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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
二章:技のゴリラ初等期
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図書館がデカい場所は当たり物件

 で、部屋から出てきたわけだが……さーて何処へ行ったもんか。ここの構造を良く知ってる訳でも無いから、さてはて、何処へ行ったもんか。あっ、繰り返しちゃった。


「うーむ、目標が定まってない典型的な証拠……」

「取り敢えず、立ち入りを禁じられていそうな場所には近寄らず、それ以外で」


 うーむ、それを前提とすると、まず他の生徒の部屋は全部アウト。他でまず確認する場所となると……候補は三つくらいかな。


「食堂はあるって言ってた。図書館も。で、礼拝堂があるんだっけ……礼拝堂は私に関係ないからいいとして。残りは……」 

「食堂と、図書館。今から行って意味がある場所となりますと……」


 まぁ、無難に図書館か。じゃあまあ、とりあえず行ってみよう。




「これは……」

「広……」


 予想をはるかに超えて広かったんですが……この寮がここまで広かったのってそういう事かって、これだけで納得しちゃうくらいだよ。え、これ蔵書数幾ら?


「凄いわねぇ」

「ここまで大規模となると……稀覯本などの数ならば兎も角、単純な数だけならば王都の物にも迫る程ですな」


 普通のアパートの部屋がね、四つくらい入るくらいには大きいのよ。で、そこに満杯になるくらい本が詰め込まれてんの。通路もちょっと狭いかなってなるくらいにはがっつり入ってんの。凄いわぁ。


「上までびっしり……全部写本っつったって、これだけの量をねぇ?」

「司書殿が言うのが本当であれば。蔵書の数は一区画だけでも三桁では済まない程の量だそうです」


 そいつは。ここに来たらまぁ暇はしなさそうで。っていうか間違いなく在学中にゃ読み切れんだろう。

あれ、この棚って貫通タイプなのか。でも向こう側ほとんど見えないんだけどどうなってるんですかね。


「あ、これ家にあった奴。このシリーズ最後まで読んでなかったから助かるわ」

「上の方の本の手入れもしっかりされてますな」

「いやぁー……ここ専用の司書さんがいるくらいだからねぇ」


 この寮、司書さん付きなのである。お前は何を言ってるんだって? 私も分からない。十人位の司書さんが持ち回りで色々やってるようで。


「うーむ、寮生活って事で、多少の不便もバッチ来いと思ってたけど、想像をはるかに上回って娯楽まできっちり完備してるね」

「流石は緑鷲の運営する学園、でしょうか」


 でもこれ、レッドロウもこれレベルって事でしょ? これに対抗してるって事は。すげーなオイ、肝心の学び舎の方に回す予算あるのだろうか、双方。


「ま、それは授業が始まってみてからかね……」

「校舎が気になりますか、お嬢様」

「まあね。パッと見た限り、外観から特に問題があるようには見えなかったけど」


 まぁ、普通に考えれば学生寮がここまで綺麗ってんだから、当然校舎もそれに相応しいものって、考えるのが普通なんだろうけど。うん。現代ってのはそこまで普通ではなかったから。要らん所に力を注いで肝心なところがすっからかんとかあるから。


「ま、今はこの図書館を見聞するとしましょ。いやーしかし何処まで行っても本ね」

「せっかく立ち寄ったのですから、今日も少し読んでいかれては?」


 とはいえその折角の施設……利用しない手はないな! 私ってば根っからの消費者だからね! ガンガンやろうじゃないの!


「よーし……ロイ、今から言う奴ぜーんぶ持って来るから手伝って! 先ずは……から始まって、……と、……とその続きと、後……」

「はい、はい、はい、はい、はい、はい……」





 と言う事でこの後二十冊くらいがっつり持ってきた。しかも、この本、部屋まで持ち帰れるらしい。至れり尽くせりとはこの事。いやぁ、大量大量。好みの本がこんなにいっぱい。ニヒヒヒヒ。


「ロイ、沢山本持たせて、ごめんね」

「いいえ。むしろ私に全て持たせてくださっても構わなかったのですが」

「それは流石に申し訳ないと言うか、そんな事させるわけにはいけないと言うか」


 だって自分のワガママだしねコレ! ホントは部屋と図書館往復するつもりだったのがそれを伝えた途端に無言で本を持たれた。有無を言わさなかった。


「まぁまぁ、早くお部屋に戻ってゆったりするとしましょう」

「流さないでよもぉ……おや?」


 なんか、廊下に子供たちがたむろしているような……


「メタリアやアメリア達を心無い言葉で侮辱するのは、許さないわよ!」

「ふん、何が間違っているのですか!? 所詮歴史がちょっと長く、地に恵まれていただけの老いぼれ! もっと短い時間で成り上がった、我がエリィア家とは格が、格が違うのですわ!」


 ……エリィア家って、確かツェルバと友好関係にある家だっけか?


「なんか、ウチの事が噂になっているらしいわね」

「大公家は、歴史なくとも、血脈なくとも強い家です。なんとも浅い見識……しかし、エリィアの家の事も、間違いではないのですが」

「そうなの?」

「えぇ。エリィアは他の家より歴史が浅いですが、それに似合わぬ程に爵位の高い家である事は間違いありません」


 ひえっ……新興貴族で出世が早いとか有能貴族の証やんけ……スゲェなエリィナ家。舐めてましたわ。しっかし、そのエリィア家の、ご令嬢、と思われる人が……


「なーんでベスティと喧嘩してるのかしら……」


 うーむ。って言うか、ベスティすっごい滑らかに話せるようになったね。


偏見ですが、図書が充実してる学校って大抵良い所な気がします。

追記:入れ忘れた表現が発覚し、追加しました。全体で1000冊ってめっちゃ普通やん…

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[気になる点] 三桁じゃ済まないってことは1000冊単位?そんなに多くないような...?
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