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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
二章:技のゴリラ初等期
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語呂合わせの弱点(妄想)

「……こう、でしょうか」

「そうそう! そうやって覚えれば覚えやすいわ!」

「あ、これとこれが語呂合わせで……凄い、ベスティアーゼさん!」

「ふふふー」


 あー、その語呂合わせ私も使ったなぁ……やっぱ時代は違えど、勉強は語呂合わせっていうのは定番よね。ほんと、ここに来ても凄いお世話になった。


「えぇ。さすがベスティね。でも……ヘリメル、さっき教えて貰ったところ、見せてみて」

「え? はい……」

「……やっぱり。ベスティ、惜しかったわね。書いてある年号がズレているわ」

「えぇ、そんな事……え? やっぱり合ってるわよ?」


 いーや、実はここは私も躓いたところだから分かるのである。現に、ほら。


「ここよ、これが正しい年数ね」

「……ホント! あれ? どうして!?」

「語呂合わせで覚えたのが逆に仇になったのよ。よく使われている語呂合わせが間違っていると、間違っている方で覚えてしまう。これ、口頭で言われたのを覚えたのでしょう?」

「そうそう!」


 この時代、教科書なんていうものはないからね。どうして教師の人の口頭で教えを受ける……そこで語呂合わせで覚えると、口頭で正しい年数を教えて貰ってたとしても、間違った知識にすり替わってる事、偶にあるらしいのよね。


「口頭で教えてもらうのは有用だけど、こういう弊害があるのよね」

「ほえー、凄いですメタリア様……そんな事、考えたこともありませんでした」

「メタリィは本当にすごいわねぇ……お口が閉まらなくなっちゃうわ」


 いやーそれほどでも……ないんですけどね。へへ。


「私が気づいたわけじゃないわ。これは、我が家の使用人統括と、お父様から教わった事なの。凄いのは、その二人よ」


 っていうか、教えて貰ったのはお父様も同じなんだけど……びっくりしたよね。




『うーん、年号って覚えるの、難しいですわね』

『年数を覚えるなら語呂合わせだよ。例えばこれはね……こうやって、覚えるんだよ?』

『さすがお父様、分かりやすいですわ! これを繰り返していれば忘れませんわね』

『ふふ、こういうのは経験が生きる。暗記しやすいものは、こうやって効率的に』

『旦那様、その教え方はいけません』

『えっ?』

『冷静に考えてみましょう。その語呂合わせ、年数があっていますか?』

『え、そりゃあって……ってあれ!? 待って間違ってるじゃないか!?』

『そのあたりはあまり問われる事のない場所です。語呂合わせで覚えて、それが間違っていたとしても問われなければ気づかず、そのまま、という事もあります』

『え? あんまり問われないのここ……じゃあなんで語呂合わせが』

『昔は、良く質問されていた場所なのではないかと。しかし時代は移り変わり、教育も僅かながら変わっていく事があります。その流れで、この年数は聞かれなくなり、しかし覚えやすい語呂合わせだけは、残っていった……時代の流れの弊害ですな』

『ほえー』




「と、我が家の爺は分析していたわね」

「凄いわねぇ、メタリィの家の執事さんは……あ、お父さんも驚いてた?」

「いいえ、がっつり地面に手をついて凹んでたわね。滅多に見れない凹み具合だったわ」

「た、大公様……メタリア様も顔色一つ変えず……」


 あぁうん。顔色変えないようにしないと速攻で吹き出しちゃうからね。いやホント、あのorzシーンは必見よ。いや、普段とのギャップがすごいのよね。


「はぁー、私も気をつけなきゃ……家に帰ったら爺に聞いてみよ」

「そうした方がいいわね。爺……これじゃ混ざっちゃうわね。マクレスも『こればかりは過ごした経験の問題ですから。旦那様が間違えても仕方ないかと』って言ってたし」


 むしろダリアさん、お父様より若干若いし……騙されてる可能性はがっつりあるわ。


「いやー、三人でよかったわ……私だけじゃ悲惨な事になるところだった」

「はい。メタリア様、ありがとうございます」


 いいえ、どういたしまして。まぁ、普通に教えるとかはできそうにないんで。


「そういえばメタリィ、貴女は何をやるつもりなの?」

「え? あぁ、個人的に気になっているものを、やるつもりよ」


 うん。勉強っていうか……まぁ対策って感じで。いやー、聞いてた限り私の習ってない範囲までやり込んでるんだよね。ファラリス。


「ちょっと、この国の歴史を重点的に……」


 最悪を考えよう、もうこの際妄想ぐらいでいいわ。それで無駄になんないなら良い。最悪って? ファラリスが中学生相当の範囲までカバーしてる場合だよ! 現代での進学校レベルってところかな!?


「へぇ、どのくらい?」

「結構しっかりとやるつもりよ? ほら、この辺りをしっかりと、ね」

「うわぁ……私がやってるところより全然先……分からない単語がたくさん」

「だからいったでしょ? しっかりやるって。ふふ」


 私とおんなじくらいだったら、穏便に済ますのも簡単かもしれないけど……万が一手を抜いてるとか思われて暴走とか想像したくない。

 という事で、こうなったらなりふり構わずやる。その準備だ。


「私だって、ここに遊びに来たわけではないわ。やるべきことは、やらないとね」

「さっすがメタリィ! かっこいい!」


 まぁ……今からやる事は目の前の子達に言えないようなクズ作戦な訳ですが、何をやるかって? ……いや、その。まぁ。

 子供にあるまじき禁じ手、ですかねぇ。


大変申し訳ないです……投稿し忘れていました……

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