2-33 朽ちて剣を釣る
ノベルアップ+様にて「異世界転生はまだ飽きない!」の連載をしております。興味がございましたらよろしくお願いします!
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最近はべギアの方は力を抜いてる気がして否めないですがご理解ください!
10万文字を達成したらべギアに力を入れ直します。
クマモットを倒した後、俺達は乾物屋へ再び訪れた。
「ん?また買いに来たのかの?おぉ!それを何処で捕まえたんじゃ!?」
俺達を見た店主が話しかけてくる。
「さっき繁華街で現れたのを捕まえてきました。おじさんなら干物にできるし要るかなと思いまして」
俺はクマモットを店主に渡そうとする。
「買取かの?計算するので待っとくれの」
店主は算盤のようなものを出そうとしていた。
「い、いえ!先程は親切にして頂いたので差し上げます」
「そうかの?でもタダで貰うわけには……ん?お主その短剣はどうしたんじゃ?」
乾物屋の店主は俺のボロボロになった短剣を見る。
「クマモットを倒す時に壊してしまいまして……」
まさか短剣がボロボロになるとは思わなかった。
「それはミシュの……隣の店で買ったやつかの?」
「えぇ、そうです。」
「ミシュはワシの孫じゃ。せっかくじゃからミシュに言って短剣でも作らせるかの。ゆくぞ」
そう言うと外に出て手招きをしている。
「おーい、ミシュ。ワシじゃー」
乾物屋の店主は隣の武器屋の孫娘ミシュに声を掛ける。
「じいちゃん、どうしたんだ?お?お前はさっきの」
お店の奥からスタイルの良いへそを出した服を着た女の人が出てくる。
「どうも、べギアです」
俺は軽く会釈した。
「実はの、この坊主からクマモットを貰ってのお礼にミシュが剣を作ってくれないかの?どうやら退治する時にここで買った剣がボロボロになってしまったんじゃよ」
「ボロボロに?見せてみろ」
俺は短剣をミシュに渡す。
「あー、これうちで作ったやつじゃないな。不良品を掴まされたらしい。すまんな坊主、新しいのを作ってやる、何がいい?」
何がいいって言われてもなあ。作ってくれるだけで有難いんだよな。
そう思いながら店に置いてあった剣を見渡す。
そこにあったのは、シンプルなデザインの鉄剣だった。お、これいいな。
「これと同じような物って作れますか?大変そうならこれをそのまま頂いても宜しいですか?」
「おー、それか?それは最近作った物でな、魔力を込めると自分の属性の剣になるんだ!例えば、じいちゃんが魔力を込めると炎剣になる」
ミシュは鉄剣を乾物屋の店主に持たせ、店主は剣に魔力を込めると、まるで燃えてるかのような熱い炎剣が現れた。
「おおおおぉ!」
俺達一同は驚く。こんな剣があるなんてな!男なら絶対欲しい。
「付与魔法を使わなくてもこんな事が出来るんですね!」
ルナが目を輝かせていた。そう言えば、ルナは付与魔法も出来るんだよな。風と氷以外なら使う機会があるかもな。
「でも1つ欠点があってな、属性の剣にするには、ずっと魔力を流し続けていないといけないんだ」
店主が魔力を流すのを辞めると剣はさっきまでの鉄剣に戻る。
「ふぅ、久しぶりにこんなに魔力を使ったの」
鉄剣をミシュに返し椅子に座る。
「それでもいいか?」
「お願いします!」
「よし、わかった。それは展示用だからな。坊主!こっちへ来い。」
俺はミシュに呼ばれ一緒に店の奥へと入って行く。
………………カンカンカンカン。
中に入ると鉄を叩く音が聞こえる。店内と比べて熱気が凄い。
「親方!もう用は済んだんで?」
鉄を叩いていた大男がミシュに声をかけてきた。
「いや、まだだ。この坊主に剣を作ることになってな。ガン、マジックソードの材料は残っていたか?」
「えぇ、ひとつだけ残ってます」
「そうか、お前は店番をしてくれ、じいちゃんと坊主の連れが来てる。」
「わかりました。坊主!いいもの作ってもらえよ。」
そう言うとガンと呼ばれていた大男は鍛冶場を出て行く。
「あいつはガンって言ってな、五年前からうちの店で働いてもらってる。私の店に入ってすぐに、剣に一目惚れした!雇ってくれ!って言ってね」
それ多分一目惚れしたのは剣だけじゃないだろうな。
「さて、大きさはどれくらいがいいかね。身長の半分もあれば十分そうか?」
「そんなに大きくても振り回せないと困るので、短剣くらいの大きさにして貰えませんか?」
剣術なんて子供の頃にお遊び程度しかやった事がない。叔父さんなんて剣より拳だからな。
「ん?そうか?剣術なんて覚えればいいだろう。普通のサイズにしとくな」
うん!ならなんで聞いたんだろうね!後から知ったが、小さくないか?って意味で聞いたらしい。大剣なんて持てないよ!
