうかそのレベル。


「あ、あのっ」

「まぁそんな当然の事はどうでも良いの。まずは貴女のことを聞かせてほしいわ」

「と、とうぜっ!? あ、あのベスティアーゼさん! メタリア様って、いつもこんな感じでお話されるんですか!?」


 え、いやまぁ私自分を偽った事は……態度はクールぶってるけど言ってる事も思考も大して変わらんし。っていうか本音隠すほど器用では……いや、嘘はつきますけど。アホみたく尽きますけど。あれ本音隠してる……いや、隠してるのか?


「こんな感じよ。本当、偶に普段とはトンデモナイ差のある一言を打ち込んでくるのよ」

「そ、そうなんですか……お友達が少ないと聞いたのですが、本当ですか?」

「それは本当よ。なんていうか、巡り合わせが悪いというか」


 お? お? その話しちゃう!? いやー良いぜ間違っちゃいねぇよ。アレウスとかアメリアとか可愛い兄弟はいても、シュレクみたいな謎関係の婚約者はいても、実は私友達少ないのを言っちゃう!?


「……まぁ、その辺りはいいじゃない、ヘリメルさんのことよ、今は」


 いや言わせねーから! 私の心は陶器製なんだよぉ! ダメージに弱いんだよぉ!


「あ、私の事でしたね……えっと、一応は男爵の家ですが……べ、ベスティアーゼさんの家とは違って吹けば飛ぶような……その……」

「どの辺りの家なの?」

「あの……えっと、タケルナ山脈を守護する家、とは言われていますけど」

「へぇ、タケルナ山脈を……という事は、武門の家なのかしら?」

「い、一応は」


 武門の家か。治世ではあんまり派手にやれなかったとか、そういう感じの家なのかな。彼女の言い方からすると。つっても大げさだと思うけど。貴族ってだけで吹けば飛ぶなんざありえないというか……


「嘘!? 聞き覚えがあると思ったら、本当にタケルナ山脈の五守護家の一角のアスカータ家!? 吹けば飛ぶなんてとんでもないわ!」


 うおっ!? ベスティが反応した?!


「知ってるの?」

「知ってるわよ! お父様が……えっと、セキロー? の切り札って呼ばれてる五つの家の一つだって、とっても褒めてたわ! 切り札って言うくらいだもの! 凄い家よ!」


 ……ドファッ!? えっ、アスカータってそうなんか! い、いや。緑鷲にダリアさんの率いるローバルト一家がいるなら、赤狼にもそれに相当する奴らがいても不思議じゃないけど……!?


「そ、その……ま、間違ってはいませんけど……」

「へぇ、そんなに立派な家だったの。ヘリメルは、その割にあまり武術は得意ではなさそうだけど」

「あ。私にはあまりその方向の才能はない、と親族からも太鼓判を押されていまして」


 ふーん。


「じゃあ、ヘリメルが得意なのはなんなのかしら」

「え? 私が得意な事、ですか……えっと、お料理なら、少しは……」


 うわ女子力高いな。しかし武の凄い家で料理を学んだか……凄そう。いや印象だけどさ。だって武門の家だし、料理独特そうじゃない? 偏見だよね。うん。ごめん。


「お料理、興味があるわね。今度見せてもらえないかしら」

「あぁ、その。本当に簡単な……本当に素朴なもので」


 あれ、顔伏せちまって。なんか私したかな?


「その……ベスティアーゼ様に褒めて頂いて、難なんですが…‥私の家は、もうそんなに立派なものではなくなった、とお母様から聞いていて…‥」

「……ヘリメルさん?」


 ……あっ! 知ってるよ! これ地雷踏んだってやつだ!


幕間三話目のデータが消えてました。泣きたいです。


追記:ヘリメルに対するメタリアの呼び方を訂正しました。

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