表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
力のゴリラ妹と技のゴリラ私の悪役令嬢物語  作者: 鍵っ子
一章:技のゴリラ幼少期
115/324

DLCスチル『姉、妹、弟。三人が揃って笑った日』

「……おい」

「うむむ、この生ハムクソうまいねぇ……」


 このサラダの野菜もうめぇなぁ。すっごい新鮮……あん? 何よ、せっかく食事の第二ラウンドを楽しんでいたというに……おや。お二人さんのご帰還か。


「アメリアとアレウス、吐き出すのは終わったのかしら」

「吐き出す……なるほど、そういう事か。では俺にその後の様子を見られるというのはいささか酷か……うむ。では、俺はここらで失礼する。二人を迎えてやれ」


 あ、ちょっと……ったく、あいつの分のサラダ取ってたってのに。まぁいいや、これは二人に食べさせるとしようか。おーいこっちこっち。


「おまたせしました……もう、アレウスったら、あんなに泣いて、ちょっとびっくりしちゃった。カラカラになっちゃうかとおもったわ」

「す、すみません……」

「二人ともお帰り。さ、水でも飲んで。特にアレウスはね。体が乾いてると調子悪くなるからねぇ、あと、塩辛い物も食べなさい、ほら、このハムとか」


 あれ、私お婆ちゃんみたい……精神年齢的にしょうがないとはいえ、おかしいな、もうちょいキャピキャピした方が良いのかな。精神的に若々しくならねば。


「……あの、今回の一件というのは」

「大丈夫よ。お父様がきっちり話をつけるから。もう、向こうが何かしてくる事もないから、安心していいわ。ったく、ツェルバ、ヴァーレイ、カロゾナット、だっけ? 仮にも貴族なんだから、子供の教育ぐらいしっかりねぇ……」


 とはいえ、ふつーくらいの貴族さんだったし、大公から睨まれて相当真っ青になってたけど……まぁ、いいか。


「……あの、メタリア、姉さん?」

「ん? どしたの? 食べないの?」

「あ、すいません、いただきます……そうじゃなくて。あの、その、ありがとうございます。改めて、その、おれいを、ですね」

「あぁ、そういう……いいのいいの気にしなくて」


 真面目やねアレウス君。姉ちゃんぶっちゃけバリバリ後の利を考えての行動だったからね、お礼言われることじゃないのよ。まぁ言ってないから分からんだろうけど、それとしても年上が年下を助けるのは当たり前っしょ。


「ま、気にしてるならお願い聞いてくれるかしら?」

「お願い、ですか?」


 とはいえ付け入るチャンスがあるなら、予防線、というか布石になるかは分からんけど手は打っておこう。転ばぬ先の杖じゃ杖。


「姉さん、て、呼んでくれる?」

「え、姉さん、ですか?」

「そ。まぁ今でも呼んでくれてるけど。もっとたくさん、ね」


 まあ遠回しに『ためらわずによんでちょ』って言ってるだけよ。まあ、呼び方も仲良くなるには重要な要素だ。


「分かりました……メタリア姉さん」

「っ!」


 ま、真正面からはにかみ姉さん呼び……躊躇いは萌えを生むと言うが、むしろ今は逆!

 躊躇わぬその『姉さん』呼びが! 我が姉回路をフル稼働させるのだ!


「ふふ、ありがとうアレウス」

「い、いえ、こんな事でいいのなら……その、本当にこんな事で」

「いいのよ」

「わぷ」

 このー真面目さんめ。くしゃくしゃにしてやる。おらおら、整えた髪がグシャグシャになっていくぞおおおお! ほら、普段隠れてる目も見せるんだよ!

「私が良いと思ってる事なんだから、気にしなくてい~の。細かい事気にする弟君は、こうよ、こう! フフフフフフ」

「わわ、メタリア姉さん、ちょっと、あうう」


 ほれほれ、もう細かい事は気にしないと言えたらやめてあげるぞぉ? さぁ……?


「……」


 どうしたの帽子外して頭こっち出して……それはつまり。


「えっと……撫でて欲しいって事でいいの? アメリア?」

「はい! たくさん、たっくさん撫でてほしいです! お姉さま!」


 フス―って、鼻息荒いっすね。そんなに撫でてほしいんですか。全然いいしむしろやってあげたいけどさ、そこまで待ち遠しいもんかね……? まあいいか。


「じゃあ……わしわしー、わしわしー」

「きゅふー、にゅふふ、ふゆぅん……きもちいーですー」


 うわぁスッゴイニコニコしてる。嬉しそうでこっちも思わずニコニコしちゃうぞこの野郎。よーしもっと撫でてやるからなぁ……っていうか、髪やわらけぇな相変わらず。


「そういえば、メタリア姉さん」

「んー、なにー?」

「あの、さっき、その、とても怖かったというか、あれは」

「あぁ、あれ? だーいじょうぶよ、基本的に身内にはやんないし。まぁ身内以外だったら、手出しされたらやるけど。私親しい人以外にゃドライなのよー」


 日本人気質。基本的に身内以外にゃ厳しい。ロイ君とかは、死亡フラグへし折る為っていう切っ掛けがあったし、友達も増やさないって辺りに出てるよね、うん。


「そう、なんですか」

「そうそ。だからアレウスは心配しなくてい~からねー」


 アレウスとは関わらざるを得ないから、むしろ積極的にいったまであるけど、ただ接してると意外と情って沸いちゃうもんなのね。やだ、私ちょろすぎ?


「……さて、ひとしきり撫でた所で、はい。おしまい」

「あ」

「あー、お姉さま、もっと、もっとおねがいします!」

「駄目よ。っていうか、せっかくご飯取っといたんだから食べてよ」


 シュレクの奴の分ガッツリとってたからさ。これは喰いきれんのよ。


「ムー……分かりました。じゃあ、またあとで、おへやにおじゃましますから」

「そこで撫でろって? ったく、そんなに嬉しい物なのかね……分かったわよ」

「やった!」


 ん? どしたのアレウス君、目を丸くして。え? いっつもこんな風なのかって? 前までは違うけど、最近は大体こんな感じよ? 変、あ、やっぱ変なのかね。


「仲が良すぎる姉妹、ってか?」


 まぁ、これからの人生仲が良すぎて悪いってことは無いだろうし……許して?


「あ、いえ……そうじゃなくて」

「どうしたの?」

「……ふふ、僕も、メタリアねえさまとアメリアねえさまと、そんな風になかよくなれたらな、って」


 ……にひ。


「もうなってるわよ。アレウスも、来なさいな」

「っ、はい!」


 うん。ゴタゴタがあって、すれ違いもあって、いろいろあったけど……うん。こうやって、ちゃんと家族になれて嬉しい! さ、ご飯食べよ!

私の小説って、男子との恋愛模様がない代わりに、女子との恋愛模様も少ない……あれ? タグ詐欺?

でも楽しいからいっか♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