もしかしたら、技術的に短剣のサイズでは作れなかったのもあるのかもな。
………………カンカンカンカン。
………………ジュウウウ。
「よし、出来たぞ。持ってみてくれ」
何度か鉄を温めたり叩いたり冷やしたりして、俺の鉄剣が完成した。
鉄剣を持ってみる。
「おもたっ!?」
なにこれ超重い。短剣なんて比べ物にならない重さだ。 さっき片手で普通に持ってたよな?あんな華奢な体してるのにどうなってんだ。
「重いか?それでも軽めに作ったんだがな。まぁ最初は皆口を揃えて同じことを言うが、慣れるだろう」
これが慣れるって?両手で持つのがやっとなのに!?
でも魔物と遭遇するのが増えてきたし鍛え直す良い機会かもしれない。
「ありがとうございます。大切にします!」
俺の部屋でインテリアにならなきゃいいけど。
鞘も作ってくれたので、それに剣を閉まって出てくる。
「おかえりなさい、べギア君!それが作ってもらった剣なんですね?」
会長が声を掛けてきた。
「あぁ!」
「抜いて見せてください!」
会長が楽しみにしている。俺はミシュの方を見る。抜いたは良いが万が一、床に刺さるかもしれないからな。
ミシュは頷いている。俺は落とさないように両手で引き抜く。
「おぉ!べギアさんかっこいいです!」
ルレンが褒めてくれる。かっこいいのは俺じゃなくて剣な。
「さっそく魔力を込めてみてください!」
ルナがお願いしてくる。そう言えば、さっきは重たいのにびっくりして魔力を込めてなかったな。
もう一度ミシュを見たら頷いたのでやっていいって事だろう。俺は氷魔法を使う要領で剣に魔力を流す。
そうすると、ただの銀色の鉄拳が氷剣へと変わる。
「おおおお!」
炎剣を見た時みたいに驚いている。
魔力を込めたら少し軽くなるのか?頑張れば片手で持てそうだ。
ルレンがある疑問を聞いてきた。
「べギアさんって風魔法以外にも使えるんですね?」
みんなも確かに、って表情でこちらを見る。
そう言えば、言ってなかったか。
「あぁ、実習訓練の時に使えるようになったんだ」
「お兄ちゃん凄いです!」
俺が凄いのかシルアの鍵が凄いのか分からないけど、褒められるのは嬉しい。
色々話をして武器屋を後にする。
「もし、壊れたりしたら寄ってくれよ。まさか2属性持ちなんて初めて見たよ。じゃあな!」
ミシュが見送ってくれた。
「はい!壊れなくても、またパラクリントに来たら寄らせてもらいます!」
俺達は宿泊施設へと戻る事にした。
そう言えば、エマ先生が見当たらないな?どこ行ったんだ?
「みなさん見てください!先生、鎧を着てみましたよ!」
………………シ───────ン。
「………あ………れ?」
エマ先生の声だけが武器屋の中で響いた。
実習訓練が終わってからのパラクリント観光初日が終わります。




