3‐14 予選の開会式
剣術大会当日。
俺達はパラクリントの繁華街へやって来た。昨日に引き続き凄い人の数だ。そして、天気も良く絶好の祭り日和になった。
そろそろ開会式が始まる。
「べギアくん、頑張ってね!」
「あぁ!」
俺はみんなに応援されて参加者が集まる会場へ向かう。
人数で言うと、三十人程は居るんじゃないか?
ん?あそこに見覚えのある人が居る。
「お、やっと来たな。坊主!今日は祭りだから楽しめよ」
スキンヘッドの頭を光らせてガンさんは俺に手を振る。
「ガンさんも出場するんですか?」
ミシュさんからそんな事は聞いてない。
「おう、そうだぞ。親方から聞いてなかったか?」
うん、聞いてなかったね。って事はガンさんとも当たる可能性があるのか。
「へへ。坊主、安心しな。年齢ごとに部門が別れてるから当たることは無いぞ。」
はぁ、良かった。初戦からガンさんと当たることになってたら確実に負けてただろう。
剣術大会の部門は十三歳〜十八歳までの最年少の部と十九歳〜三十五歳までの中年の部、三十六歳〜八十歳までの最年長の部に別れているらしい。
まぁそうだよな。最年少とガンさんが戦ったら手加減しても骨を折るかもしれないしな。祭りなんだし、負傷者なんて出したくないだろう。でも最年長の部は大丈夫なのか?怪我だけじゃなく死者が出ないといいけどな。
明らかに杖をついて腰の曲がったおじいちゃんも居る。当たる人も考えて戦わないといけなそうだな。
『 レディース・エンド・ジェントルマン!今日はパラクリント祭にお集まり頂き誠にセンキュー!』
剣術大会の参加者を見ていたら、スピーカーからアナウンスの声が響き渡る。
確かあのスピーカーも魔法で出来てるんだよな。
『前夜祭も大いに盛り上がってくれた〜〜!みなさんに感謝だぜ!Yeah!』
そう言えば、昨日シルアが出ていた予選大会の声じゃないな?テンションが数倍高い。
『先ずは剣術大会だ〜〜!みんな参加サンキューだぜ!スキンヘッドの兄ちゃんは輝いてるなぁ?相手の目を眩ませて倒す作戦かぁ!?』
司会者が指を差すのはガンさんだ。
「「わははははは」」
そんな訳あるか、そうかも知れないな。という声と共に笑いが起きる。
「ハァ、あの野郎……」
「知り合いなんですか?」
いじれるほどの仲なのかな?
「俺の……弟のマイケルだ」
「えぇ!?弟さんですか!?」
ガンさんと弟さんを交互に見比べる。見れば見るほど似てない気がする。
「父親は同じなんだが、母親が違くてな。似てないだろ?」
なるほど。再婚か何かなんだろう。似てないのも納得だ。
「そ、そうですね」
俺は苦笑いをする。
ガンさんの話だとマイケルさんは有名な司会者らしい。各国から引っ張りだこで、今回はパラクリント祭で総合司会を担当しているとか。
ラビアだと祭りはあるが、規模が小さいのでマイケルさんが来る事は無かったので知らなかった。
『以上で、開会式は終わりだあ!みんな今日は楽しんでくれよなぁー!』
「「うおおおおお!」」
ガンさんと話していたら開会式が終わろうとしていた。
「坊主!頑張ろうな!」
「はい!」
俺は気合を入れる。




