3‐8 どうしてそうなる
ミシュさんも久しぶりの登場です。
女で鍛冶師ってかっこいいですよね。
「はぁ!?坊主まだ剣を扱えるようになってないのか?」
俺達は乾物屋を出てからミシュさんの武器屋に来ていた。俺がまだ剣を扱えないことを言うと大声で怒られた。だってラビアだと剣術使える人なんて知らないんだもん。
部屋の中で鞘を付けたまま素振りするくらいだ。これなら剣じゃなくても良い気がしてきた。
「おい、ガン!腕利きの剣士を知らないか?暇そうで教え方が上手いやつをな」
遠くで売り物の整理をしているガンに向かって大声で喋る。
「腕利きの剣士ですか。それならすぐそこにいるじゃないですか?」
「すぐそこ?そんなやつこの辺には居ないだろ」
「いえ、とっても立派で他に腕の立つお方なんて聞いた事が御座いません」
ガンさんがニヤニヤしながら喋っている。何か良い事でもあったのだろうか。
「そいつは何処にいるんだ?」
そんな人が居るなら是非ともご教授して欲しい。
「親方ですよ」
「はぁ!?私か?私なんて初心者に毛が生えた程度だぞ?」
「またまたご謙遜を。この間も騎士団の人を鍛え直してたじゃありませんか?」
え?ミシュさんってそんなに強かったのか!?道理で俺に作ってくれた剣をらくらく持ってたのも納得だ。
「それに今は魔物も減っているみたいで武器を買いに来る客なんて一日に二、三人くらいじゃないですか」
魔物が減った影響は鍛冶屋にも現れているらしい。前は二十人も来ていたらしいが、それが十分の一まで減っている。閑古鳥が鳴いてる。とミシュさんも言っていた。どうやら客が来ない憂さ晴らしで騎士団の方へ顔を出していたらしい。
嫌な予感しかしない……。
「確かに客足も衰えて来てるし、ちょうどいいか。坊主!いつまでパラクリントに居るんだ?付け焼き刃で良いなら教えてやろう。こっちへ来い!」
俺だけミシュさんに引きづられて店の裏へ連れていかれる。
「待って!?ミシュさん!俺まだ他に寄りたいとこがぁ──────!」
突然の事だったので、みんな吃驚している。俺が一番吃驚だけどね!
まさか誰も止めてくれないとは。あのルレンですら止める事がなかった。
そんなこんなで俺の夏休み初めは剣の練習で奪われたのだった。
すごい怪力!




