3‐16 辛勝
みんな一通り試合が終わり、俺の第二試合の番になる。
相手は俺より細くて小さい男だ。最年少か?
さっき戦っているのを見た限り、そこまで強くなさそうだ。でも油断は出来ない。
『ついに予選も残す所、あと半分となったあああ!不戦勝で勝ち上がった期待のホープ、べギア君!対する御相手は地味に勝ち上がった、シャン君だあ!』
期待のホープでもないし地味に勝ち上がったって言われてるのは可哀想だな。地味ってよりクールな感じだ。
どんな攻撃をしてくるか分からないが俺は剣を構える。
相手も剣を構えるが少し違う。両足は揃えてあり、とても戦うような構えではない。流派とかあるのだろうか?
……ド────ン。
『スタァ────ト!!』
マイケルさんが開始の合図をする。
流石に魔力剣は使ってこないな。
俺は先に攻めることにした。
「喰らえ!」
縦に一振。一ノ型を繰り出す。
……ガンッ。
シャン君は木剣の端と端を持ち、俺の攻撃を受け止める。
そして、左手で魔法障壁を出し俺を弾く。
「うわぁ!?」
構えがおかしかったのはそういう事か!?
場外にはならなかったが、体制を崩して尻もちを着く。
「さらばだ!」
シャン君は、すかさず俺に詰め寄り攻撃を仕掛けてくる。
「べギアくん!!」
セシアの声が聞こえた。ここでかっこ悪い姿は見せられない。
俺は転がりながら攻撃を躱す。
…………カツン。
「何!?」
床を斬る事になって相手は驚いている。
だがしかし、俺のこの判断は良くなかった。
場外に近くなってしまう。
「ふっ、どうやら悪手だったようだな。このまま場外にもって行ってやる!」
シャン君が斬りかかってくる。
ただでやられてたまるか!
俺はそのまま受け止めるのではなく、横に躱す。
そして、足を引っ掛けて背中を木剣で叩きシャン君を場外に出そうとする。
「道連れにしてやる」
シャン君は俺を掴み一緒に場外にもって行こうとする。
姿勢が姿勢だったので抵抗出来ずに場外に引きずり込まれる。
「べギアさん!?」
ルレンの声が聞こえた気がした。気のせいだろう。
……ドサッ。
シャン君と共に場外に落ちる。
判定は記憶している水晶で確認して決まる。
……唾を飲む。
お願いだ勝たせてくれ。
判定は……。
『べギア君の勝利だー!おめでとーだぜぇ!』
「「うおおおおお!」」
「おめでとうべギアくん!」
歓声と共にセシア達が俺の事を祝福しているのが聞こえた。
手を振っていたので振り返す。
『おおっと!?べギア君が手を振っているのは彼女かぁー!?』
「「うおおおおお!」」
また会場が盛り上がる。
彼女じゃないけど恥ずかしくて下を向く。
盛り上がっていると他の部も終わったようだ。
俺は予選会場を後にした。




