3‐15 のっけから
対戦相手が書かれた紙が貼られた。
剣術大会は二日に渡って開催される。一日目は予選らしいので各部門一気に行う。
「俺はどこだ……?」
名前を確認する。げっ、最初かよ。
どうせなら他の人を見てから戦いたかった。みんながどれだけの実力か分からないから不安だな。
『サァ!剣術大会始めるぞー!みんな準備は良いかぁ!第一試合に出る人は集まってくれ〜〜!』
マイケルさんに呼ばれ、集まる。
『オッサン達を実況しても面白くないから、先ずは最年少の部を実況していくからよろしくなぁ〜!』
また会場から笑いが起きる。
『第一試合はラビアから来た彗星!べギア君と、パラクリントの努力家!エウロ君だー!』
彗星ってなんだ彗星って……。
エウロと呼ばれた人はどうやら最年少の部でも最年長らしい。と言う事は十八歳か。
『おっと、私とした事がルールを説明するのを忘れていた!』
マイケルさんがルールを説明する。
制限時間は無制限。
武器の木剣は大会で用意された物を使用する。
剣術大会なので魔法の使用は原則禁止、使って良い魔法は魔法防御と魔法障壁のみだ。
先に相手を気絶させるか場外にもって行くか、降参させれば勝利となる。
ちなみに優勝賞品は金一封とパラクリント祭の屋台食べ放題券らしい。
剣術大会だから剣が貰えるのかと思ったが、出場者のほとんどは剣を持っているので要らないらしい。そりゃそうか。
俺とエウロさんは場内に入る。
「よろしくお願いします」
俺はエウロさんに向かってお辞儀をする。
「あぁ!よろしく頼むぜ!」
お辞儀を返してくれる。
『さぁ!今度こそ剣術大会予選始めるぞー!準備はいいか?Yeah!』
「「うおおおおお!」」
熱気がさらに増す。
……ド────ン。
『開始だー!』
開始の魔法が鳴る。
「べギア君、いきなりで悪いが片を付けさせてもらうぜ!」
エウロさんかそう言うと、木剣の形がゴツゴツとした岩へと変わる。
「まさか魔力剣!?」
俺は驚いて声に出す。
「ほう、魔力剣を知っているとは。べギア君も使えるという訳だ。これは楽しめそうだぜ!」
ミシュさんと特訓をして短時間だが、一応剣全体を氷剣にする事は出来るようになった。
「「うわあああ!」」
会場は盛り上がる、だが。
『エウロ君、魔法の使用により失格だー!』
ですよねー。
会場も驚いていたが一番驚いていたのはエウロ君だった。
「えぇ!?魔力剣も禁止ですか!?」
『うん、危ないからね』
エウロさんと戦うこと無く俺は勝ち上がった。
とりあえず一勝は出来た……不戦勝だけど。
せめて一回はちゃんと戦って勝ちたいな。
俺は二回戦に備えて他の人の剣術を見て考えるのだった。




