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力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
二章:技のゴリラ初等期
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情報戦は既に始まっているのだ!

「——という事で、私は学校で平穏に過ごす予定なのよ」

「無理な気がしますな」

「なぜじゃあ! このすっとこどっこい爺! 私はなんなんだよちくしょう!」

「控えめにいって問題を引きつける運命の子ではないかと」

「控えめにいって主人の娘にする態度と言葉遣いではないね!」


  そんな運命の子いやじゃ。っていうか運命の子ってなんだ。なんかどこぞの何某サーガでとっても重要になるキーワード的な何かに聞こえるぞ?


「まさかとは思いますが……ご自覚なさっていない?」

「いやそういう訳ではないよ。分かりますよ。ここ最近トラブルに巻き添えっぱなしだもんね。地雷原の上で多段タップしてるような感じだよ」

「詳しくは分かりませぬが……まぁ、大雑把には合っている気がいたしますな」


 ニュアンスは伝えてるつもりで喋ってるし。とはいえアホみたいな現代スラング乱発しまくりで現地人の言葉とは思えないけど……まぁ、今更だよ。今更。


「ま、とはいえそう何度も何度も同じような展開にはならないでしょう、真面目な話をすれば。これでまた問題が連発したら本気で厄払いを考えるわホンマ」

「祈祷師なら古い知り合いがおりますが、先にやっておいた方がよろしいのでは?」

「さりげに問題が巻き起こる前提で言うな。泣くぞわたしゃ」


 いや必要かもしれないのが悲しいけどさ……いや、大丈夫、きっと大丈夫だ。


「まぁ、それは今はいいでしょう。それで、通うのは何方で?」

「昨日、改めて学校について話し合った結果、グリーンビートに。レッドロウは危ないって、お父様が」


 曰く、レッドロウは赤狼側の貴族が運営しているらしい。普段ならそこまで気にもならない些細な事……との事らしいが、緑鷲と縁が深く、王家との繋がりもある、大公家の娘が通うとなると……


「……危うい等と言う……程度では決して済まず。毎日首を狙われ、文字通り毎日問題塗れ。確かにやめた方がよろしいでしょうなぁ」

「お父様もそうだっていってた。私だってそんな嫌すぎる毎日嫌」


 校風も、どっちかといえばグリーンビートの方が良さそうな感じだったし。レッドロウはなんか、こう、ガチガチの進学校的なアトモスフィアだったんで、遠慮しました。


「多くの方向へ根を張る様に……レッドロウは火の如く燃え盛る様に、でしたか。確かにお嬢様の気質なら、グリーンビートの方があっている気がしますな」

「ま、なんかピンチならともかく、普段ならのんびり暖かい日常を過ごしたいし」


 と言う事で進路はほぼ確定ですな。でも高校編って言うか、本編に登場する学校って確かホワイトグレイヴだっけ、学校名。グリーンビートじゃないよなぁ。


「……ねぇ、爺。一つ聞きたいんだけど」

「なんでしょう」

「ホワイトグレイヴ、って聞いたことある?」


 いや、実は世界観調べの時、当然のことながらゲーム内に出てきた学校も調べたんですよ。でも、ないんだよね。どこにもない。って言うか、名前すら見かけない。いや、万が一の為に今日までは『ひ、秘密性が高い学校なのかな』とか色々可能性を考えてたんだけど……お父様の口からすら出ないとなると、いよいよ。


「……ふむ、聞き覚えがありませんな。国内では……ただ、外国の山の一つに、そんな名前の山があった様な……それがどうかいたしましたか?」

「ああうん、大丈夫。最近外国の事もちょっとお勉強することになったから、ね」

「なるほど。そう言うことでしたか。ふむ、しかしなぜこの時に?」

「学校に入る前に、ちょっとしたところでも知識の確認をしときたいのよ」


 とかもっともな理屈こねておりますが大嘘です。はい。さぁて、あの爺でも知らないとなると、まずホワイトグレイヴは存在しないと言うことか。ゲームの舞台となる場所なんだけどなぁ、なぁんでないんだろ。イヤァな予感がしますねぇ。


「なるほど、初めて学び舎に行くにあたり、しっかりと心構えを整えてらっしゃる様で、何よりですな。まぁ、勉学をしに行くわけではないですが」

「世辞はいいわ。要するにビビってるってことだもの……あ」


 爺に一つ、一応聞いておくか。気になってること。


「……そういえば、こう言うのって、入学する子供の噂が流れるのが定番よね」

「そうですな。やはり自らの優秀な子息は喧伝してこそ、と言う部分もありますが」

「爺は何か知ってる?」


 爺だったら色々知ってるし、意外な情報とかも入ってるかな、なんて思ったんだけど。


「……ふむ、まぁ、独自のツテで手に入れた情報なら。信憑性は保証しかねますが」

「ううん。全然いいわよ。知ってるってだけで大分すごいしさ。聞かせて」


 マジで知ってたのは正直ビックリマン。って言うかなんで知ってたんだろ。あれか、使用人ネットワークとかあんのかな。ネットワークのない時代ってのは、こう言う人力の情報網が重宝されたって言うし。いやぁ、侮れない。


「個人的に注目すべきは……まぁ、お嬢様は当然として、ダリア男爵の長女、ベスティアーゼ様も、やはりその美貌から、注目株ではある様で」

「あー……なるほど、そっち方向でも注目受けるんだ……ベスティ可愛いから当然といえば当然かな。で、他には?」

「女子は今の所二人……男子に関しては、相当な有望株が三人、ですな」

「三人、ね」


 ふむ。多いか少ないかは分からんが、少なくとも爺が有望株と見ている人たちなら間違いなく相当な実力派だろう。私に関してはチート使っているにしても、ベスティを見逃さなかったあたり、さすが貴族、目が利く。


「一人は……まぁ、わかりますよね」

「我が婚約者殿でしょ? それくらいは分かるわよ」


 シュレクは同年代でも頭一つ抜けて優秀だし賢いし、それだけじゃなくて、狡っからい手も私が覚えさせちゃったから相当手強くなってるよ。それに王族。まぁ注目もされるだろうし、有望株扱いは当たり前か。


「で? あと二人は?」

「は。一人は赤狼騎士団に関わりの深い大貴族、テルヴァンクル公爵家の嫡男、ジェライ・エリ・テルヴァンクル」

「うーん知らない方だわぁ。当たり前っちゃ当たり前だけど」


 ジェライ。聞き覚えがないが、まあ爺が言うのだから、相当なんだろう。


「もう一人は……ツェルバ。でしたかな。確か、ペーネロト・ロノス・ツェルバと。なんでも、一族の中でも千年に一度の逸材、だとか」

「……ンンンン? ツェ、ツェルバ?」


 ツェルバって、確か……いや、ちょっと待て、その前に!


「そいつの名前、名前ってなんて言ったの!?」

「名前、ですか。ペーネロト、だそうですか」


 ペーネロト。マジか。嘘だろ。ここで出てくるかぁ……()()()()、例の先輩タイプ!


ツェルバの名前はどこかで出ています。探してみよう!

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