2-25 実習訓練始め
魔法の訓練って書いてたつもりなのに魔物の訓練って書いてたよ( ˊᵕˋ ;)
実習訓練初日。俺達はパラクリントから出て馬車で揺られること30分。訓練所にやってきた。
普段は騎士団の人が使っているらしいのだが、今回は特別に使わせてもらえることになった。
なにやら学長と繋がりがある人が居ると言う噂だ。
「着きました。ここがパラクリント訓練所です!ここではパラクリントの騎士団さん達が魔法の訓練や武術の訓練をしているんです!」
エマ先生が張り切って説明している。
この訓練所は数十年前までは1つの村として機能していたが、魔物の襲撃により、今はパラクリントに移住したそうだ。
そう言えば、昨日エマ先生に騎士団の人達を探してもらったが道に迷ったらしく結局セシア達と居た。
エマ先生が1人で観光してたら確実に迷子になってたかもな。
俺達はパラクリント訓練所の元大聖堂へ向かう。
こっちにはAグループが集まっている。
みんな何か着ているようだ。
「はい、べギア君。これを着てください!」
エマ先生が俺に青いベストのような物を渡す。
「これは?」
「訓練用の特製ベストです!その半円の球が付いてる方が後ろになります。そこに攻撃が当たると、壊れるようになっているので壊れたら、ここへ戻って来てください。」
みんなに配り終えたらどこかへ行った。
きっと先生が集まる所があるんだろうな。
「みんな居るかー?そろそろ始めるぞー」
点呼のためにスティブン先生がやって来た。
これから始まるみたいだ。
「一応ルールの確認をするぞ」
スティブン先生がルールの確認をする。
制限時間は1時間。1回の通信は3分まで。基本的に先生の関与は無いが、危ないと思ったら止めに入るらしい。
赤が相手側で青が俺達だ。
リレーの時と同じだが命に関わる魔法の使用は禁止だ。
ターゲットを壊されたものは魔法の使用は禁止、速やかに大聖堂に戻って来る事。
支給されたベストは脱いで違う場所に隠したり、埋めたりするのは厳禁。
開始前に補助魔法をかけたり、妨害魔法を好きに使っていい事。
訓練所の建物は魔法であまり壊さない事、これは実際に町で魔物が来た時のためだ。
より多くのターゲットを破壊したチームが勝利となる。
最後に、負けたチームは宿泊施設を出ていく時に全ての部屋の掃除をやらされるとの事だ。
「五分後に始めるから、みんな散らばっておけよー。時間になったら魔法を空にを打ち上げて知らせるからな。その前に相手チームを見つけても攻撃するなよ」
スティブン先生が外に出て行く。
俺達は5人揃って行動することにした。
大聖堂を出て、ある一軒の民家に入る。
そこにはエマ先生が居た。
「ちょ、ちょっと待って!なんでエマ先生が居るんだ!?」
「えへへ。これ付けてみたかったんですよー」
嬉しそうにしているエマ先生。シルアより子供みたいだ。
…………ドンッ。
開始の合図がなる。
…………パリンッ。
それと同時にセシアとルレンのターゲットが割れる。
「敵か!?」
俺は警戒して背中を守りながら辺りを見渡す。
どうやら相手のチームは誰も見当たらない。
「べギア君!他の人も半分くらいスタートと同時にターゲットが割れたって!」
会長が他の人と通信して状況を教えてくれる。
妙だな?罠のような物も無かったし、人の気配もなかった。
まさか!
「エマ先生、このベストって誰が運んできたんですか?」
「えーと、確か3年のギルネ君です」
あー、やられた。ジューディの街でもパラクリントの繁華街でも見なかったからおかしいと思ってたんだ。
俺達のチームは半分ほど開始と同時にやられたらしい。
「エマ先生、これって……?」
「はい、相手チームの不正は私が見届けました。あとで他の先生に報告します。ですが、負けたくないので勝ちましょう!」
エマ先生が右手を握り天に翳した。
仕方ない。不正されたけど、負けたくはないからな。
セシアとルレンは、やられたので大聖堂へと帰ってもらった。
まずは状況確認だ。
会長に通信してもらいながら情報を得る。
相手のチームは拠点からあまり動いてないらしい。
このまま時間切れまで持っていくのだろう。
なんとか拠点から出さなければ行けない。
壊すか?最悪壊しすぎた時の罰は言われていない。
「会長、相手の拠点を破壊する事って出来るか?」
「でもスティブン先生が建物を壊すのはダメだって言いませんでしたか?」
いや、俺はある事を会長に伝える。
「なるほど!グレーゾーンですが、やってみます!」
「ルナ、会長の攻撃力を上げる魔法って掛けられるか?」
「もちろんですお兄ちゃん!」
会長に魔法を掛けてもらう。
「会長、頼んだ!」
「任せてください!グリムアロー!」
会長は民家の壊れた窓から光の矢を放つ。
狙うのは勿論、相手の拠点である校舎ではなく、その近くに生えてある木だ。
ギイィィィィィィイ。
木が倒れていく。
そして校舎にぶつかる。
それを何度も会長にお願いする。
積み重なった木に向かって光の矢を放つ。
木に当たっているので魔法で壊したことにはならないだろう。
そうして相手の拠点は壊滅した。
凄い他力本願な気がしてきた。




