2-26 再び輝く
実習訓練続きです。
相手のチームの3分の1はターゲットを破壊することに成功した。
でもこっちのチームよりまだ多い。
とりあえず拠点から出す事は出来たがどうするかな。
俺が考えていると会長が案を出してきた。
「リレーの時のあれをやってみたらどうですか?」
「リレーの時と言うと、フラッシュですか?」
「はい!私が囮になるので、その間に皆さんでターゲットを壊してください!」
「わかりました。他の残っている生徒にこの事を伝えてください」
俺は会長にお願いする。
「任せてください!」
会長も快く承諾する。
「きゃあああ、来ないでください!」
会長が悲鳴を上げて走っている。
「会長!草むらに逃げるんだ!」
俺は大きな声で聞こえるように叫ぶ。
「このままでは、やられてしまいます!誰かー!助けてください!」
誰も助けに行かない。
会長が居るのに気付くと相手の何人かが会長のターゲットを破壊しようとやってくる。
「マリアラ会長ォ〜、さっさとやられろォ!」
相手のチームが魔法を使って破壊しようとしてるがギリギリのタイミングで魔法障壁を張る。
「今だ!会長!」
俺は通信で合図を出す。
「いきます!フラーーーッシュ!」
会長の全身が光り輝いた。
「うわぁぁぁぁあああ!」
目が眩んでいるうちに俺達のチームは相手のターゲットを破壊していく。
「べギア君やりました!」
会長が喜んだ。
その時だった。
「ダークバレーノ!」
聞きたくない声が会長の鍵を通して聞こえた。
「きゃっ」
「会長!?」
俺は会長が無事か訊ねた。
「痛てて、私は無事ですがターゲットが破壊されてしまいました。拠点に戻ります」
なんて事だ。会長はギルネにやられてしまったようだ。
こっちのチームは後10人、相手のチームは18人だ。
時間は残り30分になってしまった。
俺は隣にいる人の事を思い出した。
「そう言えば、エマ先生ってこっちのチームの人って事でいいんだろうか?」
「はい、もちろん先生も戦います!」
普段は頼りないが今だけは心強い。
「エマ先生は何の魔法が使えるんだ?」
「契約魔法です。サァちゃん、スゥちゃん、出てきてください。」
エマ先生がウェストポーチに話しかけると小さい狐のような生き物が2匹出てきたかと思うと一回転をして50cmくらいの大きさになった。
「うわっ!?」
俺は驚いて声が出る。
「驚きましたか?私の使い魔のサァちゃんとスゥちゃんです!索敵なら得意なので任せてください!先程の不正も私の使い魔で確認しました」
使い魔って便利だな。
エマ先生には敵が来ないか索敵してもらおう。リレーの時みたいに襲ってきたヤツらに速度を速める魔法をルナに使ってもらうか?それだと逆効果になりそうか。
何か手は……。
俺はある事を思いついた。
「催眠魔法使えるやつってまだ残ってたか?」
ルナと同じクラスの人だったのでルナに連絡してもらおうとしていた。
「ちょっと待ってくださいね。はい、まだ残ってます!」
ならいけるか?
「ここまでバレないように来てくれって言ってくれ」
俺は催眠魔法を使える生徒をここまで呼ぶ。
作戦を3人に伝える。
ルナはこの民家で俺達が誰かに攻撃されないか見張り役だ。
敵陣には俺とエマ先生とさっき呼んだ、クレトで向かう。
今は草むらに隠れている。
「エマ先生、お願いします」
「わかりました。サァちゃん、スゥちゃん」
俺達は相手にバレないように小声で喋る。
使い魔の2匹には敵が居ないか探ってもらっている。
大勢で固まっているところじゃなくて数名、もしくは1人で居る人を探してもらう。
「べギア君、いました。あそこの民家に1人で居るみたいです」
エマ先生は左の方にある民家を指差す。
「その周辺に誰か居ないか調べてもらっても大丈夫ですか?」
「もちろん、それも調査済みです!みんな右の民家に固まっているようですね?」
言わなくてもわかってるなんてエマ先生らしくない。
でも助かる。
俺達3人は一階建ての民家を目指す。
「さっき言った通りに頼むぞクレト」
「わかりました。期待はしないでくださいね」
俺とエマ先生は玄関から入る。
まさか来るとは思ってなかったのでそこに居た生徒は驚いて魔法を使ってくる。
それを魔法障壁で防ぐ。
初めて魔法障壁でちゃんとした魔法を防いだ気がするが、案外壊れたいものなんだな。
「その程度しか出せないのかよ!」
敵を俺に集中させるために挑発する。
「この前まで鍵を持っていなかった分際で何言ってやがる!ウォーターフシール!」
さっきより強い水の魔法が放たせる。
十分引き付けたかな。
「スリプレ!」
水の魔法を使っていた人の後ろから声が聞こえた。
相手のチームの1人は眠ったのだ。
音に気づいたのか、何人かがこちらへ向かって走ってくる。
「クレト!急げ!」
「はい!」
急いでクレトに着替えさせる。
俺とエマ先生は家の隅で待機する。
「大丈夫か!?」
赤いベストを着た2人組が中へ入って行く。
「あ、あぁ。自分の魔法で髪がぐちゃぐちゃになったけど、なんとか追い払った」
クレトに誰かバレないよう髪をオールバックにしてもらい後ろを向いてもらう。
「そうか、俺達は拠点の隣にある民家に集まってるからお前も来いよな」
入ってきた2人組が家を出ようと後ろを向いた瞬間だった。
「スリプレ!」
クレトは2人組を眠らせた。
「流石だクレト!」
「たまたまですよ。それより、急ぎましょう!」
嬉しそうだ。
俺とエマ先生は寝ている2人のベストを脱がせ着る。
民家に居るって言ってたな。
あとここに居たのはバレてしまったかも知れないので移動しないとな。
マリアラ会長=フラッシュの人ってなりそう。




