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べギアと鍵と少女と。  作者: あさり
2年夏
79/85

3‐16 辛勝

 みんな一通り試合が終わり、俺の第二試合の番になる。

 相手は俺より細くて小さい男だ。最年少か?

 さっき戦っているのを見た限り、そこまで強くなさそうだ。でも油断は出来ない。


 『ついに予選も残す所、あと半分となったあああ!不戦勝で勝ち上がった期待のホープ、べギア君!対する御相手は地味に勝ち上がった、シャン君だあ!』

 期待のホープでもないし地味に勝ち上がったって言われてるのは可哀想だな。地味ってよりクールな感じだ。


 どんな攻撃をしてくるか分からないが俺は剣を構える。

 相手も剣を構えるが少し違う。両足は揃えてあり、とても戦うような構えではない。流派とかあるのだろうか?


 ……ド────ン。


 『スタァ────ト!!』


 マイケルさんが開始の合図をする。

 流石に魔力剣は使ってこないな。

 俺は先に攻めることにした。


 「喰らえ!」

 縦に一振。一ノ型を繰り出す。


 ……ガンッ。


 シャン君は木剣の端と端を持ち、俺の攻撃を受け止める。

 そして、左手で魔法障壁を出し俺を弾く。


 「うわぁ!?」

 構えがおかしかったのはそういう事か!?

 場外にはならなかったが、体制を崩して尻もちを着く。


 「さらばだ!」

 シャン君は、すかさず俺に詰め寄り攻撃を仕掛けてくる。

 

 「べギアくん!!」

 セシアの声が聞こえた。ここでかっこ悪い姿は見せられない。


 俺は転がりながら攻撃を躱す。

 …………カツン。


 「何!?」

 床を斬る事になって相手は驚いている。

 だがしかし、俺のこの判断は良くなかった。

 場外に近くなってしまう。


 「ふっ、どうやら悪手だったようだな。このまま場外にもって行ってやる!」

 シャン君が斬りかかってくる。


 ただでやられてたまるか!

 俺はそのまま受け止めるのではなく、横に躱す。

 そして、足を引っ掛けて背中を木剣で叩きシャン君を場外に出そうとする。


 「道連れにしてやる」

 シャン君は俺を掴み一緒に場外にもって行こうとする。

 姿勢が姿勢だったので抵抗出来ずに場外に引きずり込まれる。


 「べギアさん!?」

 ルレンの声が聞こえた気がした。気のせいだろう。


 ……ドサッ。


 シャン君と共に場外に落ちる。


 判定は記憶している水晶で確認して決まる。


 ……唾を飲む。

 お願いだ勝たせてくれ。


 判定は……。



 『べギア君の勝利だー!おめでとーだぜぇ!』


 「「うおおおおお!」」


 「おめでとうべギアくん!」

 歓声と共にセシア達が俺の事を祝福しているのが聞こえた。

 手を振っていたので振り返す。


 『おおっと!?べギア君が手を振っているのは彼女かぁー!?』 


 「「うおおおおお!」」


 また会場が盛り上がる。

 彼女じゃないけど恥ずかしくて下を向く。


 盛り上がっていると他の部も終わったようだ。

 俺は予選会場を後にした。

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